力量を見くびられたことが不服なときに使う表現を見直そう
取引先から「私どもでは役不足で、御社の仕事は任せられないとおっしゃるのですか」と質問を受けました。力量を見くびられたことが不服なよう。
この文章には、どこかに間違いがあります。では、あなたは何が間違いかわかりますか。
【問題】
「私どもでは役不足で、御社の仕事は任せられないとおっしゃるのですか」の間違いはどこ?
1. 役不足
2. 任せられない
正解は?
1. 役不足
「役不足」の使い方が間違っています。「役不足」は、もともと、俳優などが割り当てられた役に不満を抱くことで、それが転じて、力量に比べ、役目が不相応に軽いことの意味で使われるようになりました。
例文は、役目が低すぎることに不満を感じているのではなく、自分の力量を見くびられたことが不服なわけですから、「力不足」「力量不足」などを使って言い表します。
役不足(読み:ヤクブソク)
[名・形動]
1 俳優などが割り当てられた役に不満を抱くこと。
2 力量に比べて、役目が不相応に軽いこと。また、そのさま。「そのポストでは役不足な(の)感がある」
[補説]文化庁が発表した「国語に関する世論調査」で、「彼には役不足の仕事だ」を、「本人の力量に対して役目が軽すぎること」と「本人の力量に対して役目が重すぎること」の、どちらの意味だと思うかを尋ねたところ、次のような結果が出た。→力不足
(小学館デジタル大辞泉より)
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