あなたの脳疲れてない!? チェックリストで脳疲労度を確認しよう
ネイチャーラボが全国の20~60代の男女600人に、早稲田大学の矢澤一良教授が作成した、脳疲労度を測る12個の項目をもとに「脳の健康に関する調査」を実施。脳が疲れている人はどれくらい居るのでしょうか?
【脳疲労度チェックリスト12項目】
1.食事が美味しくないと感じることが多くある
2.夜中に目が覚めやすい
3.便秘がちである
4.集中力が続かない
5.判断力が最近低下したと感じる
6.物忘れが多い
7.考えがまとまりにくい
8.身体を使わないのに疲れを感じる
9.無気力になることがある
10.いつもイライラしている
11.気持ちが沈んで暗い気分になる
12.何もないのに不安に感じることが多い
目安:1~3個/脳疲労レベル低、4個以上7個以下/脳疲労レベル中、8個以上/脳疲労レベル高
■男性よりも女性の方が脳疲労を起こしている!?
まず、脳疲労レベルの割合を見てみると、日本人の約60%が脳疲労レベル中~高の、脳のゴミが溜まっている状態と考えられる脳疲労予備軍という結果に。脳疲労チェックリスト12個のうち日本人の平均選択数は5.0個、最も高い数値となったのは25歳以上30歳未満で6.1個でした。
男女で比較すると、男性は脳疲労予備軍の割合が56.0%に対し、女性は63.3%であり、女性の方が脳疲労を起こしている可能性が高いことがわかりました。
■睡眠負債が脳疲労に影響を与えている
次に、ここ1年間の平均睡眠時間が5時間未満の睡眠負債リスクを抱える人の脳疲労度を見たところ、脳疲労レベル中~高の脳疲労予備軍の人が約70%と、平均を約10%上回り、睡眠負債が脳疲労に影響を与えていることが判明。
一般的に6時間睡眠を2週間続けた脳は、2日連続で徹夜をした脳と同じ疲労度と言われていますが、それが1年間継続すると「脳疲労」につながりやすくなるのかもしれません。
■ストレスを抱えている人は脳疲労リスクも高い
最後に、普段ストレスを「感じている」「やや感じている」と回答したストレスを抱える人の脳疲労度を見ると、脳疲労レベル中~高の脳疲労予備軍の人が約71%と平均を約11%上回り、心のストレスを抱える人は脳疲労リスクも高いことが明らかになりました。
■脳疲労を改善するためにやるべきこと
脳を元気にするためには、どのようなことをすれば良いのでしょうか? 早稲田大学の矢澤一良教授に教えてもらいました。
「脳疲労は脳の神経細胞にアミロイドβタンパクやタウタンパクといった物質が溜まることによって引き起こされるため、“脳のゴミ”とも言えるそうした不要なタンパク質を排出することが重要になります。
排出を促進する方法としては休養・睡眠を十分に取るなどがありますが、昨今では脳を健康に保つ働きがあると言われているブレインフードと呼ばれる食べ物を摂取することも大事になります。
中でも「脳の潤滑油」と呼ばれるPS(ホスファチジルセリン)という成分は、まだ知名度は低いですがブレインフードの代表例として挙げられ、大豆や大豆製品に多く含まれています。」
【ブレインフードの例】
・DHA(ドコサヘキサエン酸):青魚に多く含まれる。脳の老化を防止、記憶力維持。
・PS(ホスファチジルセリン):大豆・大豆製品に多く含まれる。脳のゴミの排出を行う。記憶力維持。
・チョコレート(カカオ):加工の少ないローカカオがお勧め。認知力向上が期待できる。
・αーリノレン酸:くるみ、ナッツ類に多く含まれる。脳の老化防止、記憶力維持。
・アスタキサンチン:エビ、鮭などに含まれる色素。強い抗酸化作用や抗炎症作用。
・クルクミン:ウコンに含まれるポリフェノール。抗炎症作用の他、幅広い作用。
・ミルクペプチド:牛乳由来のペプチド。抗ストレス、睡眠改善作用。
あなたは、脳疲労度チェックリストでいくつ当てはまりましたか。脳疲労にならないためにも、休日はゆっくり休んだり、睡眠を多めにとったりすることが大切!
調査/株式会社ネイチャーラボ
初出:しごとなでしこ
教えてくれたのは…早稲田大学 矢澤一良教授
早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門 研究院教授
「日本を健康にする!」研究会会長として、健康的な食生活のための間食の重要性を説く「機能性おやつプロジェクト」を推進。1972年京都大学工学部工業化学科卒業。2014年4月より現職。ヘルスフード科学、脂質栄養学、海洋微生物学、食品薬理学を専門とする。学術論文を130報以上発表(共著を含む)、300件以上の特許を出願している。著書に『機能性おやつ』扶桑社(2012)等がある。