「団体予約の直前キャンセルがあり、困っています」
FacebookやTwitterでは、飲食店店主の胸が痛む投稿があり、ネットニュースに取り上げられることが増えてきました。直前予約キャンセルや無断キャンセルは、お店側にとって大きな損害となります。同窓会や久しぶりの仲間との宴会などが増えるこれからの時期に、飲食店の予約キャンセルや遅刻に対するマナーについて振り返ってみましょう。
予約をしてくれる幹事へのマナー
予約を取りまとめる幹事の仕事は、ただお店に予約をするだけではありません。出欠確認や個別フォロー、お店への電話や調整など色んな対応や管理が必要です。そこで忘れてはいけないのが、参加者から幹事への感謝の気持ち。
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参加不参加に関わらず、まず早めの返事をしましょう。そして結婚式の招待状の返信と同じように、一言添えるといいですね。例えば「楽しみだね!」や「企画ありがとう!」という一言があるだけで幹事は嬉しい気持ちになるでしょう。また、不参加の際も、「また次の機会を楽しみにしているね!」や「誘ってくれて嬉しかったよ!」等、幹事の気持ちを汲んだ一言があると断られても嫌な気持ちになりません。
キャンセルや遅刻が分かったらすぐすべきこと
キャンセル料が発生する、発生しないに関わらず、キャンセルが分かった時点ですぐに連絡を入れましょう。店側は席の確保だけでなく、食材発注やスタッフの確保もしています。直前キャンセルや連絡のないキャンセルだとたくさんの無駄が出てしまいますし、キャンセルで穴が空いた分は、他のお客様に利用してもらえるように準備しないといけません。
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また、遅れる際も早めに連絡を入れるのがベター。友人との約束で、時間になってもこないと不安になりますよね。「いつまで待てばいいんだろう?」「忘れてないかな?」「事故に巻き込まれてないかな?」など色々考えてしまいますね。
これはお店側にとっても同じです。お客様の来店を楽しみに待っています。予約の際は時間通りに行く事、キャンセルや遅刻の場合は、必ず早めに連絡することを覚えておいてください。
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予約キャンセルの連絡・電話マナー
理由があって予約をキャンセルしたり変更したりすることはあります。その際、皆さんはどんな風に電話をしているでしょうか。ホテルで働く私の経験を例にお話しますね。
ホテルには個人のお客様だけでなく、企業担当者、旅行代理店など様々なお客様から予約変更、キャンセルの電話がかかってきます。電話を受ける側として好感が持てるのは、事務的な連絡よりも申し訳ない気持ちが伝わる電話。
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企業担当者や旅行代理店からの予約は、宿泊する本人ではありません。代理で電話をしていても、本人に代わって謝罪の気持ち+次に繋がる一言があると、企業の好感度が上がりますし、次回予約時に状況や要望が厳しいときでも、何とかしてあげたいなという気持ちになります。
予約では、相手も自分のために時間と場所を確保してくれていることを忘れずに。飲食店に限らず、美容院や歯医者、友人との約束でも同じです。「少しぐらい遅れてもいいだろう」「一人くらいキャンセルしたっていいだろう」という考えではなく、お互いに気持ちよく時間、場所を使うことを考えていきましょう。
初出:しごとなでしこ
古岡めぐみ 現役ホテルマン・マナー講師
沖縄「カヌチャベイリゾート」や、大阪「大阪マルビル大阪第一ホテル」など、名だたるホテルでの勤務経験をもつ現役ホテルマン。お客様からの多くの支持を集め、また後輩育成にも力を注いできたことを認められ、過去に社内表彰されること多数。
現在は富山県内のホテルフロントスタッフとして勤務しながら、これまでの自身の経験をもとに接客マナーやホスピタリティなどのセミナー講師としても活動している。