NAO LINGERIE デザイナー・栗原菜緒さんが知っている「ランジェリーの魔法」#2
ランジェリーデザイナーとして約4000人のフィッティングを行ってきた栗原菜緒さんだから知っている女性のリアルな悩みや心の声。フィッティングというプライベート空間で生まれる“裸の付き合い”とは!?
30代〜60代の幅広い層の女性が下着を求めてやってくるナオランジェリー。栗原さんだけが知っている下着を買いに来る女性たちに起こる様々な体験を伺いました。
前回の記事:「このまま夜景が見えるホテルで抱かれたい!」<下着フィッティングルームの秘め事>
今回は、ブラジャー難民についてのお話です。
女性が抱く、ブラジャーには期待しない、その理由とは? 栗原さんの体験談から、真相にググッと迫ります!
◆下着への期待値
講演会やイベントに登壇した際は、下着にまつわるお話しや、デザイナーになった経緯、起業についてお話しをされるそうですね。サロンとは違う空間だからこそ生まれる女性との触れ合いの中で感じることはありますか?
栗原:お話を聞きに来てくださる女性は、下着への興味関心が高い方が多いと思います。話しの中でナオランジェリーのものづくりに共感してもらえることもあり、とても有難い時間です。集まっていただく方の温度と共に作り上げる空間でもありますから、同じことは二度とない。その出会いに毎回、楽しさも感じています。でも、時々、女性から厳しい視線を向けられることもあるのです。
◆違和感から生まれる不信感
厳しい視線の理由をどう捉えていますか?
栗原:下着は良くも悪くも、強い反応があると認識しています。気分が上がるほどの高揚感が得られるアイテムでもある。その反面、今回のようなケースにおける原因には、これらが挙がってくるのです。
・自分の胸に合うサイズなんてない!
・勧められたブラジャーを付けているのに、とにかく胸を締め付けられて苦しいだけ。ブラジャーに期待なんて持てない!
下着に対して違和感や不信感を抱いている方がいるという現実があるのです。理想する下着を探していても出会えていない方を含め、ブラジャー難民の数はなかなか減らないと感じています。
◆消耗品のひとつという認識
ブラジャー難民が減らない状況は何故生まれているのですか?
栗原:下着は、洋服と違って古くなったから買い換えるもの、消耗品として捉えている女性が多いのも事実です。生活に必要なものだけれど、通常は外からは見えない。それに比べると、流行りや好みが自己表現につながる洋服やバッグの優先順位が高くなりますよね。また、寄せて上げるタイプのブラジャーが定番になったことも、違和感を持った理由のひとつだと感じています。
サロンにいらっしゃるお客様の中でも、合うものがないと決め込んでいる人が特に多いサイズがB75の方です。なぜ、疑心暗鬼になるかというと、ワイヤーを広くすると、その分カップの高さが出てしまうからなのです。ナオランジェリーで、理想のブラジャーの形に出会えた人と話してくださる方もいます。ブラジャー難民を一人でも救えていると認識できる幸せな瞬間です。
◆下着選びを楽しむ!
ブラジャー難民の方へアドバイスをお願いします!
栗原:洋服を選ぶためのフィッティングって、すごく楽しいですよね。下着も同じ感覚で、選ぶことを楽しんでほしいと思っています。百貨店のランジェリーフロアにはたくさんのメーカー、ブランドの下着が並んでいます。いろんなブランドを知って、手に取ってみてほしいですし、試すことをあきらめないでほしい!
つけ比べてみると、自分の胸に合う形や、肌に合う色を知るきっかけになるかもしれません。下着は、これじゃなきゃだめなんてない! 自分の心地よい感覚を知って、ランジェリーライフを満喫してほしいです!
文/木村真悠子
『ナオランジェリー』デザイナー兼代表 栗原菜緒さん
外務省から下着業界へ転身したランジェリーデザイナー。5年前、デザイナー兼経営者として自身のブランドNAO LINGERIE(ナオランジェリー)を立ち上げ、下着業界に新規参入。締めつけないのに美しい機能性とデザイン性を合わせ持つ下着が業界の注目を集め、2018年9月25日より、日本橋高島屋S.C.本店4階マイボディルームに常設。
数多くのメディアにも取り上げられ“今最も見たい女性”“今最も見せたい女性”の人生を7つの「ルール」で描き出す新感覚ドキュメントテレビ番組『セブンルール』をはじめ、テレビ朝日『超人女子』、テレビ東京『日経スペシャル ガイアの夜明け』、TBSテレビ『その他の人に会ってみた』など、テレビ出演の実績も。ナオランジェリー:HP