「仕事のセンスいいね!」と言われる「プチ勉」の学び方とは?
新しい環境、新しい仕事、新しい人間関係…なにかと「新しい」ことが多く、慣れるのに労力を費やすこの時期。
そんな時期だからこそ、仕事をスムーズにこなして「あの人“仕事のセンス”いいよね」と褒められたいですよね♪
前回は「なぜ社会人になっても勉強しなきゃいけないの?」という疑問について教えていただきましたが、今回は、次のステップ。どうやって「プチ勉」をすればいいのか、グロービス経営大学院講師の鳥潟幸志先生に教えてもらいます。
■まずは「学び方」を学ぼう♪
しごとなでしこ編集部(以下、編集部):前回、学生時代と社会人の勉強は、ぜんぜん質が違うということを教えてもらいましたが、「プチ勉」は学生時代の勉強方法とは違うようですね。どう学べばいいのでしょうか?
鳥潟先生:では、その「学び方」をお教えしましょう。
▲出典:グロービス学び放題
まず、「学び方」は4つのステップにわかれます。
1.目標設定
2.インプット
3.アウトプット
4.振り返り
そして、以下の図のように、この4ステップを繰り返すことが「学び方」の全体像になります。
鳥潟先生:それでは、目標設定から詳しい説明をしていきましょう。
■「プチ勉」の方法 ステップ1【目標設定】
鳥潟先生:目標設定については、
1.長期的なキャリア目標を見据える
2.短期的な課題解決を考える
という2つの視点から、いま自分のいる状況と理想とのギャップを考えてみましょう。
鳥潟先生:「どのような価値観を大切にして生きていきたいか」「そのうえでいまの自分にどのような課題があるか」ということを考え、5年後の自分を見据えます。5年後、どんな仕事をしていたいでしょうか。どんなプライベートを送っていたいでしょうか。どんな知識を身につけていたいでしょうか。
編集部:えっ、なかなかパッと出てきません…。
鳥潟先生:こちらは自分はなんのために勉強するかの基本なので、じっくり考えてみるのもいいと思いますよ。
■「プチ勉」の方法 ステップ2【インプット】
鳥潟先生:さて、次のステップは「インプット」です。
1.モノからのインプット
2.人からのインプット
の2点を主に行います。
編集部:モノからのインプットは具体的にどのようなものですか?
鳥潟先生:テキストのような本や、いまの時代で言えばyoutubeなどの動画もいいですね。
編集部:動画であれば、テレビを観るように学べるのでいいかもしれません。
鳥潟先生:そうです。いまはスマートフォンでどちらも気軽に見られるようになりました。通勤中や休憩時間に数分から始められますよね。
編集部:人からのインプットは誰からしてもらったらいいのでしょうか?
鳥潟先生:これは、実際に解決したい問題に詳しい人に直接聞くことです! 会社だったら上司や先輩。講演会などチャンスがあれば本の著者、社会人スクールの先生などですね。
編集部:人によっては、なかなかハードルが高いかもしれません。
鳥潟先生:もちろん、事前に準備をして聞いてください。自分の専門分野について質問されて嫌がる人はあまりいません。きっと真摯に答えてくれますよ。以下のコツも使って質問してみてくださいね。
1. 自分で知りたいこと、問題意識を明確にしていく。
2. アドバイスを真剣に聞く。相手の目をみながらメモをとる。
3. 聞いたアドバイスを実践に移す。
4. お礼と共に、実践した報告をする。
■「プチ勉」の方法 ステップ3【アウトプット】
鳥潟先生:さて、ステップ3つ目は、「アウトプット」です。まず次の図を見てください。
鳥潟先生:これは「エビングハウスの忘却曲選」といいます。勉強したことって、脳のつくりで、20分後には42%、1日後にはなんと74%も忘れてしまうんです!
編集部:え…! そんなに忘れてしまうんですか…。
鳥潟先生:でも、以下の図のように、2日後に復習をすると…
編集部:90%以上まで戻るんですね!
鳥潟先生:そうなんです。さて、その復習方法ですが、以下のようなものをオススメしています。
1.自分でまとめる
重要だと思った箇所のメモを残したり図にしてみると、定着しますね。いまはグラフィックレコーディングなどのスキルもあります。
2.人に伝える
自分で学んだことを誰かに伝えるには、深く理解していないとできません。シンプルにまとめたり、相手の関心事とつなげる力なども必要です。
3.仕事で使ってみる
勉強したことは、ぜひ実践してみましょう! そして案外皆さんしていないのですが、その知識が必要となる導線上に見える形でおいておくことが重要です。パソコンのデスクトップにポストイットのメモを貼るなどもいいですね。
編集部:誰かに伝えることで、自分の理解が深まるんですね!
鳥潟先生:ぜひ、実践してみてくださいね。
■「プチ勉」の方法 ステップ4【振り返り】
鳥潟先生:最後に、一番大切な「振り返り」についてです。わからないことをみつけて、勉強して、実践した結果、どうだったのか、いまの自分を確認しましょう!
編集部:確認することで、さらに同じ方向性で勉強したらいいいのか、別のスキルを身につけるべきなのかも判断できますね。
鳥潟先生:そしてまた「目標設定」からスタート。それを繰り返すうちに、「プチ勉」を始める前の自分から成長していることに気づけるはずです。
編集部:次回は、実際に仕事上で起きたトラブルを例にとり、どういうスキルを知っていたら解決できるの? という疑問に答えてもらいます! お楽しみに。
鳥潟先生:なにか質問があれば、ぜひ編集部まで送ってくださいね。私も真摯にお答えしましょう。ではまた次回。
初出:しごとなでしこ
今回話を伺ったのは…鳥潟幸志(とりがた・こうじ)先生
グロービス経営大学院 教員
【略歴】埼玉大学教育学部卒業 グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了
学位:MBA
その他プログラム:神戸大学大学院ベンチャーファイナンス実践Program修了
サイバーエージェントでインターネットマーケティングのコンサルタントとして、金融・旅行・サービス業のネットマーケティングを支援。その後、デジタル・PR会社のビルコム株式会社を共同創業。取締役COOとして、新規事業開発、海外支社マネジメント、営業、人事、オペレーション等、経営全般に10年間携わる。
グロービスに参画後は小売・グローバルチームに所属し、コンサルタントとして国内外での研修設計支援を行う。現在は、社内のEdtech推進部門にて『グロービス学び放題』の事業リーダーを務める。グロービス経営大学院や企業研修において思考系、ベンチャー系等のプログラムの講師や、大手企業での新規事業立案を目的にしたコンサルティングセッションを講師としてファシリテーションを行う。
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