【目次】
・「ンゴ」の意味とは?
・ンゴの正しい使い方は? 例文をご紹介
・最後に
「ンゴ」の意味とは?
語尾に使うネットスラングの一種で、「ンゴ」自体に意味はありません。もともとは失態をおかして自暴自棄になったときや、失態をおかした相手を嘲笑するニュアンスで使われていました。
そこから派生し、自分が失敗したときに「○○ンゴ」と語尾につけて自虐的に使うようにもなりました。今では特に意味もなく語尾につける場合もあります。
◆語源
発祥は、プロ野球を中心としたスポーツ実況掲示板“なんでも実況ジュピター”(通称“なんJ”)です。当時、楽天イーグルスに所属していた「ドミンゴ・グスマン」という投手の名前が由来です。ドミンゴ・グスマンが2008年の開幕戦でストッパーとして9回裏2点リードから登板するも、1アウトも取れないまま逆転サヨナラホームランを打たれて、逆転負け。その2日後にも同様の逆転負けを喫しました。
それを実況していた“なんJ”では、あまりの失態に「ドミンゴwwww」や「ドミンゴ~!」、それを縮めた「ンゴ~!」といった書き込みが多発しました。
以降、語尾に“ドミンゴ”の“ンゴ”を付けて、失態を嘲笑する言い方が広まりました。2017年頃には若者言葉としても流行し、「JC・JK流行語大賞」の「コトバ部門」で“ンゴ”は5位にランクインしました。若者たちの使い方は、本来の使い方である嘲笑や自虐だけではなく、「LINE送ったンゴ」、「おいしいンゴ」など意味もなく語尾につけ、響きのいい語感を面白がっているようです。
ンゴの正しい使い方は? 例文をご紹介
「ンゴ」の使い方を解説していきます。ネット用語として使う場合と若者言葉として使う場合に、少しニュアンスが異なるので、そのことも合わせて解説していきましょう。
1「ピッチャー交代した途端にホームラン打たれたンゴwwww」
「ンゴ」の由来である、野球より例文を紹介します。この例文の場合、嘲笑の意味合いが強いです。
ンゴと一緒に「wwww」という笑いを意味するネット用語を一緒に付け加えて使うことが多いです。笑いの量によって「w」の量は変わります。この場合、「w」と相まって嘲笑の意味合いがとても強いものになっています。
他にも「笑わせようとしてすべってるンゴw」、「あの人、今日も怒られているンゴねぇ」などというように使うことができます。
2「企画書に不備が多すぎて、上司に怒られたンゴ」
こちらは自虐の意味合いを込めて使っています。何かをやらかしてしまったけれど、深刻に受け止めて欲しくない場合に、軽く伝えることができますね。
他にも「スマホなくしたンゴ」、「何もないところでこけたンゴ」などというように使うことができます。
3「お疲れンゴ」
こちらは特に意味もなく語尾につけた使い方です。なので、「かわいいンゴ」、「喉が乾いたンゴ」、「この服、欲しいンゴ」、「セレクトショップに来たンゴ」などというように何にでも「ンゴ」をつけることができます。
他にもある〝なんJ〟発祥のネットスラング
「ンゴ」はプロ野球を中心としたスポーツ実況掲示板“なんでも実況ジュピター”(通称“なんJ”)が発祥だとお伝えしました。他にもなんJ発祥で今では多く使われているネットスラングは複数あります。その一部をご紹介していきましょう。
「サンガツ」
「ありがとう」という意味のなんJ語であり、ネットスラングです。「サンキューガッツ」という言葉の略語になります。
「サンキュー」は英語の「thank you」を表しています。「ガッツ」は元プロ野球選手の小笠原道大選手の愛称です。元々は小笠原道大選手への感謝の意を表していましたが、今では「ありがとう」という意味でネット上で広く使われています。
「ぐう聖」
「ぐうの音も出ないほどの聖人」を略して「ぐう聖」として使います。他にも「ぐう畜」(ぐうの音も出ないほどの畜生)、「ぐうかわ」(ぐうの音も出ないほどかわいい)、「ぐう正論」(ぐうの音も出ないほどの正論)などがあります。
「こんなことをされても怒らないなんて、先輩はぐう聖だ」などというように使います。
「ニキ」
「兄貴」を略して「ニキ」として使います。なお、女性には「姉貴」を略して「ネキ」と使います。「よろしくニキー」と使えば、「よろしくお願いします、先輩」という意味で、尊敬や親しみが込められています。ただし、使い方によっては、皮肉が込められている場合もあるので、注意が必要です。
「英会話に自信ニキが助けてくれた」などというように使います。
最後に
「ンゴ」について正しい使い方や意味はわかりましたか? 人名が語源だということに驚かれた方も多いのではないでしょうか。元々はネット上だけの言葉でしたが、響きのよさから口語でも交わされるようになりました。
しかし語源はネットスラングですので、ビジネスシーンなどで使うにはふさわしくないでしょう。親しい人たちとの間で、コミュニケーションを取るために使うくらいの距離感が大切ですね。
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