【目次】
・「もにょる」って、一体何ですか…?
・もにょるの正しい使い方・例文をご紹介
・最後に
「もにょる」って、一体何ですか…?
◆もにょるの意味
「もにょる」。その字面からして、モヤモヤしてしっきりしない、なんか微妙な感じがしますね。意味としては、まさに「もやもやして気持ち悪い様子」「こそばゆい」「微妙」「言葉にしにくい歯がゆい感じ」「悪くもないが良くもない」「納得できない」という状態を表します。
「もにょる」は思っていることをうまく伝えられない、緊張してきちんとしゃべることができないときなどの様子を表す「もごもご」「ごにょごにょ」などと似ている感じがしますが、「もにょる」はそうした口が上手く回らない行為というよりも、「むずむず」「もやもや」という口ごもった様子を指す意味に近いかもしれません。
もともとは同人誌の作品や作者に対しての違和感やなんとも言い難い曖昧な感情などを表現する言葉として使われることが多かったようですが、一般的に認知され流行語になってからの「もにょる」は少し違った意味で使われるようになりました。
現在では「不快、納得できない」という意味もあり、単なる批判や中傷、怒り、不快感などの意味合いで使われることも多くなっています。
◆もにょるの由来
「もにょる」は2000年ごろから使われ始めました。インターネット掲示板「2ちゃんねる」の書き込みから生まれたといわれています。
「つまらない本を読んでおなかがもにょもにょする」という書き込みが由来とされ、この「おなかがもにょもにょします」の部分が次第に簡略化され、「もにょる」「モニョる」「もにょった」「モニョった」として定着したといいます。
もともとは微妙な作品を読んだ後に、言葉にできないけれど、なんとなくお腹のあたりがむず痒いような状況を「もにょもにょする」と表現したそうです。罵倒や批判ではなく「悪くはないだけど、なんか微妙でもやっとする」「表現したいことはわかるんだけど、もうちょっと画の力が足りない」というニュアンスで使われていました。
ところが、この言葉が広がるにつれだんだんニュアンスが変わり、最近では「読むとイライラする」「すっきりしなくて気持ち悪い」という批判的な意味で使われることも多くなってきました。
いずれにしても、使われた相手はあまりいい気持ちはしませんし、軽い気持ちで不用意に使った際は相手を不快にさせるばかりか、関係が険悪になる可能性もありますので、使用する際はくれぐれもTPOを考えて使った方がいいでしょう。
もにょるの正しい使い方・例文をご紹介
1「巷では最高傑作といわれている大ヒット映画を観たが、なんか、もにょもにょしてすっきりしなかった」
どんなに高い評価を受けている作品でも違和感を覚える作品は誰にでもありますね。駄作というほどひどくはないが、とても感動した、というわけでもなく、でもどこか消化不良ですっきりしない感情。そんな時にまさに言いえて妙なのが「もにょもにょ」なのかもしれません。
2「この作家は昔からファンだけど、今回の新刊はもにょるばかりだった」
「もにょる」の本来の意味が「ものすごく悪いわけではないが決して良くもない」というもので、それ自体が限りなくあいまいなものなので、どう表現したらいいのかわからない時に使いやすい言葉かもしれません。
ただ、批判的な意味で使われることも多いので、わかりにくいから余計に「イライラする」「スッキリしない、気持ち悪い」という不快な意味で使われることもあります。
3「あのドラマのキスシーン、すごくもにょる」
「もにょる」には「こそばゆい」という意味も含まれます。「こそばゆい」とは、くすぐられたような、むずむずした感じですから、素敵なキスシーンなどを見ていてくすぐったい気持ちになった時などにも使います。
そもそも「もにょる」自体が、よくわからない感情や状態を表しますから、くすぐったいような、見ているこちらが照れ臭くなってしまうようなそんな状態をさす時に「もにょる」は広く使われるようです。
最後に
「もにょる」という言葉はネットから生まれた造語です。「~る」という言葉に「流行っている」「みんなが話題にしている」「口コミで話題」といった意味合いで使う「バズる」というものがあります。
これは英語の「buzz」に由来しているもので、「もにょる」の出自とは異なりますが、「~る」という形で一般的に使われています。ただこうした「~る」という言葉はオフィシャルな文面や会話では相手に失礼に当たります。使う相手やタイミングなどにはくれぐれも注意しましょう。
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