【百人一首の恋の歌】今も昔も“想う気持ち”は一緒?
こんにちは、OLライターのタケ子です。普段は恋愛にまつわるあれこれをお届けしていますが、今回はちょっと変わって、百人一首よ♪ やまとなでしこを目指すなら知っておきたいわよね。
百人一首と聞くと平安時代のお話と思われがちですが、実際100首に選ばれた中には、飛鳥時代の和歌も含まれているのです。多くは季節が移ろう情景を詠んだりしますが、43首は“恋”の歌。そんな恋の歌を3首ピックアップして紹介したいと思います。
第三十八番
「忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな」右近
女流歌人 右近は平安中期の女性ですがとても恋多き女性。というよりモテモテガールだったよう。この歌は一説にはイケメンモテモテプレイボーイの藤原敦忠を想って詠んだのだとか。それでは現代語訳で見てみましょう!
「あなたから忘れさられる私の身は何とも思わいません。だけど神様に誓った「いつまでも愛する」という願いによって、あの人が神罰を受けてしまわないかと、借しまれてなりません」
自分を捨てるような言い方をする右近。しかし後半は執着のような情念が伝わってくる和歌ですね。こんな女性は今現在でもいるよね〜。
続いてはこちら!
第四十番
「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」平兼盛
兼盛は平安時代の貴族であり、とても有能な歌人。またこの時代では珍しくたいへん長生きした人物とも言われているそう。人生経験豊富な彼が読んだこの和歌。さっそく現代語訳をどうぞ。
「心に留めていたのに、顔や表情に出てしまっているようだ。人に恋の想いごとでもしているのですか? と人に尋ねられるほどです」
もう好きな人を想うとニヤニヤが止まらなかったのでしょうね。なんだかとってもチャーミング! 人に尋ねられるほどってことはよほどニヤついていたのでしょうね(笑) 恋をしていると、そんなときありますよね♡
最後にもうひとつ♪
第八十六番
「嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな」西行法師
なんだか切なさが伝わってくる。西行法師は、およそ2300首もの和歌を作った人物で、その作風は奇をてらうことなく率直。非常に優れた歌人で、現代人にも読みやすい和歌をたくさん残しています。この歌はどんなことを詠っているのでしょう。
「恋の悩みなのに月が嘆け! と言っているようだ。そんな月のせいで自然と涙がながれます」
現代のシンガーソングライターが歌ってそうな和歌ではありませんか。好きな人を想って月を眺めるのは今も昔も変わらないよう。
いかがでしたか? 平安時代の人ってもっと優雅な気持ちで過ごしているのかと思ったら、意外と現代人のようにさまざまな感情をもっていたことが垣間見られましたね。もし百人一首に参加する機会があれば、歌にこめられた気持ちを少し理解しておくことで、もっと楽しい時間が過ごせるはず!
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OLライター タケ子
恋愛コラムや指南書を読み漁り、婚活の糧にしているOLライター。スイーツや食にも興味あり♪