在日イタリア人が口をそろえて絶賛するエリオ氏のレストラン
地下鉄・半蔵門駅の1番出口を出て、右手の角を曲がって1分ほど歩いた場所に「Elio Locanda Italiana」があります。麹町駅からも約5分で来られる抜群の立地。1996年にオープンしたというこのお店には、お昼時になると、近隣のビジネスワーカーのみならず、イタリア人のお客さんの姿もありました。
よくイタリアの人に「好きなものは?」と聞くと、みんな口をそろえるように「マンマの味」と答えるほど、彼らの食文化のなかには母親がつくる家庭料理の味が体のなかに浸透していて、どんな高級なレストランよりも懐かしい家庭料理や郷土の味が大好きだということを熱弁されることが多々あります。
遠く離れた日本で働くイタリアの方が「東京ならエリオのお店がおすすめだよ!」と絶賛していたことがきっかけで訪問したのが、このお店との出会いでした。
アットホームな雰囲気の店内はディナーの利用にも最適。今回はそんな「Elio Locanda Italiana」でのランチタイムのひとときをご紹介します。
選べるメイン! コスパ最強のPranzo Amore(サービスランチ)1600円
筆者が注文したのは1600円(税込)のサービスランチ。野菜のスープに、選べるメイン(スパゲッティ・ラザーニャ・手打ち麺のタリアテッレ)、サイドサラダ、本日のデザート、食後のドリンクがついてきます。こちら予約こそできませんが、とってもお得なメニューです。
この日のスープは、九州・四国のオーガニック野菜を使ったミネストローネ。めずらしい塩ベースのやさしい味わいで、ズッキーニやニンジンがゴロっと形が残るほどの大きさでカットされているのですが、とても柔らかく煮込まれていて、野菜からの旨味が口いっぱいに広がります。疲れているときにいただけば、即座に元気が出そうなスープ。派手さはありませんが、「あ! イタリアの人たちが懐かしんでいる故郷の味って、こういうことか!」と納得できる味わいです。
そして、筆者がチョイスしたメインはタリアテッレ。シチリア産のオリーブとイカがたっぷり。手打ち麺ならではのもっちりとした食感や小麦の香りの良さ、そして何より驚いたのはピリッと辛いオリーブです。
太陽をいっぱい浴びたシチリアのオリーブが、こんなに強烈な辛さや香りを醸し出すのかと、びっくりしましたが、これが肉厚な福岡県産のモンゴウイカとよくマッチしていました!
食後のデザートはキャラメルソースがかかっている自家製のパンナコッタ。
ドリンクは、エスプレッソ、カフェラテ、カプチーノ、コーヒー、紅茶から選ぶことができ、デザートと一緒に楽しめます。筆者はカプチーノをお願いしたのですが、出て来たカップにはかわいいクマが描かれているではありませんか! キュートな表情に釘付けに。
全体的に野菜の量がかなり多く、男性でもおなかいっぱいになれるくらいのボリューム満点なランチですが、一番印象的だったのは、イタリアの空気を思わせてくれる店内やお料理そのものの雰囲気。
美しく盛り付けられているフランス料理とは違い、熱々の出来立てをごっそりお皿に盛ってスグに提供してくれるスタイルや、オーガニック野菜を使うなどの食材へのこだわりなどが、随所に感じられ、イタリアの家庭料理の美味しさを都内にいながらにしてプチ体験できるようなひとときでした。
セレブリティにも愛され続けるイタリアンの名店
入口には、デザイナーのジョルジオ・アルマーニ氏をはじめ、誰でも名前を聞いたことがあるような世界のVIPのサインや写真がずらり。オーナーであるエリオさんの文化交流の幅の広さを感じられます。
気軽にイタリアンマンマの味を堪能できるレストラン。働く女性へのご褒美ランチとしてご紹介しているコーナーですが、正直、毎日通いたくなるような心温まる内容でした。
【Elio Locanda Italiana】
住所:東京都千代田区麹町2-5-2 半蔵門ハウス1F
初出:しごとなでしこ

朝岡真梨
50か国・200都市を超える海外旅行経験をもとに観光スポットやグルメなどの紹介をしている。料理が得意で独自のレシピも執筆中。夫婦で温泉ソムリエの資格を取得し、国内のみならず世界中の温泉旅行を楽しんでいる。ブログ「遊んでばかりのスナフキン(https://asosuna.com/)」が人気。キャラクター研究家としても活動中。