お年玉はだれにいくらあげるのが正解?
お正月、頭を悩ませるお年玉問題! お年玉は誰にいくらあげますか?
◆お年玉はお餅だった
お年玉の起源は日本神話、神道の歳神様が関係していました。元旦に高い山から降りてくる歳神様。昔の人は、歳神様が元旦に家々を回って、子孫繁栄や1年の幸せを与えてくれると考えていたそうなんです。
年が明けると、お供えのお餅に、歳神様の魂が宿り、そのお餅を家長が家族に配り、歳神様の魂を取り込んでそのご加護を受け、一年無事に過ごせるようにみんなでお雑煮にして食べていたのだそう。
◆お餅を配るのになぜお年玉というの?
歳神様の魂が宿ったお餅を配ることからお年魂、年の初めに賜るものということからお年賜、歳神様に備えるお餅が玉のように丸いことからお年玉、と語源についてはいろいろな説があるようです。
お年玉の風習は室町時代には盛んになって、庶民に広がり、金品を渡すことも増えたのは江戸時代のとのこと。
昭和に入ると、高度成長期には現在のお年玉のようにお金を渡すようになりました。お餅がお金に変わりましたが、お年玉は家長が家族の幸福や健康を祈って渡しているものなんですよ。
◆お年玉はどこまで渡す?
お年玉はもらえたら嬉しいもの♡ お正月に会う子供たちには渡すことが多いのではないでしょうか。一般的には自分の子供、甥や姪くらいまでお年玉をあげることが多いようです。
由来からわかるようにそもそもは家族の行事であり、友人の子供にはお年玉をあげなくても失礼にはあたりません。お年玉をあげるタイミングであるお正月に会う、仲良しの友人の子供なのでお年玉をあげたいな、という気持ちならば渡してOKです。
ただし、目上の方の子供にお年玉をあげるときは注意。お年玉は目上の人から目下の人に渡すものなので、お年玉ではなく、「玩具料」や「文具料」として渡すのが良いかと思います。
また、日頃の感謝の気持ちを込めて、祖父母や両親に渡す場合にも、お年玉はNG! 「御年賀」として渡しましょう。表記の違いだけ… に感じると思いますが、その配慮で目上の方を敬う気持ちが伝わりますよ。あえてお年玉と書いていない可愛いポチ袋もあるので、そういったもので差し上げてもいいですね。
◆気になる! 金額の相場は?
お金への考え方は各家庭によって異なるもの。だからこそ難しいですね。親戚や友人など、ざっくばらんに話し合える関係であれば、家庭の方針や相場を確認しておくと安心ですね。
一般的には、以下のように言われています。
・小学生未満は〜1,000円
・小学校低学年は1,000円〜3,000円
・小学校高学年は3,000円〜5,000円
・中学生・高校生は5,000円〜10,000円
・大学生は10,000円〜
赤ちゃんなどのお金をもらってもよくわからない年齢の間は、絵本やおもちゃをお年玉としてあげるのも◎ なお、お年玉の卒業は成人のタイミングと就職のタイミングとあるようです。参考にしてみてくださいね♪
繰り返しになりますが、もともとは家族行事であるため、お年玉をあげる範囲や金額などに関して統一的なルールがないお年玉。悩ましいからお年玉なんてなかったらいいのに! と思うこともあるかもしれません。
でも年長者が子供たちの新しい年の幸福や健康を祈って渡すという温かい気持ちがこもった行事ですし、何より子供の時に味わったウキウキ感を思い出したら、子供たちにとって楽しいお正月になるようにお年玉を渡すのもいいかなという気持ちになりませんか?
また、渡してくださった方の気持ちを大切に、子供たちもその親御さんも感謝の気持ちで受け取って、お互い良い気持ちでお正月を過ごせたら素敵ですね。
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。日本語教師の母からの厳しい指導や幼少期より読書好きだったことが影響し、現在マナー、教育、ライフスタイルなどの執筆に携わっています。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!