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2019.01.01

持ってて当たり前がこれからのお金のルール!? ビットコインに見る【クリプト・カレンシー】入門

Oggiモデルが気になる話題について取材する学びの連載。今回は、読者の間でも「いよいよもつべき?」と話題の、仮想通貨の基本と未来についてお話を伺いました。

事業家・思想家・山口揚平さん×モデル・安座間美優さん

私たちは仮想通貨をもつべきか? それとも…?

美優:「クリプト・カレンシー」って、実は今日初めて聞きました。

山口:ですよね。日本では特に、まだ聞き慣れない人が大半だと思います。英語で「クリプト」は暗号、「カレンシー」は通貨という意味なので、直訳すると「暗号通貨」ということになります。

美優:仮想通貨とは違う?

山口:同じです。英語でも「ヴァーチャル・カレンシー」という言葉はありますが、クリプト・カレンシーと言ったほうが、ちょっとアメリカ西海岸っぽくて意識高い感じでしょうか(笑)。

美優:ビットコインは仮想通貨の一種だから――クリプト・カレンシーのうちのひとつ、ですね?

山口:はい。ビットコインのほかにも「イーサリアム」や「リップル」など、今では1、500種類以上の仮想通貨があります。

美優:そんなに! 人気なんですね。…やっぱり儲かるから?

山口:そう考えている人が多いんでしょう。でも実際は、だれでも儲かるというものではないです。昨年からの暴騰暴落は覚えていますか? 2016年には1ビットコインの販売価格は10万円以下だったのが、昨年末には200万円以上になって今は70万円台。仮想通貨での運用は、現段階ではギャンブルに近いです。今後は現実世界でモノを買うときの決済に使えることも増えて、相場は安定していくでしょうが…。なくしても痛くない程度の金額を勉強として運用するのはいいと思いますが、着実に資産を増やすのには向いていません。

美優:じゃあ、仮想通貨をもつ意味はあまりなさそうですね。

山口:それがそうとも言い切れなくて。仮想通貨が人気なのは、円やドル、元など、国が発行している「法定通貨」への信用が薄れつつあることの裏返しでもあるんです。かつて、ギリシャで経済危機が起きたとき、ギリシャの通貨は大暴落しましたが、同時に仮想通貨の相場はグッと上がりました。今後、国が破綻したり、戦争が起きたりして「もう国なんて信用できない!」という事態になったときのために、仮想通貨を「保険」としてもつのはアリだと思いますよ。

美優:よく「お金は分散してもっておいたほうがリスクヘッジになる」と聞きますが、仮想通貨もその手段になるということですね。おすすめの銘柄はありますか?

山口:1,500種類もある仮想通貨の中には、正直ほとんど価値がない、詐欺まがいのものもたくさんあります。10年後くらいまでの間に淘汰されると思うので、とりあえず、今現在上位の10銘柄くらいの中から検討してみるとよいのではないでしょうか。

山口揚平さん

「資産を増やすのにはギャンブル。でも『円』の「保険」にはなるかもしれません」(山口さん)

クリプト・カレンシーは、次世代経済への過渡期の通貨!?

みんなが記録することで信用が高まる通貨

美優:とはいえ私、仮想通貨はちょっと怖いんですよね。暴落もするしそもそも目に見えないし。

山口:「仮想」と言うから、余計に「本物じゃない」イメージで怖くなってしまうのかもしれませんね。実際にはクリプト・カレンシー、つまり暗号通貨と呼ぶほうが、実態をより正確に表してはいるんですよ。ちょっと根本から話してみたいんですが、そもそもお金とは「外部化された信用」なんです。

美優:おっと、いきなり難しくなりましたね(汗)。

山口:たとえば私たちがこれまでお金として使ってきた「円」は、私たちが一生懸命働いて経済を支え、日本という国が信用されているからこそ、多くの人が「価値が急になくなることはなさそう」と考えて、貨幣価値を保っているわけです。

美優:「円はいつどうなるかわからない」と思ったら、ほかの通貨に両替しますね。

山口:そうそう。一方、暗号通貨は、どこかの国がその価値を保証しているわけではありません。その代わりに信用する根拠になっているのが「暗号」なんです。

美優:どういうことですか?

山口:暗号通貨のはじまりは、2008年にサトシ・ナカモトという人がビットコインについて書いた論文です。たとえば僕が美優さんに、何かを売ったとします。その取引を第三者が暗号化してプログラムに書く、つまり「記帳」するのが暗号通貨のシステムです。「ブロックチェーン」という言葉は聞いたことがありますか?

美優:なんとなく…。

山口:分散記帳システムとも呼ばれますが、要するに世界中のだれもが見られる台帳のことです。その台帳の記録は高度なプログラムで暗号化されていて、改ざんするのはまず不可能。そして、そのプログラムを書いた人には、報酬として暗号通貨が新規に発行されます。暗号通貨欲しさに記帳する人がどんどん現れて、記帳の量が増えて信ぴょう性が増すことで暗号通貨の信用が増し、取引が促進される。それが暗号通貨の仕組みです。

安座間美優

「仮想通貨の価値は今後また、上がっていくんでしょうか?」(美優)

ビットコインの存在感はますますUP!

ビットコインの市場価格(米ドル) グラフ

昨年から今年にかけて激しく値動きして話題になった仮想通貨。代表格のビットコインは数々の仮想通貨取引所が取り扱っており、今年開設された「DMM Bitcoin」など大手の参入もニュースに。また、家電量販店「ビックカメラ」や旅行代理店「H.I.S.」など、ビットコインによる決済が可能な店舗も増加中。今後、ビットコインの使い方も変わるかも!?

お金がなくなる未来にモノをいうのは…?

美優:時代とともにお金の姿も変わるんですね。暗号通貨と呼ぶ意味もわかってきました。暗号通貨はこれからも増えていきますか?

山口:僕、将来的にはお金は、暗号通貨も含めてなくなっていくと考えているんですよ。

美優:現金を持ち歩かないキャッシュレス、という意味ではなく?

山口:いや、お金という概念がなくなるんです。暗号通貨は一時的に増えますが、過渡期の姿で…。

美優:え? お金がなくなったら、どうやって生活するんですか?

山口:ツケ払いですね。先ほどブロックチェーンの話が出てきたでしょう。膨大な取引を正確に記帳できる仕組みがあれば、お金はなくても生活は成り立ちます。

美優:たとえば私が山口さんから何かをもらいました。でもその見返りとして私から渡すものが何もない――こんなときは?

山口:もらってばかりだと、「負債」がたまっていきます。そしてその事実を、ブロックチェーンで全世界の人が見ることができるというわけ。

美優:「あの人、いつももらってばっかりでズルい」と周囲から思われる、みたいなことですか?

山口:それだけじゃなくて、取引をしてくれる人は減るし、乗り物に乗れなかったりして行動範囲が狭められるし、日常生活に支障が出てきます。たとえば僕は、六本木と軽井沢で二拠点生活をしていたんですが、軽井沢では周囲に貢献していて信用を積めば、お金がなくても暮らせるんです。野菜も手に入るし、家だって「使っていいよ」なんて人が現れたり。

美優:本当ですか!?(笑)

山口:ホントです! それが、だれにどんな貢献をしたか、ブロックチェーンで記帳されるようになれば、正直者がバカを見ない時代になるのではないでしょうか。資本主義で「お金を儲けさえすればいい」という価値観は崩れつつあり、各個人の信用がお金の代わりになっていく時代です。クラウドファンディングは、その過渡期であることを示すわかりやすい例だと思います。暗号通貨も、国ではなくみんなでつくった信用でやりとりをするお金ですからね。

美優:フェアな世界になるんだったら、明るい未来ですね。いつごろそんな世の中になりますか?

山口:2100年くらいかな。僕たちはもういないかもしれない。でも、子供たちは生きています。

美優:確かに、暗号通貨の相場が上がった、下がった、ということだけではなくて、お金とはなんなのか、きちんと子供に説明できる大人でありたいですね。クリプト・カレンシーは、お金について考えるきっかけにもなりそうです。

覚えておきたいキーワード

・法定通貨

各国が定めるその国の通貨。日本では中央銀行である日本銀行が「円」を発行している。ちなみに日本銀行の株主は日本政府機関が約55%で、民間資本が約45%。ユダヤ系の資本も入っており、個人も株主になることができる。

・サトシ・ナカモト

ビットコインの仕組みを考案し、2008年にメーリングリストで論文を発表。日系人なのか、そもそも個人なのか不明。2010年半ばからはソフトウェアの開発・管理をチームメイトに譲り、いまだ正体は謎に包まれている。

・ブロックチェーン

暗号通貨を支える技術のこと。暗号化された取引が定期的に記帳され、ひとかたまり(ブロック)ずつ保管されて、ネットワーク上に連なっている(チェーン)。ひとつに不備が生じても、世界中のほかのコンピューターに正しい記録が残る。

・発行

膨大な計算を行ってブロックチェーンに「記帳」すると、暗号通貨が手に入る。この行為を「採掘(マイニング)」と呼ぶ。インフレ予防のため発行数には限度があり、2033年までに99%の暗号通貨が発行される想定。

・負債

いわゆる「ギブ&テイク」でいう「テイク」のこと。自分の利益ばかり優先する人が富を得るのは一時的で、最終的に成功するのは「ギブ」し続ける人だとか。このようなお金の仕組みや歴史、未来については山口さんの著書『新しい時代のお金の教科書』(ちくまプリマー新書)に詳しい。

新しい時代のお金の教科書

・クラウドファンディング

crowd(群衆)とfunding(資金調達)を組み合わせた言葉。インターネットを通してクリエイターや起業家が、不特定多数の人から資金を募る仕組み。その人物や団体、そのプロジェクトの信用度が、支援金額という形で目に見える。

安座間美優 山口揚平さん

ブラウス¥16,000(ミミ&ロジャー) パンツ¥15,000(ストラ) リング¥2,700(ジューシーロック〈JUICY ROCKOriginal〉)

Oggi11月号「大人になった今こそ、学びたい&知りたいコトがある! Oggi大学」より
撮影/為広麻里 スタイリスト/角田かおる ヘア&メイク/RYO(ROI) モデル/安座間美優 構成/酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部

山口揚平さん

やまぐちようへい(事業家・思想家)1975年生まれ。1990年代から大型M&A(企業買収)などを手がけ30歳で独立。現在はブルー・マ
ーリン・パートナーズ株式会社代表取締役。宇宙開発から劇団経営まで複数の事業を運営する傍ら、執筆・講演活動を行う。


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