善玉菌を増やして、腸の菌を育てる方法
便秘や便通、軟便などの身体の悩みと大きく関わりがある「腸内環境」。腸の中には、およそ100種類、100兆個もの細菌が暮らしていて、腸内環境を改善したいときには、腸のなかの「悪玉菌」の割合を抑えて「善玉菌」を増やす必要があります。
「乳酸菌」などの善玉菌を直接摂取するというのはその一つの手段ですが…実は善玉菌を増やすためにはそれだけでは十分ではないんです!
いつも乳酸菌を摂取するべく食べていたヨーグルトなどの乳製品、一体どう食べるのが効果的なのかというと…
腸内環境を整えるために乳酸菌などの善玉菌を摂取するとともに、善玉菌のエサとなる「水溶性食物繊維」を摂取することで、自身のもつ善玉菌を増やすことができます!
水溶性食物繊維などの腸内の善玉菌の働きを助ける成分のことを「プレバイオティクス」と呼びます。
私たちの体は、日々摂取した食べ物(栄養)に影響を受けていますが…それは腸内で暮らす善玉菌たちも同じ。
適切な栄養がないと効率的に働くことはできないので、善玉菌の増殖や活性化を促す成分、つまり善玉菌のエサとなる「プレバイオティクス」を積極的に取り入れる必要があるというわけなのです!
プレバイオティクスには、オリゴ糖やごぼうなどに含まれる豊富な「水溶性食物繊維」などが挙げられます。とくに水溶性食物繊維は、腸内環境を整えるのに重要な役割を果たしていることが分かっています。
その水溶性食物繊維のなかでも、近年注目を集めている「グアーガム」は、インド・パキスタン地方で栽培されているグアー豆を生成してできるもの。水溶性食物繊維の中でも、特に高い「便通改善効果」が期待できる成分として注目されています!
▲グアーガムはそのままでは粘性が高すぎるので、食品などには酵素処理によって粘度を下げた「グアーガム分解物」という形で利用されています。
「グアーガム分解物」は、腸内環境を善玉菌が増えやすい環境にするという「縁の下の力持ち」的な役割。
グアーガム分解物を摂取すると、腸内細菌によって発酵分解されて、その際に酪酸や酢酸などの短鎖脂肪酸がつくられます。短鎖脂肪酸は、大腸の細胞のエネルギー源となったり、大腸の「ぜん動運動」を促したりします。
さらに、短鎖脂肪酸がつくられることで大腸内が酸性の状態に傾くため、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌は生きたまま、酸性に弱い悪玉菌だけが減少し、結果として腸内環境が整い、効果的に善玉菌の増殖が促されます!
グアーガムは、実は私たちが普段口にするアイスクリームやドレッシングなどにも増粘剤として使われている身近な存在。
最近の「腸内環境」を整えようというブームがあることから、便秘改善用のサプリメントや「ネスレ BOOST」シリーズのワンショットタイプの飲料などにも使われています。
免疫力や生活習慣病などに影響を及ぼすといわれている腸内環境。食生活を見直すと同時に、「プレバイオティクス」の栄養素を摂取して、日々腸内環境を整えることを意識してみてくださいね。
情報提供元/AGELESS LIFE推進情報室
初出:しごとなでしこ