ニキビは単にポツポツができるだけでなく、様々な不快症状を引き起こすことがあります。特に「かゆみ」はニキビによく見られる症状であり、強く掻きむしることで肌を傷つけ、痕が残ってしまうことも少なくありません。
一生消えないニキビ痕を防ぐためにもニキビに伴うかゆみの原因とその対処法について知っておきましょう。
【目次】
・【ニキビがかゆい】理由
・【ニキビがかゆい】そんなときの対処法
【ニキビがかゆい】理由
ニキビは、皮脂などの老廃物で詰まった毛穴内で細菌が繁殖して炎症を引き起こすことが原因で発症します。ニキビを引き起こす細菌として知られるのは、アクネ菌と呼ばれる皮膚の常在菌で、誰の肌にも生息しているものです。
アクネ菌は毛穴内に潜んでいることが多く、皮脂などの老廃物を餌にして増殖します。このため、老廃物で毛穴が詰まると、アクネ菌が異常増殖して炎症を引き起こし、毛穴を中心に盛り上がりのあるポツポツを形成するのです。
毛穴内に炎症が引き起こされると、「肥満細胞」と呼ばれる免疫細胞の一種からヒスタミンという物質が盛んに産生されるようになります。ヒスタミンはかゆみを感知する神経を刺激する作用があるため、かゆみを引き起こします。
また、ニキビに伴うかゆみの強さは、ニキビの重症度によっても異なります。ニキビは毛穴内の炎症の程度によって色調が異なり、炎症がほとんど生じていない段階では毛穴が盛り上がるみなので、白っぽい色をしています。
一方、炎症が強くなると赤や黒、黄色などに変わっていきます。白っぽいニキビは、ヒスタミンの産生量が少ないためかゆみを伴わないことが多いですが、赤や黄色のニキビは強いかゆみを伴うことが多くなります。
【ニキビがかゆい】そんなときの対処法
ニキビに伴うかゆみの原因は、毛穴内の炎症です。このため、かゆみを改善するには毛穴内の炎症を抑えることが必要になります。
一度ひどくなってしまったニキビは中々治らないことも少なくありませんが、炎症を悪化させる皮脂の分泌を抑え、毛穴の詰まりを解消するようなスキンケアが必要です。
毛穴の詰まり解消スキンケア
具体的には以下のようなことに注意してみましょう。
洗顔などで肌を清潔に保つ
過剰に分泌された皮脂はやメイク汚れは毛穴の詰まりを助長します。一日の終わりや入浴時にはしっかりメイクをオフして丁寧に洗顔するようにしましょう。
皮脂や汚れが気になる時は、ついつい力を入れて肌をこすってしまいがちですが、肌を傷つけないためにも良く泡立てた洗顔料で優しく洗い流すようにしましょう。
保湿も怠らない
肌の乾燥は皮脂の分泌を促します。特に洗顔後や入浴後は皮脂が洗い流された状態となるため、肌が乾燥しやすくなります。乾燥を防ぐためにも保湿効果の高い化粧水や乳液で肌ケアを行いましょう。
薬を使用する
ニキビ改善効果が謳われる薬は数多く販売されています。痛みやかゆみがひどい場合は、これらの市販薬を使用するのも一つの方法です。また、炎症が悪化してニキビから膿が流出するような場合には、皮膚科での治療が必要になることも少なくありません。
かゆみを我慢すると無意識のうちに掻きむしって痕が残ることもありますので、薬に頼ることも大切です。
市販薬を試してみて効果がない場合は、皮膚科を受診して医師から適切な薬を処方してもらいましょう。
成田亜希子先生
一般内科医。プライベートでは二児の母。
保健所勤務経験もあり、医療行政や母子保健、感染症に詳しい。
国立医療科学院などでの研修も積む。
日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会所属。