最高に美味しい♡ 遠出してでも食べたい! カレー名店
春も近づき、だいぶ暖かくなってきました。こうなってくると何故か僕は遠くへカレーを食べに行きたくなるんです。最近は休みの日にちょっと遠出してカレーを食べに行く事も増えてきました。
思い起こせば3年前にも春を迎える頃にカレー旅の記事を書いていました。まだ連載が始まってそれほどたっていない頃ですから有名店を中心としたラインナップですね。この3年でカレー需要は一気に高まり、有名店よりも知る人ぞ知るお店の情報を求める方も増えてきたように感じています。
今回はそんなカレーマニア、つまりは美味しいカレーの為なら遠出もいとわず、有名店はほとんど行きつくしてしまったというような同好の士の為に、知る人ぞ知る東京近郊の名店を紹介したいと思います。
今回も東京と隣り合う、千葉、神奈川、埼玉、そして山梨のお店から。そして今回はさらに色々な意味でハードルの高いお店も含まれていますので、そのハードルの低い順に7店舗、紹介していきます。
◆あえて言おう! 究極のインネパと「埼玉 鶴ヶ島 アムリタ」
東武東上線鶴ヶ島駅から歩いて7分程度。東京から少し遠いというだけでハードルはあまり高くないお店です。こちらのお店はネパール人シェフによるインド料理、ネパール料理のお店で、マニアからは「インネパ」と呼ばれて敬遠されるタイプのお店なのですが、よくあるインネパとは別物の、言うならば「究極のインネパ」とでも言えるようなお店です。
インネパが敬遠されるのは本格的なインド料理でもネパール料理でもなく、日本人向けにローカライズされたどっちつかずの料理であることが多いからなのですが、こちらのお店はネパール料理もインド料理も超本格派の美味しさ!
土日限定のスペシャルダルバートは上品にまとまったバランスの良いワンプレートで、ネパールの首都カトマンドゥにある高級店のような味です。
▲スペシャルダルバート
そして不定期でパンジャーブ地方など、インドのある地方にこだわった郷土料理を予約限定で提供もしているのですが、これまた本格的な現地味の美味しさなのだから驚きます。こちらのシェフはネパール人なのですがインドのお店で長年腕を振るっていた方だからこそ、どちらの国の料理も本格的な味わいで出せるというわけです。
東京でもなかなか食べられないようなメニューが出ることもあるので、SNSなどでその動向を要チェックです!
◆町中華で老舗カレー店の味を「千葉 柏 中華大島」
千葉においてカレー激戦区のひとつとして知られる柏。こちらのお店は名前の通り中華のお店であり、見た目は昔ながらの町中華そのもの。まさかここに本格的なカレーがあるとは思えないという雰囲気がハードルになりかねないのですが、そこで躊躇していてはもったいない最高のカレーと、そして町中華だからこそ中華料理も一緒に食べられるという他にはない楽しみ方ができるお店です。
柏がこれだけカレー激戦区になったのはボンベイという名店があるからこそなのですが、こちらのお店もボンべイ的なカレーです。もっといえばボンベイは日本有数の老舗であるデリーから派生したお店なので、デリー系と言った方がわかりやすいかもしれません。
デリー系の看板メニューである激辛カシミールカレーもあります。ただ辛いだけではなくその辛さの奥に確かな美味しさがあるクセになあるカレー。これにおつまみメニューの煮込を合わせるのが僕のおすすめ。そのまま食べても美味しい豚もつの味噌煮込みなのですが、これにカシミールカレーのグレイビーを少し入れると最高のカレー煮込みに生まれ変わりますよ!
▲カシミールカレー
◆埼玉に溶け込んだパキスタン「埼玉 八潮 カラチの空」
つくばエクスプレス八潮駅から徒歩20分から25分程の場所にあるパキスタン料理の名店です。こちらは既に知られた有名店ですが、それでも紹介したい程におすすめのお店です。
現地の味にこだわったその料理の数々。一番人気のビリヤニの美味しさもさることながら、8時間かけて作るというハリームや、菜の花で作るサーグの美味しさは他では味わえない素晴らしさです。
▲チキンビリヤニ
手間暇惜しまず、昔ながらのパキスタン現地の手法で作るからこその美味しさが廉価でいただけるという魅力。しかもひとつひとつの量が非常に多くて一人では食べきれない程なので、こちらのお店には是非グループで行き、彼是とシェアして楽しんで欲しいです。
店主のジャベイドさんはパキスタン人ですが、日本の心を持ったパキスタン人とも言える優しい方。店員さんが一見いかつくも見えるパキスタン人ばかりというのも女性にとってはハードルになるかもしれませんが、地元のママ会もしばしば開かれる程に地域密着型の気さくなお店ですから、何も心配せずに行ってみてください。
◆60〜70s洋楽好きにはたまらないお店「神奈川 矢部 ポカラ」
JR矢部駅から徒歩20分程の場所にあるお店です。駅から少し遠いというのがハードルなわけですが、散歩にはちょうど良い距離感でもあります。ポカラというのはネパールの地名ですが、ネパールカレーというわけではなく日本人の作るカレーライスがいただけます。
壁に60年代〜70年代のアーティストのレコードジャケットが飾ってあり、BGMもそんな音楽が聴けるという、古き良き洋楽が好きな方にはたまらないお店でもあります。
ポークかれーはしっかりと炒めた玉ねぎの甘味が味の根幹となっている奥深いカレーであり、豚肉の柔らかさも程良くてスパイス感もちゃんとある、実に美味しいカレーです。目玉焼きと一緒に食べればまろやかになり、食べ応えも上昇します。
▲ポークかれー+目玉焼き
何より値段が非常に安いのもまた嬉しい点。ランチタイムはサラダとラッシーもついてトッピング無しなら700円台でいただけるという破格具合(2020年2月現在)。手の込んだ美味しいカレーなのですが、それがこの値段でいただけるというのも東京ではありえない嬉しさですね。
◆鳥好きよ集まれ! 癒しのヘルシーカレー「神奈川 海老名 マタカリー」
小田急線海老名駅から徒歩15分程。畑の中を進んでいくと突然現れる可愛らしいお店です。路線的にも駅からの距離的にもそれほど行きにくくはないのですが、定休日が月、火、水の3日間あり、基本的に昼営業のみということで時間の制限もハードルとなるお店です。しかし、そのハードルを越えて行ってみれば癒されること確実です。
地元農家から仕入れた野菜を使ったオリジナルのカレーにマッシュポテトとトマトペーストが飾られ、辛さや肉や日替わりのトッピングを選んで自分仕立てで好みのカレーを仕上げることができるスタイルも楽しいです。
玉葱ベースのシャバっとしたカレーはフルーティーな甘味があり、非常に優しい美味しさ。これだけだとともするとぼやけた味になりそうなところを、後掛けのスパイスが味を引き締め、美味しさに芯があるカレーとなっているのが見事。計算された美味しさですね。
▲マタカリー(お魚フライ、色々きのこ)
また、デザートが美味しいのも忘れてはなりません。程良い甘さで優しいカレーの後にさらなる優しさに包まれます。
旦那様の作るカレーと奥様の作るスウィーツ。お二人は鳥好きでSNSを見ると鳥愛に溢れているのも微笑ましいです。鳥好きだけにおしどり夫婦ですね。同じく鳥好きな方ならきっと話も弾むこと間違いなしですよ!
◆山で食べる肉と卵と米とカレー「山梨 甲斐大泉 ヴィラアフガン」
山梨県の小淵沢から長野県の小諸までをつなぐローカル路線小海線。八ヶ岳高原線の愛称もあるそうです。こちらの甲斐大泉駅から徒歩だと30分少々山を登った場所にありながら連日行列が絶えない人気店です。山ですから、ここは流石にタクシーで行くことをおすすめしますが、タクシーも台数が限られるくらいの地方なので、前日予約必須です。
この場所でこの行列ということで、地元では名の知れたお店なのですが、東京のカレーマニアにはまだ意外と知られていません。古き洋館といった佇まいの独特の店舗。門からして風情があり、一階で待機し、二階で食べることになります。行列に並びながらその雰囲気を味わっていると、なんだかテーマパークにいるような気分にもなってきます。
カレーはジャンルで言うなら欧風カレーに近いもの。ベーコンも名物なので、是非ショルダーベーコンエッグカレーを食べてみてください。脂身が少ない部位なので大きくて分厚いカットながらしつこさが無く、ペロっといけちゃいます。目玉焼きの火入れ具合も絶妙で、肉、卵、カレー、ご飯というシンプルで豪快な美味しさを楽しむことができます。
▲ショルダーベーコンエッグカレー
接客も雰囲気も味も良いのですが、何しろローカル線で2時間に1本しか電車が出ていなかったりするので、行き帰りの時間はしっかりと綿密に計画を立てて行ってくださいね。
◆美味カレーと美麗パフェの予約超困難店「千葉 新検見川 256」
最後に紹介する256は、現在日本でトップクラスにハードルの高いお店のひとつだと言えるでしょう。場所は新検見川駅からバスで15分程。この時点で多少のハードルなのですが、ここに至るまでのハードルが非常に高いのです。完全予約制の時期によって変わるワンメニューが基本で、メニューが確定するとそれと共に予約開始の日時がSNSでお知らせとなります。
ネット予約と電話予約があるのですが、ネット予約は早い時には6秒で終わることもあるという人気ぶり。電話も基本通じません。何しろ多くの方がその時間に電話を一斉にかけるので、話し中になってしまうわけです。
これだけのハードルがありながら、連日満席なのには訳があります。カレーもさることながらパフェの美味しさがとんでもないレベルで、お店の雰囲気も可愛らしくおしゃれ。そして店員さんが料理の説明をしてくれたりパフェの撮影タイムがあったりと、アミューズメント感に溢れた楽しさがあります。
例えばある日のメニューはスリランカ風プレート。オーセンティックなスリランカカレーの味をベースとしながらも、副菜にそのセンスが光ります。レモンを使った副菜がカレーとカレーの境い目に隠されており、これを食べるとフレッシュな酸味が味を引き締め、美味しさのレベルを一段階上に引き上げていました。
▲スリランカ風彩りプレート(辛い海老)+スリランカ風チキンハーフ
そして苺とショコラのパフェは一匙ごとに味が変わっていくスペシャルなもの。何層にも分かれており、それぞれの層が違う味になっているという手の込みようで、パフェの概念が変わります。味の良さのみならず非日常的な体験をできる素晴らしいお店なので、運を天に任せてトライしてみてください!
▲苺とショコラのパフェ
カレーを食べればストレスが軽減するという説もあります。美味しいカレーを食べて多くの方が元気になりますように!
AKINO LEE カレーおじさん\(^o^)/
ヴォーカリスト、パフォーマーとして自身の活動の他、様々なアイドルの作詞作曲振付プロデュースを担当。ヴォイストレーナーとして後進の育成にも力を注いでいる。
音楽ライターとしても各種雑誌、ムック本などで執筆を担当。また、カレーおじさん\(^o^)/としても知られ、年間平均1000食以上のカレーを食べてきた経験と知識を活かしてTVや雑誌など各種メディアにおいてカレーについて語っている。
http://www.akinolee.tokyo/