上司が「この計画は、煮詰まってきたなぁ……」と呟いたら、あなたはどんなふうに返事をしますか?
「そうですねぇ……」などと、曖昧な相槌を打って、その会話を終わらせたい女子もいるかも?
では、上司はこの計画の進行を、どんなふうに捉えていると理解しますか?
実はこの「煮詰まる」ということば、本来の意味と正反対の意味で理解している人がまだまだ多かったのです!
日本語の「いま」を見つめる国語辞典『大辞泉』が発信しているクイズで、ことばセンス&知識に関して自己点検してみましょう。「間違いやすい表現」をマスターして言葉・表現に自信をもてるビジネスウーマンに♪
【問題】
「計画が煮詰まる」あなたは、どちらの意味で使いますか?
1.結論が出せない状態になる
2.結論の出る状態になる
正解は?
2.結論の出る状態になる
「煮詰まる」は、煮えて水分がなくなる状態を指す言葉なので、結論が出る状態に近づいたことを指します。
冒頭の上司は、「そろそろ、この計画の結論が出るな」と言いたかったというわけ。間違えて認識していると「手詰まりになった!?」と、真逆の意味で誤解してることに!
文化庁の平成25年度「国語に関する世論調査」では「結論の出る状態になること」で使う人が51.8%、「結論が出せない状態になること」で使う人が40.0%という結果も。
【ことばの総泉挙/デジタル大辞泉】では60%の人が正解していますが、39%つまり約4割もの人が、本来の意味とは異なる意味で認識してしまっています(2017年11月6日現在)。
に‐つま・る【煮詰(ま)る】
(1)煮えて水分がなくなる。
(2)討議・検討が十分になされて、結論が出る段階に近づく。
[補説](中略)2の意は1900年代後半に始まるようである。「行き詰まる」の意は1950年ころの使用例があるが、広まったのは2000年ころからか。
(ことばの総泉挙/デジタル大辞泉より)
【もっとことばの達人になりたいときは!】
▶︎ことばの総泉挙/デジタル大辞泉
初出:しごとなでしこ