平野紗季子さんってどんな人?
今回ご紹介するのは、フードエッセイスト・平野紗季子さん。
“生まれながらのごはん狂”を自称する平野さんが「食」の虜になったのは、幼い頃。
福岡県から東京へ引っ越し、それまでは「ファミレスが一番のレストラン」だと思っていた考えが一変、「ファミレス級のレストランがたくさんある」と驚き嬉しくなって、家族そろって様々なレストランを食べ歩くようになったという。
そして、食べ歩きを通して感じたことを「食日記」としてつけ始めたのだそう。
その「食日記」は大人になっても続けられ、大学時代に始めたブログがある雑誌編集者の目に留まり、執筆の仕事を始めることに。
平野さんの書くエッセイは、「とにかく言葉選びが面白い」と編集者たちの評判を呼び、現在では、会社員として働く傍ら、雑誌・WEBなどで5本の連載を抱える売れっ子フードエッセイストとして活躍している。
平野紗季子さんの「7つのルール」
さて、そんな平野さんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…
1.毎日食日記をつける
10歳の時から始めた食日記は、いまでも毎日欠かさずつけているのだそう。「食」を通して感じたことを記憶の引き出しの中に入れ、あとから見返すことで幸せを再生させたいという。
2.食事した店では何かしら持ち帰る
食事したお店では、箸袋やショップカードなど、お店の物を持ち帰るようにしているそう。そこにお店のDNAが刻み込まれているから面白いのだとか。ここまではしている人もいると思いますが、驚きなのは、なんと、食べた動物の骨までコレクションをしているということ。食への偏愛ぶりがうかがえます。
3.ごはんは1人で食べる
会食や飲み会など、目的が「話すこと」と「食べること」の2つあるような状況では、食べ物の味がしないのだそう。「夜寝る直前までいろいろなコミュニティーと接続されているから、食べるときくらいは1人で静かに食べたい」という考えは、共感する女性も多そうですね。
4.ショートケーキは背中から食べる
ショートケーキを食べるときも平野さんなりのこだわりが。それは、背中(いちごが乗っている側)から食べること。「食べ物は、最初の一口目が一番美味しくて満腹になるにつれて味覚的な感受性が鈍くなる。そのため、一番濃厚な部分を一番最初に食べたほうが美味しく感じる」という。
5.着痩せする服しか着ない
1日5食以上食べることもあるという平野さん。コンプレックスに感じている体の部分をカバーするため、着痩せする服を着るのがお決まりなのだそう。
6. 自炊する前にレシピを書き直す
食の仕事をしているにもかかわらず、意外にも料理は苦手なのだとか。そんな平野さんの料理を失敗しないための秘訣は、レシピを紙に書き直すこと。いざレシピを確認すると、時系列などがわかりづらいことがあるので、自分で書き直すことで整理ができる。
7.美味しくなくてもいい
映画を観る感覚で、「食」を通してそのお店の物語に没入するのが好きなのだそう。美味しいことだけが価値があるわけではなく、“まずい”ということがむしろ味になっていることもあるという。食の美味しさ以外の面白さのようなものを伝えていきたいのだそう。
「食」に対して、唯一無二の独自の視点で綴られた平野さんのエッセイ。「食」への並々ならぬ思い入れのうえに成り立っているのだと感じました。それにしても、骨までコレクションをされるという徹底ぶりには感服してしまいます!
文/かわはらりな
次回の「7ルール」の放送は、2月13日(火)よる11時~11時30分です。主人公は、パリで大人気のショコラティエール・佐野恵美子さん。
しごとなでしこでは、様々な分野で輝いている女性たちに密着! 番組を振り返り、仕事をする女性たちへのヒントを見つけていきます! ぜひチェックしてみてくださいね♡
初出:しごとなでしこ
フードエッセイスト 平野紗季子
1991年生まれ 福岡県出身 27歳。小学生から食日記をつけ続ける生粋のごはん狂。慶應義塾大学在学中に、日常の食にまつわる発見と感動を綴ったブログが編集者の目に留まり、雑誌・WEBマガジンで執筆を始める。現在、一般企業に勤めながら「an・an」「Hanako」「SPRiNG」など5誌で連載を抱え、「食」を軸にした活動を行う。著書に「生まれた時からアルデンテ」。