一人でも気軽に参加出来る異業種交流会やランチ会、ビジネスセミナーなどが増えてきましたよね。色んな人が集まる場で「何を話すか」も大切ですが、意外と見られているのが立居振る舞い。
「座り方」ひとつで印象アップ、信頼アップが出来ますよ! チェックしてみましょう。
椅子の座り方基本マナー
<椅子に座るタイミング>
一般的には、「どうぞ」と勧められてから椅子に座るのがマナーです。勝手に座って、背もたれにもたれ、ブスーッとしていると印象が悪いです。
交流会やビジネスセミナーの場合は自由に席が選べることが多いので、主催者やまわりの参加者に笑顔で挨拶をしてから椅子に座るだけでも印象アップになります。隣に座る場合は、「お隣よろしいですか?」というひと言があれば、コミュニケーションのキッカケにもなります。
<椅子の着席は左側から出入りが基本>
椅子の左側から座り、左側に立つのが基本マナーです。これは西洋のテーブルマナーの考えからきています。
昔、西洋では自分の身を守るため、サーベルト(日本で言うなら刀のようなもの)を左側に身に付けていました。椅子に座るときに、右側から入るとサーベルトが邪魔になるため、椅子の着席は左側から出入りするようになったと言われています。これを覚えておくと、同時に立ったり座ったりするシーンでもお互いにぶつからなくて済みます。
席を立つときは椅子を入れる
「えっ! そんなところ見られているの?」と思われるかもしれませんね。はい、確実に見られています。
例えば、名刺交換のために席を立ち、そのまま椅子を出しっぱなしで移動。これは見た目が美しくありませんよね。通行の邪魔になる可能性もありますし、全体を見たときに乱れているところにはパッと目が行きやすくなります。せっかくならいい印象で目立ちたいですよね!
会場を後にするときにも椅子を入れてから帰る。誰も見ていないかもしれません。でも、たったこれだけのことでも、普段から丁寧で小さなことにも気を配れる人という印象や、終始一貫していて信頼出来るという印象を持たれるでしょう。
話を聞く態度は座り姿勢に表れる
座って話を聞くときに気をつけたいのが座り姿勢。
足や手を組んでいたり、背もたれにドカッともたれていたりすると、どんなに真剣に聞いていたとしても、話し手からはそうは見えませんよね。猫背でうつむいてばかりいたり、何か違うものを見ていたり、スマホをいじっているのは論外ですよ! 話す気がなくなります。
自分が話すときは、ちゃんと聞いてもらいたいと思っているはずです。美しい姿勢で、笑顔で頷きながら聞いてくれると、嬉しくてもっと話したくなります。逆に、美しい姿勢でも、ずっと真顔で話を聞かれると「つまらないのかな?」と不安な気持ちにも。
いい交流会、いいセミナーになるかどうかは、実は参加している方々の座り方や話の聞き方も大きく関係しています。これは交流会やセミナーに限ったことではありません。
普段の会話であっても相手が話しやすいような雰囲気を作ることで、より興味深いお話を引き出すことが出来ます。気持ちよく話をしたら、今度は相手の話も気持ちよく聞いてくれるようになります。
「座り方マナー」は単なる見た目の美しさだけではありません。見た目の美しさは相手を大切にする心として伝わります。日常から意識していきましょう。
初出:しごとなでしこ
古岡めぐみ 現役ホテルマン・マナー講師
沖縄「カヌチャベイリゾート」や、大阪「大阪マルビル大阪第一ホテル」など、名だたるホテルでの勤務経験をもつ現役ホテルマン。お客様からの多くの支持を集め、また後輩育成にも力を注いできたことを認められ、過去に社内表彰されること多数。
現在は富山県内のホテルフロントスタッフとして勤務しながら、これまでの自身の経験をもとに接客マナーやホスピタリティなどのセミナー講師としても活動している。