実は花粉は「床」にも潜んでいた!
そもそもなぜ室内でも花粉の症状を実感するの?
スギ花粉は、毎年1月下旬頃から5月初旬頃まで山間部の杉林で飛散します。このスギ花粉は風に乗って、杉の木がない都心部までも運ばれてきます。
その多くは地面に落下しますが、オフィスや住居などにも侵入するのです。オフィスでは、人が出入りする玄関や外気を取り入れる換気口付近で特に多く侵入。また人の衣服や肌、髪にも付着し、人が建物内に花粉を持ち込むことも。
オフィスに入った花粉は間もなく落下しますが、落下するまでのしばらくの間に、人が浮遊した花粉を吸い込むと花粉症の症状が生じると考えられます。
室内で意外と花粉が溜まりやすい場所は?
建物内で特に花粉が多く落下している場所は、屋外と接している玄関、外気を取り入れる換気口や換気窓付近。また衣服に付着した花粉は、人が衣服を激しく動かした際などに落下することもあるので、更衣室やコートハンガー付近なども多くなる可能性が高い場所と考えられます。
オフィスの床に掃除機をかけホコリを集め分析すると、花粉の飛散シーズンはもちろん、スギの花粉が飛ばない秋から冬にもスギ花粉が見つかることも。
しかし実際に働く人々の意識はどうでしょうか。昨年末にオフィスワーカーを対象に行われた「隠れダスト※1に関する意識調査」では、約50%の方がオフィスの空気へ意識を向け、床面に対しては約2%の方しか意識を向けていないことが判明※2。
多くの方が花粉は空気中を浮遊しているものと考えていますが、建物内では比較的短い時間で床に落下。そして床に溜まった花粉は、人が清掃などで取り除かない限り、いつもでもそこに残り続け、何かのきっかけで再び浮遊することも考えられます。
そのため建物内の花粉対策としては、侵入する花粉を減らすこととともに、床に落下している花粉を取り除くという清掃行為がとても大切なのです。
「床」に溜まった花粉は、どのように対処すればいい?
花粉を取り除くためには、頻繁に清掃を行うことがベスト。そして掃除を行いやすい環境を整えるために、床に不要な物を置かないなどの整理整頓、レイアウトの見直しも大切。
また日本のオフィスの多くでは、タイルカーペットが敷かれていますが、カーペットの上に落下した花粉は人が歩行するなどで踏みつけられると、カーペット奥に潜ってしまうことも。花粉の飛散する時期は、特に普段清掃を行わないところまで丁寧に清掃を行うことが大切かもしれません。
さらにロボット掃除機を使うのも効果的。人が掃除した場合は、掃除の仕方が目に見えるごみに集中するなどどうしても清掃ムラが発生しがち。一方ロボット掃除機を使えば清掃ルートをくまなく掃除できるうえ、人が歩いて掃除するよりダストを舞い上げてしまうリスクも低減します。
再び花粉が舞い上がらないように、オフィスの中では、外気が流入しやすい玄関や換気口付近の床、更衣室やコートハンガーなどの上着の脱ぎ着するエリア、そして皆さんがオフィス内で滞在時間の長い執務エリアを中心に床の清掃を行いましょう!
※1:隠れダスト:チリや花粉、カビ、細菌など、床に存在し、空気中に舞い上がりやすいが、肉眼では見えにくいため人の手では取り残してしまうごみの総称。
※2:オフィスの〝隠れダスト〟に関する意識調査
調査名:「オフィスの“隠れダスト”に関する意識調査」
調査期間:2019年12月26日(木)
調査対象:全国の20~50代のオフィスで働く男女516人
調査方法:WEB定量調査
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