20代女性も要注意! 年々減って行く卵子の数をチェック!
女性には『妊娠できるタイムリミット』があることを知っていましたか? 卵子は生まれてから増えることなく減り続けるため、妊娠できる確率はピーク時を境に下がってしまいます。さらに、25歳~35歳が妊娠に適している、40代後半からは生殖機能を失ってしまう、などと一般的には言われていますが、ひとりひとりが持っている卵子の数には年齢に関係なく個人差があるのです。「まだ年齢的に大丈夫」と思っている方も、妊娠できるタイムリミットはすでに迫っているかも…?
◆年齢とともに減って行く卵子、減るスピードには個人差が?
卵子の数は生まれた時から決まっていることは以前、『卵子の数には限りがあるってホント?』でご紹介しました。出生時には200万個ほどあった卵子は、思春期には20~30万個まで減ってしまい、排卵のたびに500~800個というペースで減少。25歳では10万個、35歳頃には5万個、そして40代になると数千個になってしまうといわれています。しかし、これはあくまでも平均の数値にすぎません。
卵子の減少するスピードは個人差があり、自分の年齢の平均に必ずしも一致するわけではないのです。では、自分がいまどれだけの卵子を持っているか調べることはできるのでしょうか?
◆妊娠するチカラを測る検査・AMH検査
自分が今どれくらいの卵子を持っているのかを知る検査として「AMH検査」という検査があります。AMH検査では、あなたの卵巣内に残っている卵子の数がわかり、その数から「卵巣年齢」を知ることが出来ます。卵巣年齢は実年齢と離れている場合があり、卵巣年齢が高くなるほど卵巣に残っている卵子の数は少ない、とされています。
AMH検査は血液を採取し、血液内のAMHと呼ばれるホルモンを診る検査です。医療機関で行うことができ、費用はおよそ6,000~10,000円で行うことが出来ます。また、妊活・生理・排卵管理アプリ『eggsLAB』では、血液検査をおこなわずに卵巣年齢や卵子の数を予測することが出来ます。自分の卵巣年齢は確かに気になるけど高いお金をかけるのには抵抗がある、すぐに病院へ行く時間が無い! という方は、是非一度試してみて、参考にしてくださいね。
ここからはAMHとはどんなホルモンか、AMH検査をすることで、なぜ卵子の数がわかるのかについて、少し詳しくみていきましょう。
◆AMHって?
AMHとは抗ミュラー管ホルモン(アンチミューラリアンホルモン)のことを指します。卵子は排卵するために原子卵胞(卵巣内で待機している卵胞)から後期胞状卵胞にかたちを変えていきます。その過程の中で卵子は前胞状卵胞になり、ここから分泌されるホルモンがAMHです。
卵子が減るとAMHも減少してしまうため、AMHの値を知ることで自分があとどのくらい排卵できるかの目安を知ることが出来るのです。AMHの値が低い人は卵子が少ないため、排卵できる残り回数が少ないとされています。逆にAMHの値が高い人は卵巣過剰刺激症候群にかかっていたり、無排卵や生理周期の乱れがあったりするおそれがあります。AMHの値は高くても低くても良くないとされています。
◆卵子の数や卵巣年齢だけで妊娠できる確率は決まらない。
AMH検査はあくまで卵巣に残っている卵子の数や自分の卵巣年齢を知るための手段ですので、AMH検査を行うことで卵子の質や、妊娠率がわかるわけではありません。
自分の卵巣にあとどれくらい卵子が残っているかを知り、今後の妊活の計画をたてるためにAMH検査を受診する方が増えています。まだ、AMH検査を受診したことがない、という方も一度受診してみて自分の「妊娠できるタイムリミット」を知ってみてはいかがでしょうか?
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医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。
東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。
監修する女性向けアプリ「eggs LAB」では、独自ロジックにより、アプリでの問診で自身の情報を入力することで、これまでにない高い精度での生理日・排卵日予測を実現。不安定な生理周期にも対応した適切なアドバイスや、妊活に関する情報まで、個々の身体の状態にフィットした「あなただけの/あなたのための/今欲しい情報」を発信中。