Oggi世代の女性と話していると、最近話題にのぼるのが「都市にこだわらない働き方」。生まれ育った地元に戻って働きたい、地方でしかできない仕事をしたい、パートナーの転勤で…きっかけはいろいろですが、都会の刺激とは違う「豊かさ」を感じているのは、取材した女性、皆の共通点、でした!
地方で働くきっかけは【転勤】
箱根本箱 支配人 窪田美穂さん
「キャリアアップのために移住。雄大な自然に囲まれて働く暮らしが気に入っています」
雑誌の編集から食品の製造・販売、宿泊施設の企画・運営まで行う「自遊人」に新卒で入社した窪田さん。2年ほど勤務していた東京の店舗が閉鎖することになり、24歳で新潟県南魚沼市の本社に転勤。昨年夏からは箱根にあるブックホテル「箱根本箱」で支配人を務め、10人のスタッフを束ねている。
「もともと都会へのこだわりはありませんでした。東京に残ることもできたのですが、新潟に異動したほうが成長できると感じて移住。最初は法人販売を担当し、その後『里山十帖』という宿に移りました。実家を出るのが初めてだったこともあり生活は一変しましたが、仕事に関しては、地方だからといってのんびりするでもなく、取り組み方もそれほど変わらないのが実感です。南魚沼、箱根ともに東京までは片道1時間半程度なので、月に1〜2回、趣味の本屋巡りや観劇のため東京にも遊びに行っています。満員電車で通勤することもなく、のどかな地方の環境を満喫しながら、都会と同じような仕事の醍醐味や趣味も楽しめる生活が快適です」
窪田さんの拠点移動の歴史!
【東京】自遊人 東京店 →【新潟】里山十帖 →【箱根】箱根本箱
窪田さんの【都会と地方の働き方比較】
移住と同時にキャリアアップしたので、仕事面でのやりがいや将来性は大幅UP。責任も増した結果、余裕はそれほど増えず。
▲新潟の自宅からの風景。「雄大な自然の中にいると気持ちがくつろいで、素の自分に戻れる気がします」
地方で働くきっかけは【Uターン転勤】
SUVACO 名古屋支部長 加藤サナさん
▲地元のお客さまとの一枚。「東京で一度働いたことで、自分が地元で何ができるのか見極められたのだと思います」
「地元に戻ることで、仕事も人生もようやく根をおろすことができました」
建築を学ぶために上京し、都内の住宅販売メーカーに就職した加藤さん。東京での自分は「根無し草」だったという。
「家を売る仕事は、お客さまと一生おつきあいすることだと思うんです。でも、地元に帰ろうと前々から決めていたので、東京ではそれが叶わないことが歯がゆくて…。周囲にも『いつか帰る』と公言していたら、あるとき会社から『地元に支部を立ち上げないか』と言われ、Uターンが実現。『ずっとこの街にいるからいつでも相談してください』と胸を張って言えるようになったことで、自分の仕事に自信と覚悟がもてた気がします。ここで生きていくと腹が据わったら婚活にも本腰が入り、昨秋、結婚しました」
加藤さんは東京から愛知へ移住
【東京】SUVACO →【愛知】SUVACO 名古屋支部
加藤さんの【都会と地方の働き方比較】
現在は全項目満点。「東京はバリバリ働くにはいいけど、消耗も激しかった。こちらに来て特に精神面が安定したと思います」
Oggi3月号「もう『都市』にこだわなくていいのかも!? 地方で働くということ」より
構成/佐々木 恵・酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部