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2020.02.06

「奇しくも」の正しい意味や使い方を解説! 混同しやすい言葉や類義語などもチェック

間違って使ってしまったことはありませんか? 「奇しくも」の正しい意味や使い方について、間違えやすい言葉や類義語も合わせてご紹介します。

【目次】
「奇しくも」の意味とは?
奇しくもの正しい使い方は? 例文をご紹介
奇しくもの類義語・対義語は?
最後に

「奇しくも」の意味とは?

(c)Shutterstock.com

「奇しくも」という言葉をご存じでしょうか。「奇しくも」は「くしくも」と読みます。「きしくも」ではありませんから、気をつけましょう。

「奇しくも」の意味は「不思議にも。偶然にも。あやしくも」です。思いかけずに起こった事態の偶然を不思議に思う様子、普通では考えられない何かの力が働いているとしか思えないという気持ちを表します。

◆「奇しくも」と混同しやすい言葉は?

「奇しくも」は誤用が多い言葉のひとつです。言葉を正しく使うには、適切な意味を理解する必要があります。「奇しくも」と混同しやすいのが「悔しくも・惜しくも」です。「奇しくも」の意味は「不思議にも」「偶然にも」で、「くやしい・惜しい」の意味は誤用です。

また「いみじくも」もよく混同される言葉ですが、こちらは「適切に」「非常にうまく」という意味ですから間違わないように。

奇しくもの正しい使い方は? 例文をご紹介

(c)Shutterstock.com

1. 奇しくも同期の仲間は三人とも誕生日が同じだった。

「奇」は「不思議だ。あやしい。普通とは違っている。珍しい」を意味していますから、「奇しくも」は「偶然にも・不思議にも」という意味で使います。

2. 奇しくも、また同じ場所で彼と再会した

こういう「偶然」は、理屈では説明できません。このように偶然が重なって、そのことが起きた理由を説明できないときに「奇しくも」を使ってみましょう。

3. 事故に巻き込まれたが、奇しくも一命をとりとめた。

「奇跡的に」というニュアンスでも使われます。この場合は起こったことが不思議、幸運だと思う気持ちを表しています。このように、「奇しくも」は“とてもラッキーだ”という意味合いで使われます。逆に「奇しくも命を落とすことに~」などにはあまり使いませんので気をつけましょう。

奇しくもの類義語・対義語は?

(c)Shutterstock.com

◆類義語について

「奇しくも」の類義語としては「奇跡」「神妙」「奇縁」などの言葉があげられます。いずれの言葉についても意味は似ていますが、まったく同じ意味ではありませんし、使い方も異なりますので注意しましょう。他にも次のような言葉があります。

・「奇妙にも」
珍しいことに。説明できないような不思議なことに。

・「不思議なことに」
よく考えても原因・理由がわからないが。解釈がつかないが。

・「奇跡的に」
珍しく不思議

・「妙なことに」
不思議なことに。普通でないこと。

◆対義語について

「奇しくも」は普通では考えられないようなこと、想像していなかったことが起きたときに使う言葉ですから、偶然度が低く、あまり不思議度が高くない場合には使いません。つまり、あらかじめこうなるのではないかと前もって考えていたことが、その通りに実現した「予想通り」「思った通り」などが対義語になります。

・「案の定」
思った通り。予期した通り。

・「やはり」
予想した通り。結局は。

・「例のごとく」
いつも行われている通りに。普段と同じく。

最後に

「奇しくも」のあとには必ず、不思議、偶然、普通ではないことを述べる文章が続きます。日常的なことや、ごく普通なことを続けるのは誤用ですから気をつけましょう。時々「皮肉にも」という意味で使用しているケースを見かけますがこれも誤用です。

「皮肉にも」は、当初の期待と反対の結果になることを意味する表現ですから、「奇しくも」とは反対の意味になります。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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