佐野恵美子さんってどんな人?
今回ご紹介するのは、ショコラティエール・佐野恵美子さん。
佐野さんの実家は、福岡の博多で祖父の代から続く老舗の洋菓子店【チョコレートショップ】を営んでいます。
25歳までお菓子作りの経験がない佐野さんが父親へ「お店を継ぎたい」と話すと、「職人をなめるな!」とパティシエールになることを反対されました。しかし、「フランスで修行するなら…」と条件を出され、半ばケンカ状態で単身フランスへ。
フランスで一から修業を続け、2015年にチョコレートの世界大会「サロン・デュ・ショコラ」で金賞を受賞!
そして、2017年にはフランス・パリ旧市街のスイーツ激戦区マレで日本人初のチョコレート専門店「レ・トロワ・ショコラ」をオープン。
味噌や抹茶、きな粉などを使った繊細な味のチョコレートが、舌の肥えたパリ市民から「チョコレートの香りが軽やかで繊細」「接客も含めてすべてが飛び抜けている」と大人気です!
佐野恵美子さんの「7つのルール」
さて、そんな佐野さんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…
1. 天気に合わせてチョコレートを作る
チョコレート作りにおいて何より大切にしていること、それは、天候に合わせてチョコレートを作ること。チョコレートは、湿度や温度によって状態が変わるため、あまりにも雨が続いて湿度が高い日には仕上げをしないことも。
2.パリに敬意を払う
お店のあるサンポール通りは、様々なアンティークショップが立ち並ぶアンティーク街。佐野さんは、歴史ある街並みによく溶け込むことを意識して、築400年の建物の内・外装をそのまま生かしているのだそう。石壁やモザイク柄の床がとてもかわいいです!
3. 仕事のときはお団子ヘア
仕事のときはトレードマークのお団子ヘアに! 異国の地で、シェフとしての自分の顔を覚えてもらうための工夫なのだそう。
4.ふるさとを大事にする
チョコレート作りのなかで、佐野さんのふるさとの福岡原産の材料を使うことも。福岡で育てられた感謝の気持ちをパリの街から世界に発信しいていきたいという。
5.イヤなことは30分で忘れる
スイーツ激戦区のなかで他店のレベルの高さに落ち込むことも。しかし、佐野さんは常に笑顔。イヤなことがあっても30分で忘れるように心がけている。これも、フランス人の人柄に影響を受けたのだとか。
6. なるべく1人にならない
25歳で修行のためにフランスへ行くことになったとき、父から「そこで出会った人たちは将来財産になるものだから、人とのつながりは大事にしなさい」と言われたのだそう。その言葉を胸に刻み、できり限り人と一緒にいるようにしているという。
7.父・祖父に負けない
佐野さんの店の名前「Les Trois Chocolats」は、フランス語で「3つのチョコレート」。祖父、父、自分の3つのチョコレートという意味を込めて名付けた。父からはまだ3代目として認めてもらっていない部分があると思うから、お菓子のデコレーションや内装などにも「3」という数字を使い、3代目として頑張っていることをアピールしているのだという。
「父や祖父のチョコレートには負けない。私にしか作れないチョコレートがある」という、佐野さんの力強い言葉が印象的。並々ならぬ努力のうえに成り立つ確固たる自信が垣間見えた気がします!
文/かわはらりな
次回の「7ルール」の放送は、2月20日(火)よる11時~11時30分です。主人公は、東京・北参道で平日昼間4時間しかお店を開かない、人気のハンバーガーショップのオーナー・坪井真理子さん。
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初出:しごとなでしこ
ショコラティエール 佐野恵美子
1983年生まれ 福岡県出身 34歳。2017年にフランス・パリ旧市街のスイーツ激戦区マレで日本人初のチョコレート専門店をオープンした。実家は福岡県の博多で祖父の代から続く老舗の洋菓子店「チョコレートショップ」。大学卒業後は一般企業で働いたが、25歳の時に単身渡仏。パティシエ経験もないまま一から製菓技術を学ぶ。その後もフランスで修業を続け、2015年にチョコレートの世界大会で金賞を受賞。日本人の繊細さが生み出す味は、舌の肥えたパリジェンヌも魅了する。