きっと雪が好きになる! ときめく冬の阿寒湖温泉
スキーやスノーボードといったウィンタースポーツが苦手な人にとって、雪深いスポットは、冬の旅行候補からハズしてしまいがち。でもそれって、ちょっともったいない。今回紹介する北海道東部・釧路市にある阿寒湖は、「ウィンタースポーツを一切やらない!」という女性にもグッとくるポイントがいっぱいなんです。
羽田から約1時間半のフライトで到着する釧路空港から「阿寒エアポートライナー」というバスも出ていて、雪道の運転の心配をせずともアクセスがラクちん。
◆道草してタンチョウ鶴に会いにいこう
釧路空港から阿寒湖まで直行でつないでくれる「阿寒エアポートライナー」ですが、「丹頂の里」へは、追加料金なしで途中下車や再乗車をすることが可能。これは寄り道せずにはいられません。
「丹頂の里」から歩いて5分のところにある「阿寒国際ツルセンター」は国内でも珍しいタンチョウ鶴に関する研究や保護活動をおこなっている施設で、冬はタンチョウたちがエサを求めて朝から飛来してきます。だから、天気さえよければ、かなり高い確率で、タンチョウ鶴に出会うことができるのです。
しかもこんな間近で見られるなんて。1991年には、現在の天皇陛下もタンチョウをご覧になったそうですよ。
「大空に 舞ひ立つ鶴の 群眺む 幼な日よりの わが夢かなふ」という「歌碑」も建立されていました。
◆運動神経は関係ない!スピード感あふれるアクティビティで雪と戯れよう
冬場は氷点下20度近くにまで気温が下がる阿寒湖。都内で暮らす人にとっては想像を絶する寒さですよね。筆者も出かける前は、かなりビビりましたが、ちゃんと防寒すれば大丈夫。
結氷した阿寒湖の上では、スノーモービルやバナナボート、四輪バギーなど、スピード感あふれるアトラクションがいっぱい。雄大な阿寒湖の景色を堪能しながら、スキー場とはひと味違う、氷上のひとときを楽しみましょう。体力に自信がある人は、氷上スキーツーリング(歩くスキー)や開放感あふれるアイススケートもおすすめ。
◆天然のワカサギのおいしさに感動
凍りついた阿寒湖は、穴をあけて、天然のワカサギを釣ることも。テントやイス、釣り竿といったワカサギ釣りに必要な道具は、全てその場でレンタルできるので、初心者でもスタッフにコツを教えてもらいながらすぐに挑戦できます。
▲釣りたてのワカサギは、ぜひ天ぷらで。
地元のレストランでも、気軽に食べられるのがうれしいところ。冬は特に臭みが少ないというワカサギ。鮮度抜群のおいしさにびっくりしました。
湖上に打ちあがる花火とアイヌの文化にあたたまる冬
マリモで有名な阿寒湖は、14もの源泉に恵まれ、お宿によっても泉質が異なるのですが、単純泉(中性低張性高温泉)が多いので、子どもからお年寄りまで、湯あたりにくくゆっくり入浴できます。「万人の湯」とも呼ばれているんですよ。
来年2020年2月1日から3月2日まで「阿寒湖氷上フェスティバル ICE・愛す・阿寒『冬華美』」では毎日花火が打ち上がります。冬の滞在ならば、湖のほとりの花火が見える温泉旅館をチェックしてみてください。
◆花火が見えるお部屋を予約しよう
私のイチオシは「あかん遊久の里 鶴雅」です。「花火が見えるお部屋」を予約時に指定することができます。
湯上りはあたたかいお部屋の窓から、のんびり阿寒湖のパノラマビューとともに迫力満点の花火に酔いしれましょう。氷点下の静かな夜に、とってもあたたかい気持ちにさせられる時間を過ごせるはずです。
◆アイヌの心に触れられる伝統工芸品
阿寒湖の温泉街から歩いてすぐの場所にある、北海道最大の「アイヌコタン」も見逃せないスポット。古式舞踊や人形劇など、今でも実際に生活しているアイヌの方の文化に触れることもできるんです。
アイヌの言葉で、木は「シリコロカムイ」とよび、地面を守る神様という意味なのだそう。温泉街にはあたたかみを感じるアイヌの木彫り工芸のお店がいっぱい。その場で名前なども掘ってくれるサービスがあるショップも。
フクロウをモチーフにしたアイテムが多いので、理由を聞いてみたところ、アイヌの人にとってシマフクロウは、「コタンクルカムイ」といって集落を守る神様なんですって。アイヌ文化には、多くの神様が根付いているんですね。フクロウの木彫りのキーホルダー、なんだかとってもイイコトがありそうな予感がします。
でかけるのが億劫になりがちな冬ですが、ときめく体験が満載の阿寒湖。お友だちやカップル、そしてご家族で、ぜひ計画を立ててみては?
朝岡真梨
世界50か国200都市を超える海外旅行の経験をもとに、各地のグルメや観光スポットの魅力を紹介している。最新のIT機器に関する取材も多く、女性目線からの分析が得意。キャラクターや英語にも明るく、コピーライティングの分野では他業種に関わっている。 旅行先ですったもんだした体験や主婦業をラクして乗り切るヒントを綴っている「遊んでばかりのスナフキン」が人気。Instagram:@yans_publisher Twitter:@Yans_Publisher