ベルトン由香さんってどんな人?
ベルトンさんの職場は、ロンドン屈指の高級住宅街「プリムローズ・ヒル」にある鮮魚店。近隣以外からもお客さんが訪れる人気のお店で魚を売っています。
–ロンドンの鮮魚店で働き始めたきっかけは?
21歳のときにたまたまスーパーの魚売り場で働き始めたことがきっかけで魚の奥深さに魅了されたというベルトンさん。魚について究めている最中、アイルランド人の男性と出会い、38歳のときに結婚。そして、イギリス・ロンドンに移住。
しかし、移住した当初は、言葉も通じず慣れない街を出歩くのが怖く、家から出ることさえ困難に。「私はこの国では何もできない」と考え怯える日々。
そんなベルトンさんを救ったのが、日本で魚を売り続けた17年間の経験。その経験を買われ、魚屋として再スタート。現在では、魚屋歴は25年を超え、“魚に関することは何でも答えられる”ほどの知識の深さゆえ、ロンドン市民から全幅の信頼を寄せられています。
ベルトン由香さんの「7つのルール」
さて、そんなベルトンさんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…?
■1.鮮度の悪い魚は買わせない
たとえお客さんがタコを買いに来ても、タコの鮮度が悪ければ他の魚を提案するのがベルトンさんのポリシー。「魚を売る者として、ベストなものを売りたい」という信念の持ち主。
■2.宅配する魚には食べ方を添える
ベルトンさんには、魚を宅配するときにもこだわりが。それは、お客さんが調理の仕方に迷わないように、それぞれの魚の食べ方を添えること。売りっぱなしではなく、お客さんが「おいしい」と言うまでが仕事だと考えている。
■3.週1回、日本の惣菜を手作りする
ベルトンさんが週に1度必ずつくるものが、日本のお惣菜。イギリスにはご飯のお供になるようなものがないので、日本人のお客さんに食べてもらいたいという思いから始めたが、お惣菜を売り始めるや否やイギリス人からも好評。
■4.出来るだけ小綺麗に
魚屋さんという職業柄、ニオイで周囲に不快感を与えていないか気になることも。そのため、できるだけおしゃれには気を遣っているという。
■5.カラスの餌を持ち歩く
接客をしているなかで「お客さんは満足してくれたか?」「間違えをしていないか?」など考え、精神的に疲れることがあるというベルトンさん。週に1度、鳥と思いっきり戯れるのが癒し。
■6.月に1回、窓にジョークを書く
月に1度、勤務終了後にベルトンさんがやっていることが、窓に自分をネタにしたジョークを綴ること。お客さんが「この魚屋さんなんだろう?」と足を止めてくれることも。
■7.ロンドンで魚屋以上の存在でいる
現地に住む日本人女性から姉のように慕われているベルトンさん。休みの日には、ロンドンに来て間もないお客さんたちをロンドンの街巡りに誘うなど、魚屋の枠を越え周囲のサポートをしている。
ロンドンでの生活に、自分自身が「寂しい」「ツラい」と感じる経験をしたからこそ、周囲への優しさを常に忘れないベルトンさん。異国の地でもこんな魚屋さん、こんな女性がいたら安心ですね♡
文/かわはらりな
次回の「7ルール」の放送は、11月13日(火)よる11時~11時30分です。主人公は、NYで和食ケータリング会社のオーナーをしている伊澤実佐子さん。
しごとなでしこでは、番組を振り返り、仕事をする女性たちへのヒントを見つけていきます! ぜひチェックしてみてください♡
初出:しごとなでしこ
ロンドンの魚屋さん ベルトン由香
名古屋出身47歳。21歳の時にスーパーの鮮魚店で働き始める。38歳の時にアイルランド人の男性との結婚を機に、イギリス・ロンドンに移住。現在は、ロンドン屈指の高級住宅街「プリムローズ・ヒル」にある鮮魚店に勤務している。魚屋歴は25年を超え、魚に関することは何でも答えられる。