GUCCIが「ファーフリー・ポリシー」を宣言!
10月11日にセンセーショナルなニュースが飛び込んできました。
GUCCIのマルコ・ビッザーリCEOが、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションでの講演の中で、リアルファーの使用を全面廃止する「ファーフリー・ポリシー」を宣言したそうです。
それは、養殖か野生で捕獲されたものかにかかわらず、ミンク、コヨーテ、タヌキ、キツネ(フォックス)、ウサギ(ラビット)、カラクール(アストラカン、ペルシャンラム、スワカラ)など、全てのリアルファーの使用を、先日発表したばかりの2018年春夏コレクションから廃止するというもの。
有名ファッションブランドとしては、ステラ マッカートニー、ジョルジオ アルマーニ、ヒューゴ ボスに続く動きですが、ブランド規模的にその影響力はとても大きいと思います。
ファッションブランドが「ラグジュアリー」の価値を、エシカルに重きを置いたということ。
希少性の高い動物の毛皮を纏うのでなく、「環境や動物に優しい、美しいコレクションを纏うことがラグジュアリー」な時代の現れですね。
都会に住むラグジュアリーブランドで買い物をする人にとって、リアルファーでなければならない理由はないはず。
このファーフリーの動きはファッションに限らず、今後ますます広がっていくと思います。とは言え、女性は(私も)フワフワ柔らかくて温かな物体は大好き! そしてこの秋冬、ファーアイテムは大きな流行になりつつあります。
これからはエコファーの時代
そこで注目を集めているのがメイドインジャパンの高級エコファー(フェイクファー)です。
実は以前の日本にも多くのフェイクファー製造メーカーが、あったそうです。それがアジア産の安いリアルファーが大量に日本に流入した時期に淘汰されたそう。
その時代に技術力を磨き、高性能化に成功した会社が和歌山の素材メーカー岡田織物です。
今では海外ラグジュアリーブランドでも使われるなど、肌触りの良い、美しい艶のあるエコファーとして、ファッション業界では有名な会社です。
この冬エコファーのコートやグッズを選ぶときは、ぜひこのファーの性能や品質をチェックしてください。
リアルファーが持つ長所と性能を併せ持った日本のエコファーなら、「フェイクファーは安物」と言ったイメージにはなりません!!
よりリッチでエレガントなラグジュアリーの価値。それがメイドインジャパンの高級エコファーなんです。
私がブランディングに参加しているバッグブランド「FUMIKODA」でも、2017年秋冬コレクションで、この岡田織物の特別にこだわったエコファーを「スマートファー」シリーズと名付けて起用しました。
この定番のトートバッグ「GINAⅡ」のボディの片面や、シグネチャーバッグの「ARIANNA」はフラップ等にエコファーを施しています。
このファーは岡田織物と三菱レイヨンが共同で開発した、日本のテクノロジーが詰まった素材。
リリースだと発熱保温機能とかコロナ放電とか、抗ピルアクリルとか??な言葉が並んでいます。
簡単に説明すると…
✔繊維の芯に特殊なセラミックを入れることで、太陽の光に当たるとふんわり温まる
✔その熱により冬場の静電気を抑制する
✔その熱により風合いが劣化しにくく抜けにくい
という特徴があります。
身に着けるものを選ぶということで、自分自身の好みやスタイルはもちろん、その嗜好や考えも現れるのがファッションです。
手のひらのスマホで瞬時に世界に繋がる現代には、その時代にふさわしいスマートな装いを意識してみませんか。
初出:しごとなでしこ
大島文子 BLOOM&GROW INC 代表取締役/ブランディングコーチ
資生堂ザ・ギンザ、三陽商会、パルグループ等にて日本発ブランド及びセレクトショップのブランディングや広告宣伝等マーケティング全般を担当。ファッション分野にとどまらずライフスタイル雑貨・ショップ等もプロデュース。大人女子に素敵な時間を提供するブランド育成のための、ブランディング&プロモーションコンサルティング会社(株)ブルーム&グローを設立。インスタグラムも更新中