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2019.01.29

経沢香保子さん・畑中雅美さん・嶋 浩一郎さんに聞いた「今かっこいい女性論」|働く30歳からはかっこいい私!

かっこいいとひと口に言っても、捉え方はさまざま。各フィールドで活躍されている3人に、それぞれが思うかっこいい女性の定義について語っていただきました。

三者三様の、今、かっこいい女性論

かっこいいとひと口に言っても、捉え方はさまざま。株式会社キッズライン代表取締役の経沢香保子さん、『Cheese!』編集長の畑中雅美さん、博報堂ケトル代表の嶋浩一郎さんに登場いただき、各フィールドで活躍されている3人に、それぞれが思うかっこいい女性の定義について語っていただきました。各業界の第一線で、かっこよく働き続ける先輩たちに聞きました。

年を経るごとに磨かれる「かっこいい」のスキル

経沢香保子さん|株式会社キッズライン代表取締役

経沢香保子さん|株式会社キッズライン代表取締役

リクルート、楽天を経て26歳のときに自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。2014年に再び創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円~即日手配可能な安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営する。主著に、『自分の会社をつくるということ』(ダイヤモンド社)、『すべての女は、自由である。』(ダイヤモンド社)等。

女性起業家の支援やベビーシッターの普及など、新しいビジネスやフィールドに日々携わっていますが、既成の価値観や偏見など立ちはだかることもあります。そういう場に出合ったとき、問題が起きたとき、それをポジティブに受けとって乗り越えようとする、真正面から向き合う人こそかっこいいのではないでしょうか? 逃げたり人のせいにすることは、自分自身の成長につながらないなと思います。

目を逸らさず問題に真正面から取り組むというのは、他人の意見に左右されるのではなく、自分軸で生きているからこそできること。目ざす目標が北極星のように一点あれば、途中横槍が入ったとしても、ちょっと嵐がやってきたな、もう1年我慢すればなんとかなるかなって思える。周りの反応だけを見て動いていると、混乱してしまって前に進めなくなるときがある。でも、自分の目標がある人はそういうときに踏ん張れる。

ポジティブに対処する、なんて簡単に言われても…と思われるかもしれません。別の言い方をすると、かっこいい人は壁にぶちあたったときの対処がとても上手ということでしょうか。たとえば、ある程度城ができあがっていたのに、突然の嵐で壊れてしまう。あきらめきれないから、もう一度つくり直したいけれども、周りも疲れきっているし、また嵐がやってきたらどうするの? という不安もある。

そんなときは、今日は城のことを考えるのは一旦やめてごはんを食べにいこう。ちょっとだけど城の周りの土砂を取り除いてみよう、またはチームワークをもう一度見直してみよう。そう考えられることが大事。大きな夢を忘れるわけではないけれど、日々のコンディションをよくすることとパラレルで進めていくってことじゃないでしょうか。

問題に対処できるテクニックは年齢とともに磨かれるものでもあると思います。つまりかっこよさも磨かれていく。年を取るということは、人生のノウハウの蓄積。自分のデータベースに、情報が集まるほど、自分のことを把握できるようになる。車でたとえると、時間が経つとエンジンのメンテンスは必要だったりするけれど、しっくりときて運転しやすくなる。自分についてわかってくるので、生き方はその分楽になってきます。

自分のことは、いつも七転八倒でかっこいいとは到底思えないのですが(笑)、「経沢さんのような生き方って素敵ですね」と言っていただくこともあります。意識しているのは、苦労を見せないこと。大変とかつらいとかアピールはせず、コンディションがよさそうに見えていると、たとえひどい状況であっても、周りの人は離れません。

つらいなと思うときは、外的要因で変えられることもあるというのが持論なので、落ち込むときこそ、体を鍛えたり、健康管理を怠らない。そしてとにかく寝る! むしろそうやって悩む時間をできるだけ減らす。現在進行形のつらさをあえて語らないことで、常にフラットで機嫌よく生きる。そういう人でありたいなと思います。

「かっこいいと思う女性はいつも笑顔でどんと構えているイメージ。否定するのではなく、一度受け入れてみる。そんな器の広さをもっている人は素敵ですね」

人気漫画が映しだす女性のメンタリティの変化

畑中雅美さん|『Cheese!』編集長

畑中雅美さん|『Cheese!』編集長

原作がドラマ『5→9 ~私に恋したお坊さん~』や、映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』となり、ヒットを出している小学館の月刊少女コミック誌『Cheese!』編集長をつとめる。『僕は妹に恋をする』などで知られている人気漫画家、青木琴美さんを長年担当。

面白い現象なんですが、ここ10年くらいで漫画の中でメンズがポロリと涙を流すというシーンが格段に増えています。反対に、女の子が泣いているシーンは少なくなっていて、泣くとしても悔し泣き程度(笑)。人気若手作家、浅野あやさんの最近の作品も、大好きな彼からの連絡を、仕事の忙しさを理由に2日くらい既読無視しちゃうような子がヒロイン。彼に謝ると、忙しかったんだよねと許してくれる。この流れって、かつて男性が女性に求めていた構図。完全に男女が逆転しているんです。コミックは人気がないとすぐ打ち切りになるシビアな世界ですから、そういった女性像に今、読者が共感しているということなんでしょうね。

数々のヒットを出している青木琴美先生の作風にも変化がありました。彼女が現在連載しているのが『虹、甘えてよ。』という作品。男性からの暴力がトラウマになっている女の子が主人公なんですが、以前にも、『朝も、昼も、夜も。』という作品で同様のテーマを書いていたんです。20年近く経て変わったのは、ヒロインのキャラクター。だれかに癒してもらおうという前回のスタンスから、今回は、自分で立ち上がる、というマインドにシフトしています。

そんなヒロインの虹ちゃんを見て周りの男性陣は「いつか自分のことを頼ってほしい」と思っている。タイトルが『虹、甘えてよ。』なのはつまりそういうこと。そう考えてみると、ヒロイン像が弱々しい女性から強い女性、つまりかっこいい女性に変わってきつつあるんだなと感じます。ような文章。そういう日本語が書ける人ってかっこいい。仕事でステップアップしたいとき、原点に立ち返って日本語を磨いてみる、というのもいいかもしれません。

青木さんご自身もかっこいいなという印象を受ける方ですね。彼女、今成功していることを、スパッとやめちゃうんですよ。『僕は妹に恋をする』が映画化されたころは、禁断の恋がテーマ、セクシーさのある作品がブームで、青木さんはある種その流行りの先陣を切っていた人。次はどんな作品を出すんだろうと期待されているときに、彼女が描いたのが初恋がテーマの作品。

最終的にこの作品もヒット作となり映画化されたんですが、連載が始まったころは、拍子抜けというか、読みたい青木琴美の世界観ではない、という反応でしたね。でも彼女は「流行っているものを描いていたら、青木琴美が古くなる」といって気にしていなかった。失敗することに怯えていなくて、むしろ失敗していいと思っている姿勢がかっこいい。自己保身に走るということはつまり弱さであり、結局未来に怯えている状態。失敗してもいいと思える人って、いつだってどうにかできるという強さがある。

ある程度できあがった既存のシステムに、新しいビジネスを見出していくには、コミュニケーション力や細やかな気づきが必要。それは女性の得意分野なので、以前よりも女性の意見で世界が回り始めている気がします。女性が有利な時代になりつつあるのかも。そういう意味でも、失敗を恐れないかっこいい女性って、今後もっと増えていきそうですね。

「最近の少女マンガの傾向として、女性が泣くシーンが圧倒的に少なくて、むしろ男性が泣いていることが多い(笑)。今、読者に支持されるのは、強い女性像なのかなと最近感じています」

「かっこいい」の地盤が女性の魅力を際立たせる

嶋浩一郎さん(博報堂ケトル代表)

嶋浩一郎さん(博報堂ケトル代表)

1968年東京都生まれ。1993年博報堂入社。2002年から2004年に博報堂刊『広告』編集長を務める。2004年「本屋大賞」立ち上げに参画。現在NPO本屋大賞実行委員会理事。2006年既存の手法にとらわれないコミュニケーションを実施する「博報堂ケトル」を設立。カルチャー誌『ケトル』の編集長、エリアニュースサイト「赤坂経済新聞」編集長などメディアコンテンツ制作にも積極的に関わる。2012年東京・下北沢に内沼晋太郎氏との共同事業として本屋B&Bを開業。編著書に『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』(ディスカヴァー21)など。

かっこいい女性、と言われてふっと思い浮かんだのは、放送作家の小山薫堂さんの秘書をされていたパン子さん(パンを焼くのが得意だったから、そう呼ばれていました)。打ち合わせのミーティングの後に、議事録のメールを送ってくれるんですけど、いつも最後に僕に宛てた一文が添えてあって、気がきいているんです。毎回パン子さんからのメールを楽しみにしていたのは、僕だけじゃないはず(笑)。

かっこいい人とはまず大前提として仕事ができる人、と僕は思います。そう考えたとき、いちばん簡単に、そしてダイレクトにそれが伝わるのが、日本語の使い方なんじゃないでしょうか。日本語の美しい人こそ、仕事を制する。ビジネスのメールってドライな表現になりがちだと思うんですが、パン子さんのメールはビジネスとしても完璧でありながら、無味乾燥な文面ではない、気使いを感じさせるものでしたね。

『暮しの手帖』の編集長だった花森安治という人が、実用文十訓という、文章を書く際の10のルールを挙げているんですが、それを読み返す度に、なるほど美しい日本語とはつまりこういうことかと思います。

「やさしい言葉で書く。目に見えるように表現する。短く書く。余韻を残す。大事なことは繰り返す。頭でなく心に訴える。ひとりのために書く…」まるでラジオのパーソナリティのように、不特定多数に向けているのに、自分ひとりに向き合ってくれているような文章。そういう日本語が書ける人ってかっこいい。仕事でステップアップしたいとき、原点に立ち返って日本語を磨いてみる、というのもいいかもしれません。

僕が身を置く広告業界は、男性比率が高い。でも女性が活躍する場はどんどん増えていますね。一緒に仕事をしているアートディレクターの森本千絵さんやグラフィックデザイナーの長嶋りかこさんもかっこいいと思う女性ですが、共通しているのは、やわらかさをもち合わせつつ、自分の中にブレのないものさしがあるところ。この業界は美意識などのこだわりがはっきりしているので、わかりやすくそれを感じます。

働き方改革などで、世間のシステムも変わっていますよね。何歳で結婚して、という画一的な生き方が崩れ去りつつある中、組織に属さない生き方が増えてきて、自分自身をプロデュースする風潮もある。組織に属していてもピンでキャラが立つ人が歓迎されつつある、そんな中で求められる女性像も変わってきている。かっこいい女性には追い風が吹いているのではと思います。

ただ、そういう価値観が変化するときってなんでも極端になってしまいがち。強くあろうとするあまり、細かい気使いなど女性ならではの魅力を一切封じるというのも、不思議だなと。出身がここだから、この年代だからというのと同じで、女性としての強みも生かしてほしい。大事にしているものがある、一本筋が通っている、そういう「かっこいい」という地盤がある女性のほうがその魅力が際立つんじゃないでしょうか。

「広告の仕事はまだ男性中心の業界。その中で、一緒に仕事をしている女性はかっこいいなと思う人が多い。彼女たちに共通しているのは『自分の中にものさしがある』人」

Oggi1月号「三者三様の、今、かっこいい女性論」より
メイン画像/Shutterstock 構成/堀 由佳
再構成/Oggi.jp編集部


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