【目次】
・「ジト目」の意味や由来について
・ジト目の正しい使い方は? 例文をご紹介
・思わず、ジト目で見てしまいそうな時の対処法は?
・最後に
「ジト目」の意味や由来について
「ツリ目」や「たれ目」など、目の形状や状態を表す言葉は数多く存在します。しかしながら、「ツリ目」や「たれ目」と違い、「ジト目」を聞きなれないという人も多いでしょう。
「ジト目」は目の形状を表すひとつの言葉であり、「半目」や「細目」「下半月状の目」を表現しています。「ジト目」はあまり日常的には使われませんが、漫画やアニメなどでは、現在メジャーな表現のひとつとなりつつあります。
◆「ジト目」には形状の表現以外にどんな意味がある?
「ジト目」には半目状態でじっとりと相手を見るという意味があります。「ジト目」の行動原理として、軽蔑や不信、呆れなど相手を見下すような負の感情を持ち合わせています。
そのため、同様にじっとりと相手を見る「にらむ」とは異なります。にらむ場合は「怒りなどのはっきりした感情」、ジト目は「恨みなどの陰湿的な感情」であると合わせて覚えるとよりわかりやすいかもしれません。
しかしながら、「ジト目」の定義は曖昧であり、細目や半目になっていれば、負の感情がなくても「ジト目」であるとされることもあります。そのため、ジト目にはその状況に応じた使い分けが必要になってきます。
「ジト目」は1970年後半から小説や映画で使われるようになった俗語であり、語源はネガティブな感情で人を見つめるときの「じとーっ」というオノマトペからであるとされています。現在ではライトノベル作品や漫画、アニメの表現・キャラクター造形で多く用いられており、純文学ではあまり使用されません。
また、「ジト目」には感情表現だけでなく、「半目」や「下半月状の目」など、目の形状を表すことからキャラクターの性格を表現することもあります。
「ジト目」のキャラクターは表情により、
・何を考えているかわからないミステリアスなキャラクター
・いつも眠たげで無気力そうなキャラクター
・相手を責めることが好きそうなサド性のあるキャラクター
など、様々な印象を与えることができます。このように様々な性格のキャラクターに用いることのできる汎用性の高さが漫画やアニメで「ジト目」キャラが主流である理由の1つでしょう。
「ジト目」と混合されやすい目の表現に「三白眼」があります。「三白眼」は元々黒目が小さい場合や、通常より白目の占める割合が多い目を指します。下から睨みつけるような「ジト目」になった際、白目の占める割合が黒目の左右と下の三方向と一時的に多くなるため「三白眼」と呼ばれることがあります。
相手を負の感情で見る「ジト目」と元々の白目の割合が多いことを表現する「三白眼」は、正確には違う意味を持つ言葉なので間違えないように注意しましょう。
ジト目の正しい使い方は? 例文をご紹介
1「彼女とのデートに遅刻をしてしまい、ジト目で見られた」
相手の行動に対し、一時的に呆れや軽蔑の感情が生まれていることを表す際に用います。漫画やアニメで「ジト目」の表現として用いられることの多い「下半月状の目」は実際には再現をすることができないため、日常生活の中で「ジト目」という言葉を使う際はこの意味を用いることが主流となっています。
2「このクールなキャラにはジト目がよく似合う」
「下半月状の目」にデフォルメされたキャラクターであることを指します。キャラクター自体に対して用いられる場合は一時的な「ジト目」と異なり、キャラクター自体の個性、性格を表現します。
また、「ジト目」という言葉を使用する際には重複表現とならないよう、「じと~」や「じっとり」などのオノマトペを組み合わせて使わないよう注意が必要です。
思わず、ジト目で見てしまいそうな時の対処法は?
「一緒にいる相手がマナーに欠ける行動をした」、「上司の命令に対する不満が大きい」など、思わずジト目で相手を見てしまいそうな時はありませんか? そんな時は一体どう対処すればいいのでしょうか。先述の通り、ジト目には負の感情が大きく含まれています。
そのため、ジト目で見てしまいそうな時には自身の抱えている負の感情を理解して認めることが重要です。感情的に行動をする前に「今の相手の行動にイライラしている」、「納得ができなくて悔しい」など、自分が負の感情を抱えていると自覚しましょう。
その後、何故そのような感情が生まれたかを考えることにより、自身の持つ感情を客観的な視点で考えることができます。そうすることによって感情を明確に理解することができ、コントロールしやすくなります。自身の持つ感情について理解することができたら、次に今自分が抱えている感情を認めましょう。
認める際には「今自分は相手に不満を抱いている」、「今抱えているような怒り、悔しさなどの負の感情が発生すること自体は自然なことである」と肯定をし、「イライラすることは悪いことである」、「不満を抱くなんて大人気ない」など否定をしないことが重要です。
このように負の感情を抱いたときは、その感情を理解して肯定することにより感情に飲み込まれない力をつけることができます。その結果として、感情をコントロールするための力が養われます。感情をコントロールする力が身につけば、相手の行動や発言にジト目で見てしまいそうな時にも上手く対処をすることができます。
最後に
「ジト目」について理解ができましたか? この言葉1つで人の感情や行動がわかる便利な言葉ですね。しかしながら、漫画やアニメなどの影響により認知度の高くなってきた言葉である「ジト目」ですが、俗語であるため目上の人に使うべき言葉でないことに注意しましょう。あくまで同様の趣味を持つような近しい間柄での使用に留めるようにしましょう。
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