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WORK

2019.01.24

【私が決断したとき】後に続く後輩のために頑張りたい|ホテルマーケティング統括支配人・林佳代さん

各界の第一線で活躍する先人たちは、どんなターニングポイントを迎えてきたのか。プリンスホテルで東京シティエリアマーケティング統括支配人となり活躍する、林佳代さんにお話をうかがいました。

【林 佳代】さんインタビュー

自分のためではなく後に続く後輩のためになるなら、頑張れると思った

プリンスホテル 東京シティエリアマーケティング統括支配人 林佳代さん

赤坂プリンスホテルに新卒で入社し、最初の配属がイベントやショーを手がける企画部でした。自分の企画が実現したり、情報を発信したりということができるようになってきたのは20代後半からでしょうか。パジャマカフェという女子会向けプランや、「おひとり様」の開拓、ガーターベルト付きの宿泊プランまで(笑)。

今でこそ女性をターゲットにしたサービスは多いですが、20年前はまだ新しくて。上司や後輩にも恵まれて、冒険させてもらいましたね。クリスマスやGW、夏休み期間にはさまざまなイベントやショーを企画・運営してきました。残業があっても大変さを超えるくらい楽しくて、勢いと熱意で走っていた私の青春時代です。

2011年に「赤プリ」が閉館した後は、本社でマーケティング戦略課長を担当しました。本当にホテルの現場が好きだったので、初めは自分では動けないとりまとめ役に戸惑いましたし、会社にいる時間が長く感じてしまうことも。それを大きく変えたのは、リゾートの仕事に携わったときのことでした。

事業部や人脈、身についた知識は、今の私の大きな糧

これまではずっと裏方で、お客さまと直に接する機会は少なかったのですが、本社で企画した箱根エリアでの山ガールイベントでは、スタッフとして登山に参加することに。そのときのお客さま方が「楽しくていい企画」「これからも応援してるよ!」と慕ってくださり、今でもメールや年賀状をいただいて交流が続いています。大好きなホテルの現場を一度離れたからこそ接点をもつことができた事業部や人脈、身についた知識は、今の私の大きな糧になっています。

高輪・品川マーケティング戦略支配人に任命されたのは4年前、42歳のとき。年齢的にも女性であることも珍しかったのでまさか自分が! と驚き、第一声は「無理です、無理です」と。気が引けていたのですが、自分を小さなころから知る、お世話になっている方から「あなたのためにやるんじゃなくて、あなたの後に続く人たちのためになるんだよ」と言われ、「あ、それなら頑張れる!」と思えたんです。

私が支配人の役割を担うことで、優秀な後輩たちの次のステップとして考えてもらえるようになったらいいなと。実際、社内で管理職になる女性が増えているのはうれしいことですね。

マーケティングやブランディングなど関わる仕事は多岐にわたるものの、私がまずやるべきは、みんなが働きやすい環境を整えることだと思っています。何か障害があればそれを取り払い、セクション間の問題であればうまく連携できるように動く。業務としては直属のリーダーたちに伝えれば済んでしまいますが、その先にいるスタッフにも日ごろから声をかけることを心がけています。すぐに明確な効果があるわけではなくても、普段から会話したことのない上司には本音も言えないだろうし、何かトラブルが起きたときにきっと対応に違いが出るのではないかと。

新しい挑戦には、できるだけ多くの人を巻き込む。

林佳代さん

成功も失敗も、一緒に味わえるように。そして、新しいプロジェクトに取り組むときは、できるだけ多くの部門や人を巻き込むことを大事にしています。ホテルは、多様な職人さんや部署の力が一体になってできる非日常の場。「勝手にやっている」という印象を与えて孤立を招いては、ホテル自体の可能性を狭めてしまう。自分から相談することで、一緒に成功や失敗の体験を味わってもらえたら、と思っています。

自身は、「人は、人によってつくられる」という信念をもっています。思い返せば、時代ごとに影響を与えてくださる人が常にいました。なかでも、30代に影響を受けたのは当社の現・アドバイザーでもある島津貴子さんです。インテリアコーディネートや空間演出でご活躍され、さまざまな国や物をご覧になっていて、館内装飾の実例や外部の専門家の方とのやりとりなど多くを学び、刺激になりましたね。そのときの経験が基盤となって、ここ数年続くリニューアルラッシュに活きていると感じます。

国内ホテル業界はインバウンド増加という追い風もあり、活性化しています。この数年はプリンスホテルもバリューアップのリニューアルを重ねてきました。設計を依頼した、世界で活躍するトップデザイナーの方々は、空間デザインだけではなく、利用されるお客さまの動き、体験価値、ホテルが提供するサービスやお料理のすべてをデザインととらえています。

ときに厳しい言葉をもらい、私たちの提案と意見が異なることもありましたが、その上で期待以上の結果を出すというグローバルレベルを見せつけられて。彼らには譲れない信念があると納得できましたし、ホテルの人間として関わるためには、もと知識や理念が必要だと痛感しました。そこまでこだわった施設のオープンPRに携われるのは光栄なことですね。

プリンスホテル

周りからは飄々としているように見られるのですが、仕事で悩むことも多々。人前で話すときはいまだに緊張して、見えないところで汗をかきながら倒れそうになっています(笑)。統括支配人になった当初は、もう同僚とお友達感覚でいたらいけないな、相談するのは難しいかな、と感じた時期もありました。

でも、ある旅行会社の社長さんが「偉くなると友達がいなくなるから、うちの女性陣と仲良よくすればいいよ」とアドバイスをくださったんです。自分の中にある枠を広げて外に目を向けたら気が楽になって、また身近な仲間にも悩みを話せるようになりました。今はため込まず、むしろ「この件なら誰に相談すればいいか」をよく考えていますね。

決断する場面が多いので、修正がきかないような失敗をしてお詫びすることも、もちろんあります。実感するのは、そのときはダメだったとしても「それで終わり」ではない、ということ。自分で判断してトライしてみたことは、後の成功に絶対つながる。そのことを知っていれば、挑戦も決断も、怖さは和らぐんじゃないかなと思います。

休日は家で海外ドラマを見るのが至福のインドア派なのですが、世界のホテルやエンターテインメントのトレンドを意識して足を運ぶようにしています。これからの日本のレジャー業の肝は、ナイトタイムエコノミー。ホテルという枠にとらわれず夜までお客さまを楽しませられるようなエンターテインメントシーンをつくっていきたいです。

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プリンスホテルで記憶に残る非日常を体験して

プリンスホテル

林さんがマーケティング統括支配人を務めるザ・プリンスパークタワー東京や品川プリンスホテルなどのホテルでは、クリスマスやニューイヤーなどホリデイシーズンを盛り上げる多彩な企画が登場! 宿泊はもちろん、華やかなディナーショーやロマンティックなレストランディナーの演出で、特別なひとときを過ごせるはず。詳細は公式HPでチェック!

Oggi1月号「The Turning Point〜私が『決断』したとき」より
撮影/石田祥平 デザイン/Permanent Yellow Orange 構成/佐藤久美子
再構成/Oggi.jp編集部

はやし かよ

1972年、東京都生まれ。1992年赤坂プリンスホテル入社。西武グループの中核であり、日本のホテル・レジャー事業をリードするプリンスホテルで、2015年より東京シティエリアマーケティング統括支配人を務める。ブランディング、コンセプト策定、商品・イベント企画、プロモーションなど幅広く活動。また、各ホテルで女性客向けのプロジェクトを運営。ナイトプールなど話題の企画を生む。近年は「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」の開業のほか、既存ホテルや施設のリニューアルに携わる。


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