「痩せやすい時期」っていつ?
夏も近づき、薄着の季節になってきました。肌の露出が増える夏本番までにダイエットを! とお考えの方も多いのではないでしょうか? ダイエットに関して「生理中は痩せにくい」「生理が終わると痩せやすくなる」などの言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、どうして痩せやすい・痩せにくいのかについてはご存知でしょうか? 実は女性のダイエットには「基礎体温」とそこからわかる「生理周期」がカギとなっています。今回は「基礎体温」と「生理周期」を知ってダイエットに効果的なタイミングをみていきましょう。
基礎体温のサイクルでみる、痩せやすい時期とは?
女性の体内では、様々なホルモンが正常に、周期的に分泌されることによって「排卵」や「生理」が起こります。これを「性周期」といい、個人差はありますが、約25〜35日、平均28日のサイクルで繰り返されます。基礎体温を計測することで、この生理から次の生理までを1周期としたサイクルがあることが見えてきます。
この周期の中で、基礎体温は高温期と低温期の2つに分けられています。それぞれの期間での、痩せやすい・痩せにくい時期を確認しましょう。
〈低温期〉
性周期が28日の場合、生理開始から排卵までの約14日間が低体温期にあたります。低体温期はさらに2つに分けられ、以下とされています。
1.生理開始から生理終了までの約7日間(=生理期間)
2.生理終了から排卵までの約7日間
この2の生理終了から排卵までが、痩せやすいとされている時期です。
この時期はエストロゲン(卵胞ホルモン)と呼ばれる女性ホルモンが多く分泌され、脂肪の燃焼を促したり、心を前向きにさせたりします。
〈高温期〉
高温期は排卵から次の生理がはじまるまでの約14日間をさします。高温期も2つの時期にわけられ、以下とされています。
3.排卵からの約7日間
4.次の生理の1週間前にあたる約7日間
4つの時期に合わせたダイエットプランをたてよう!
実際に4つの時期に最適なダイエットプランをたててみましょう!
1.生理開始から生理終了までの約7日間…体をあたためリラックスする
生理期間は基礎体温が低くなり、血行不良や冷えが起こりやすい時期。この期間は体を温める食事・睡眠やシャワーでなく湯船につかるなどを意識し、ストレスを溜めないよう、リラックスした時間を過ごしましょう。ダイエットに関しては、「痩せる」というよりも「今は体重を増やしすぎない」と意識するのがおすすめです。
2.生理終了から排卵までの約7日間…運動や食事を見直して集中的にダイエットを
生理が終了すると痩せやすい時期がやってきます。この時期は普段よりも運動量を増やすことがおすすめです。特に排卵日直前は筋肉量が増えやすいホルモンバランスとなっているので、この時期の後半はいつもの運動に加えて筋トレを取り入れてみましょう。
食事については、過度な食事制限はせずに三食バランスよくしっかりと食べ、間食はなるべく控えるようにしましょう。間食を制限することで、運動した分の脂肪燃焼効果がより期待できますよ。
3.排卵からの約7日間…生理に向けてダイエットメニューの調整を
この時期は、2の生理終了から排卵までの約7日間よりもダイエットの効果が出づらくなってきます。運動を頑張ってもなかなか効果が出ず、かえってストレスになってしまうかも!? 体重がリバウンドしない程度の運動にとどめることがすすめ。痩せやすい時期よりも走る距離を減らす、ランニングをウォーキングに変えるなど、少しひかえめな運動に変更してみましょう。食生活は引き続き三食バランスのいい食事をとることをおすすめします。
4.次の生理の1週間前にあたる約7日間…一休みして生理に備える
生理前のこの時期になると、体が脂肪や水分を蓄えようとします。そのため、この時期はむくみに対してアプローチしてみましょう。具体的には、マッサージを行う、むくみを悪化させる塩分の多い食事を控えるなどの方法があります。また、食欲のコントロールも効きにくい時期になっています。低カロリーで糖質や塩分は控えめのものに、また、適度に間食をとることで、食べ過ぎなどを未然に防ぎましょう。
◆ダイエットのカギはホルモンバランス!
高温期は排卵後から次の生理にかけて、徐々に痩せにくくなってくる時期です。この時期は徐々にプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されます。プロゲステロンには、むくみやすくなったり、食欲がコントロールしにくくなったり、気分を沈めてしまったりする効果があるため、痩せにくくなってしまうのです。さらに、次の生理の一週間前は、特に脂肪や水をからだに溜め込む時期になるので、自然と体重が増えやすくなっています。
基礎体温をつける際の3つの注意点
低温期・高温期を知ってダイエットプランを立てるためにも、ぜひ基礎体温を測る習慣をつけてみましょう。基礎体温を測るときには、次の3つのポイントに注意してみてください。
・毎日同じ時間に寝て。同じ時間に起きて測る。
なるべく同じ状態での体温を計測しつづけるためにも、寝る時間と起きる時間を合わせましょう。
・目覚めてすぐ、なるべく体を動かさずに測る。
基礎体温は婦人体温計を使って舌の上の温度を測ることをおすすめします。起きてすぐ横になった状態のままで、検温しましょう。
・計測状況のメモを取る。
起きてすぐ動いてしまった、寝坊していつもと違う時間帯にとってしまった、などいつもと条件が違う場合にはそれらもメモしておきましょう。
基礎体温を測ることは妊活のためだけではなく、皆さんのからだを知るうえでとても役に立つ習慣です。自分のからだを知って、より効果的なあなただけのダイエットプランを立ててみてはいかがでしょうか?
TOP画像/(c)Shutterstock.com
医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。
東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。
監修する女性向けアプリ「eggs LAB」では、独自ロジックにより、アプリでの問診で自身の情報を入力することで、これまでにない高い精度での生理日・排卵日予測を実現。不安定な生理周期にも対応した適切なアドバイスや、妊活に関する情報まで、個々の身体の状態にフィットした「あなただけの/あなたのための/今欲しい情報」を発信中。