バーゲンで30%オフの商品を見てもいくらお得なのかわからない、割り勘するときにいくらかパッと計算できない、なんてことありませんか?
何となく、数字に苦手意識を抱く女性は多いもの。でも、ビジネスで数字は切っても切れない関係。いつまでも「わかんない」「苦手」なんて言っていられません。そんなあなたに朗報! あなたのアタマが数字と仲良くなるウマい方法があります。
今回は、「よい打ち合わせとは何か」について解説します。
よい打ち合わせとは、「5:55」である
まずは前回の復習から。
私はあなたに数字の「裏」の使い方を提唱しています。売上報告やデータ分析などの仕事はいわば「表」の使い方ですが、そうではなく脇役として数字をちょっとだけ使う「裏」の使い方が意外と仕事では威力を発揮するときがあります。前回はその代表的なものとして、数字を使って「法則っぽく」伝えると印象に残ると説明しました。
そこで今回は具体的なテーマを設定させていただき、私と一緒に数字の「裏」の使い方を体感しましょう。
感覚が掴めれば、明日からあなたも職場で実践できるようになるでしょう。
さっそくですが、次のテーマを一緒に考えていきます。
Q.よい打ち合わせとは何か?
もちろん正解はひとつではない問いです。人によって、TPOによっても答えは変わってくるでしょう。あなたがイメージしやすい状況設定で構いません。さて、あなたの答えはどんなものでしょうか。
「時間が短い打ち合わせ」
「参加者全員が論点を把握できている打ち合わせ」
「雑談などがあり、柔らかい雰囲気がある打ち合わせ」
・・・・・・・・・・・・・・・・
他にもいろいろありそうです。さて、ここでひとつお題のハードルを上げることにします。
Q.よい打ち合わせとは何か? 数字を使って「法則っぽく」伝えてください
そうです。前回ご説明した数字の「裏」の使い方です。たとえば上記の3つの答えをまとめるとどんな内容になるでしょう。
「時間が短く、雑談などもあり、全員が論点を把握できている打ち合わせ」
とこんなところでしょう。そこでこの内容を数字で表現するとしたらどのようになるか考えてみてください。難しく考える必要はありません。短いとはどれくらいか。雑談はどれくらいあればいいのか。全員が論点を把握できているとどうなるのか。そのようなことを想像してみるのです。私はこのような表現が思い浮かびました。
よい打ち合わせとは、本題と雑談の比率が「5:55」な打ち合わせである。
(ただし所要時間を60分としたとき)
シンプルながら、数字を使った「法則っぽいもの」が出来上がりました。
私もかつて経験しましたが、「いい打ち合わせだった」と思えるときは無駄な議論などがなく、参加者がそれぞれ本題の回答を持ってきており、実質5分間で話が終えていたような打ち合わせでした。いわゆる世間話に55分間もかけているという意味ではなく、その55分間は本題以外の有益な情報交換やアイスブレイクといったもののことです。
もしこの「法則」が実際にあるとしたら、そして打ち合わせの参加者が全員この「法則」を意識して参加することができたらどうなるでしょうか。
打ち合わせの事前準備が変わるかもしれません。その打ち合わせ中に無駄な議論はしなくなるかもしれません。いいことばかりです。
そしてこれもまた、「5」や「55」は脇役に過ぎません。
主役はあくまで「よい打ち合わせをする」です。しかし、単に「時間を短くしよう」ではなく、「論点を把握して参加しなさい」でもなく、「5:55」のほうが具体的で認識のズレもありません。
これもまた、立派な数字の「裏」の使い方ではないでしょうか。
もしあなたの職場の打ち合わせが機能していないときは、いちどこのような数字の入った法則をオリジナルでつくってみて、共通認識を図ってみてはいかがでしょうか。
深沢真太郎 ビジネス数学の専門家/人材教育コンサルタント
BMコンサルティング株式会社代表取締役/多摩大学非常勤講師/理学修士(数学)
ビジネスパーソンの思考力や数字力を鍛える「ビジネス数学」を提唱し人財育成に従事。著作多数。
文化放送「The News Masters TOKYO」ニュースマスター
ラジオ『深沢真太郎のビジネス数学カフェ』パーソナリティ
パールハーバープロダクション所属(文化人タレント)
国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者
公式チャンネル「ビジネス数学TV」