自転車のベルを歩行者に向かって鳴らすのはマナー違反?
シティサイクルからマウンテンバイクまで自転車の種類が豊富に、そしてオシャレになり、通勤で使用される方も増えました。都心部ではコミュニティサイクル(シェアサイクル)も普及しており、便利になっていますよね。
自動車は教習所に通って運転方法やルールを学び、免許を手に入れます。ですが自転車は多くの方が子供の頃から乗っているもの。正しいルールに基づいて乗りこしている! と胸をはって言えますか?
今回は、交通ルールをベースに、自転車マナーをおさらいしてみましょう。
◆1:自転車は車道の左側を走る
自転車は道路交通法上、軽車両の一種に分類されます。そのため、車道を走るのが原則です。車道では、左側を走ります。車道であっても右側を走るのは逆走にあたり、危険ですし、ルール違反なんですよ。
◆2:歩道を走るのはどんなとき?
原則は車道を走りますが、車道がせまく、交通量も多く危険であるなど、車道の走行が難しい場合や、『自転車及び歩行者専用』などの標識があり、走行が認められている場合には自転車でも歩道を走行することができます。なお、13歳未満の子どもや、70歳以上の高齢者及び体の不自由な方が自転車に乗る場合は、どの歩道も走ることができるんですよ。
しかしながら、歩道を走る際は、あくまでも歩行者が優先。歩道の中でも車道寄りを徐行して走ります。スピードを落とさずに歩行者を追い越してはいけません。また、通して欲しいからといって歩行者に向かってベルを鳴らすのもNG!
ベルは自動車のクラクション同様、緊急時や鳴らすことが決められた区間でのみ鳴らします。
◆3:ベルを鳴らさず通してもらうには?
それでは、歩道で歩行者を追い越したい場合には、どうするのが良いのでしょうか。
背後から様子を伺いつつ、「すみません、通してください」などと声をかけてから、追い越すのがいいと思います。残念ながら広がって歩いている方も中にはいらっしゃいますが、だからといってベルを鳴らすのではなく、礼儀正しく声をかけましょう。あまり距離を取れずに追い越す場合にも「すみません、通ります」などと声をかけると予期せぬ事故を防ぐことにもつながりますよ。
歩行者の立場の際は車道寄りをあけて歩くようにすると、自転車がスムーズに追い越すことができ、ベルを鳴らされて不快な思いをしたり、すぐそばを突然追い抜かされて怖い思いをしたりせずに済むかとも思います。歩道は歩行者優先! とはいえ、自転車が通りうることを計算して動けたらスマートですよね。
◆最後に:自転車は軽車両の一種と心得る
自転車は軽車両の一種ですので、飲酒運転、無灯火運転、スマホのながら運転などは厳禁です。自動車の運転で禁止されていることは、自転車でも同じく禁止されているというとイメージしやすいかもしれません。そのほか、傘をさすなどの片手運転やヘッドホンで音楽を聴きながらの運転、普通自転車の2人乗り(幼児席を設置しての幼児と大人の二人乗りは除く)や横並び走行も禁止されています。
以上お伝えしたルールは道路交通法に定めがあり、違反すると罰則もあります。まずはルールをしっかりと守った上で、まわりへの配慮も忘れず、気持ち良い通行が出来るようにしたいですね。
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!