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2018.09.03

【女医が回答】原因不明の胃痛。それって、「機能性ディスペプシア」かもしれません

食べ過ぎたり飲み過ぎたりしていないのに、胃の痛みが続いている…。長引く、繰り返す胃の不調について女性医師に教えていただきました。

【目次】
【胃痛】原因に心当たりは?
【胃痛】検査をしても原因不明なら「機能性ディスペプシア」
【胃痛】みぞおち辺りの痛みは胃痛だけじゃない…?
【胃痛】繰り返し襲われる場合はピロリ菌が原因のことも
【胃痛】定期的に胃部レントゲンなどの検査を受けて05

【胃痛】原因に心当たりは?

胃の痛みを訴えて受診した人が診断されることが多い「胃炎」。

みぞおちの辺りの痛み、吐き気、胃もたれ、胸焼け、膨満感、げっぷが出る、食欲の低下など、胃炎の症状は様々です。

胃炎とは、胃の内側にある粘膜の炎症のことで、食べたものを消化する強力な酸・胃酸と、胃酸から胃の粘膜を守る粘液のバランスが崩れることで起こります。

胃痛
(c)Shutterstock.com

胃炎には、急性胃炎慢性胃炎があり、急性胃炎では、胃痛や吐き気などの症状が急激に現れるのに対して、慢性胃炎では、胃の不快感が常にあるようになり、症状が月単位で続きます。また、人によっては慢性胃炎と診断されても何も症状がないこともあります。

胃炎の原因は、アルコールやカフェインの摂り過ぎや薬(抗生物質や非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド剤など)の副作用、ストレス、風邪やインフルエンザなどの感染症、食中毒、ピロリ菌の感染などがあります。

【胃痛】検査をしても原因不明なら「機能性ディスペプシア」

胃の痛みや胃もたれなどを感じて病院へ行ったのに、検査をしても原因が見つからなかったという経験をした人もいるのでは?

これまでは、こういった原因不明の胃痛は「慢性胃炎」と診断されることが多かったのですが、胃痛などの症状があるのに胃粘膜の炎症は見られない場合もありました。

胃の不快な症状はあるのに、原因となる異常がない

診断
(c)Shutterstock.com

近年は、そういったケースは胃の消化作用や収縮・ぜん動運動といった機能が低下しているためではないか、という考えから「機能性ディスペプシア」という診断がつくようになりました。

胃痛や胃もたれなどの症状があるのに、内視鏡検査や血液検査、ピロリ菌感染検査など必要な検査を行っても、胃炎や胃がん、胃潰瘍などの疾患が見つからない場合に、「機能性ディスペプシア」と診断されます。

「機能性ディスペプシア」の治療は、それぞれの症状を改善する薬を処方することがほとんどです。具体的には、胃痛や胸焼けがある場合は胃酸の分泌を抑える薬を、胃もたれや膨満感がある場合は胃の働きを良くする薬を処方します。

症状に合った薬を飲むのと共に、食生活の乱れや睡眠不足などの生活習慣を整えることも大切です。

胃痛や胃もたれが続いているという人は、まずは信頼できる医師がいる病院で診察を受けましょう。受診するのは、内視鏡検査や腹部超音波検査などができる消化器内科がおすすめです。

【胃痛】みぞおち辺りの痛みは胃痛だけじゃない…?

胃痛を訴えて受診する人の多くは、みぞおち辺りの痛みを胃の痛みととらえているようです。確かに胃があるのはみぞおち付近なのですが、その周囲には胃以外に十二指腸、胆のう、すい臓などがあり、それらの臓器は痛みが起こりやすい臓器でもあります。また、みぞおちの上側で痛みを感じる場合、食道や心臓が原因の場合も。

みぞおち周辺が急に痛くなった場合、胆石や胆のう炎、急性すい炎などの可能性があります。また、虫垂炎(盲腸)でみぞおち辺りに痛みが出る人もいます。便秘によってお腹が張ってみぞおちが痛くなる人もいるようです。

みぞおち辺りの痛み
(c)Shutterstock.com

痛みが数日続き、だんだんと強くなっている場合は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃炎などのことがあります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍は痛みがないまま進行し、ある日突然痛みや吐血、下血が起こることもあります。

みぞおち上部の痛みの場合は、胸部の痛みをみぞおちの痛みと感じている可能性があります。胸部の痛み、心臓が締めつけられるような痛みは、狭心症などの心臓の病気が原因のこともありますが、逆流性食道炎のような消化器の疾患の場合もあります。一般の人が痛みの原因を特定することはとても難しいので、必ず受診して医師による検査を受けましょう。

【胃痛】繰り返し襲われる場合はピロリ菌が原因のことも

原因不明の胃痛や胃もたれといった胃の不快感を繰り返しているという人は、ピロリ菌に感染しているかもしれません。

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)とは、胃の粘膜にすみつく細菌です。子どもの頃に感染することが多いと言われていますが、感染経路は分かっていません。

ピロリ菌は、一度感染してしまうと、除菌するまで胃の中にすみ続けます。

胃粘膜にピロリ菌が感染すると炎症が起こり、慢性胃炎を引き起こします。慢性的に炎症が続くと胃粘膜の防御機能が落ち、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの疾患にかかりやすくなるだけでなく、胃がんのリスクが高まるとも言われています。

ピロリ菌の検査には、尿素呼気試験法、血液や尿を採取して行う抗体測定、内視鏡を使って胃の組織を採取する検査などがあります。会社の健康診断にオプション検査として付けられることもありますので、胃の調子が気になっている人は一度受けてみては。

検査の結果、ピロリ菌に感染していた場合

除菌治療を行います。

具体的には、抗生物質と胃酸を抑える薬を1週間服用します。8割の人は除菌に成功すると言われています。1週間の服薬で除菌できない場合は、二次除菌へと進みます。

ピロリ菌の除菌に成功したからといって、胃の疾患にかからないというわけではありませんので、定期的に検査を受けましょう。

【胃痛】定期的に胃部レントゲンなどの検査を受けて

よく胃痛が起こる人はもちろん、そうではない人も定期的に検診を受けることをおすすめします。胃部レントゲン(バリウム)検査や腹部超音波検査(エコー)、胃部内視鏡検査(胃カメラ)、胃ABC検査(血液検査)を、会社の健康診断にオプションで付けられる人もいるでしょう。

バリウム検査では、バリウムを飲んでレントゲンを撮ることにより、胃の全体像を見たり、胃の内側に膨らんだ部分(ポリープ)やくぼんだ部分(潰瘍)がないかを調べます。

胃カメラは、口や鼻から内視鏡を入れ、食道や胃、十二指腸の状態を直接確認する検査です。炎症など病変している部分があった場合、組織を採取して病理診断を行うことも可能です。

胃ABC検査は、採取した血液から胃がんのリスクを調べる検査です。具体的には、血液検査でピロリ菌感染の有無と、胃粘膜の萎縮の程度を現すペプシノーゲンの濃度を測定します。

あくまでも胃がんになりやすいかどうかのリスクを調べる検査ですので、すでに胃の不調がある人は、病院で診察を受けて、バリウムや胃カメラの検査を受けましょう。

初出:しごとなでしこ

教えて下さったのは…板橋聖子先生

東京女子医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院にて外科医として勤務。出産子育てを経て、現在は東京女子医科大学予防学科兼女性科(非常勤講師)と、「優ウィメンズクリニック」勤務。病気だけでなく、女性特有の悩みや子育て、仕事のことなど、その人のバックグラウンドを考えあわせた診療を行っている。優ウィメンズクリニックは、スタッフは全員女性、おしゃれなインテリアと最新設備が整った女性専用クリニック。なでしこ世代の患者さんも数多く来院しています。


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