こんなところにも! 意外と知らないエレベーターの席次
立ち位置を意識せず乗り込むことが多いエレベーターですが、実は席次があるんです。早速確認してみましょう!
◆エレベーターの“上座”はいつも向かって左奥
エレベーターの上座は向かって左奥が正解。ですので、トップ画像の4番の位置が正解!
常に向かって左奥が上座になるのは、西欧の伝統的な考え方、右上位(みぎじょうい)に則ったものなんです。エレベーターとともにエレベーター利用時のルールも西欧から伝来し、踏襲されているんですね。
右上位は、外務省の国際儀礼(外務省)でも紹介されている考え方です。オリンピックの表彰台では、金メダリストから見て、銀メダリストが右側、銅メダリストが左側に位置するのも右上位によるものですし、国際的な会議や会食の場でも主賓を中心として、右上位の考え方に則って席次が決められています。
右上位の考え方が、外から見てなのか、中から見てなのか混同してしまうかもしれないので、上の図を確認してください。
※エレベーターの席次は右上位ですが、日本においては、左上右下(さじょううげ)という左を上位とする伝統的な考え方もあり、左を上位とする場面(和室の席次など)もあります。難しいですね!
◆エレベーターの“下座”はいつも操作パネルの前
一方、下座はどこになるのでしょうか。エレベーターの下座は操作パネルの前が正解です。
どの位置に操作パネルがあっても、いつも操作パネルの前が下座になります。
では操作パネルが両側にあった場合は、どちらが下座になるでしょうか?
そう! 右上位の考え方を当てはめ、外から見て右側の操作パネルの前が下座になります。こちらも位置を混同するかもしれないので、下の図をチェック!
いかがでしたか? エレベーターはたくさんの方々が一度に乗り込みますし、見ず知らずの方同士であることも多いですよね。ましてや、立ち位置を指示するなんてこともありません。
また、出社時間帯など、立ち位置を選んでられないほど混雑していることもあるので、上座下座を気にしなくても… と思われます。
たしかに実践的に使えるのは、「操作パネルの前に立つこと」だけかもしれません。ですが、エレベーターの中の立ち位置にも国際的なルールに基づいて意味があると思うと、知識として身につけておいて損はないと思いますよ。
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!