もう、1年半くらい前になるかしら?
私の友達のマツノブ君がキラキラ目を輝かして、私に言ってきた。
ちょっと補足を入れておくと、彼はふたりの子供がいて、奥様を愛するグッドダディで、部下からも愛されるバリバリの営業で、おまけに自分の生き方にも意識高い。加えて、自宅のインテリアなども厳選されて、気持ちよい『居場所』を作っている。(家の中を見たわけじゃないけど、なんとなくわかる)
そんな彼が言ってきた。
『クロシマさん! 僕はコインランドリー作ろうと思ってます!』
それを聞いて、「正直何を言い出したんだ!」と、思った。でも一笑に付した訳ではない。
さすがの私も、コインランドリーが新しいコミュニケーションの場になり始めている!という、アメリカ ポートランドあたりでのムーブメントについては知っていたし、じっくりとこの件については考察したかったのだ。
ちなみに、「コインランドリーをビジネスにするなら」と考えてみたのだが…
今の日本人は、一人暮らしの大学生でも洗濯機は持っている時代
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となると、コインランドリーを利用する人はかなり限られている。お金になりそうなエリアって、強いて言うなら学生街とか?
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でも、女子のひとりでのコインランドリーを使うって、なかなか勇気いるよね(セキュリティとか変なナンパとか、待ち時間の間合いとか…)
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まあ、外人の長期の民泊なら使い手いるから、想定顧客としては、その辺もありだな?
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いずれにしてもでも、日本ではまだまだ早いんでは?(だってお店の経営って大変だもの)
と、色々考えてみたものの、すごい勢いで浸透するビジネスには思えなかった。
しかし、時間は経過しても、彼は信念を曲げなかった。
そして、1ヶ月前にインビテーションが届いた。
「7月1日に、すてきなウォッシュサロンをオープンします!」
その名も、「Fredy Leck sein Waschsalon Tokyo」(フレディ レック・ウォッシュサロン トーキョー)。
場所は、目黒駅・学芸大学駅から歩いた目黒通り沿いの住宅エリア(お隣はあのホテルクラスカ)にある。
お呼ばれしてみると、そこは別世界!
広い、素敵!
今までのコインランドリーなんてものとは全くちがう!
店内には、ヘビーデューティな洗濯機が所狭しと美しく並ぶ。さらに、ウッドのテーブルにちょっとアンティークでインダストリアルなシャンデリアのライティングのミックスマッチ!
洗濯物を突っ込んで、出来上がるまでベンチで漫画を読む、そんな前世代型のコインランドリーとは別世界なのだ。
よく見ると…壁紙もオリジナルのフレディ レック柄!
女子の気持ちをすぐにグッと掴んだこのウォッシュサロン。実はドイツに仕掛け人がいたんだね。
フレディ レックさんもトーキョー店のオープンに駆けつけてました。
子供にも優しい、お茶目な人柄。こんな人が優しい気持ちで作ったウォッシュサロン。
売り場の片隅には、お家でも使える、「洗濯便利グッズ」がたくさん並ぶ。思わずトートバッグを買ってしまいました。
【消費家的オススメ! ウォッシュサロンの使い方指南】
女子的使い方_その1
何も持たずにぶらりと訪れる
まずは何も持たずにとにかくカフェへ。
美味しいコーヒーを窓辺に座って外を見たり、みんながランドリーを使っているのを見ているだけで楽しいひとときが過ごせそう。
▲近所の男の子が自分のドリンクをオーダーしていたのもかわいかった…。
女子的使い方_その2
洗いからたたみまで、まるごとおまかせ
ここのサロンは実はスタッフが常駐しています。
そして洗い代行もしてくれるのです。専用のトート(写真下)に洗濯物を詰めるだけ詰めて、あとはスタッフにおまかせ。洗いとたたみまでお願いできちゃう。アレルギーや地球環境を考えるとドライクリーニングってちょっと…と思っている人は少なからず多い。そんな人にこのサービスは本当にありがたい。
女子的使い方_その3
お気に入りのスニーカーを洗いに行く!
スニーカー専用の洗濯機とドライヤーもあります。
汚れちゃったり濡れちゃったりしたスニーカー。一番洗うのが億劫なアイテム。こんな洗濯機があるこのサロン、これだけのために来るのも、ありです。
女子的使い方_その4
毎日使っている布団を洗いに行く!
そこの男子のあなた、気になってるあの子が羽毛布団を洗うのを手伝えますか?
…残念ながら、布団洗いなんて彼氏は億劫がってやってくれないのが現実だ。
これは本当に目からうろこ。お布団を水で丸洗いできるなんて! これからのサバイバル時代。自分の身の回りのことはあらかた自分でカタをつける。これが大事な女子的生き方だ。
仕事を抱えた雨の週末。
家だとなんだかんだで落ち着かない。
ランドリーバッグに洗い物を詰め込んで、フレディレックのウォッシュサロンへ。
ガラガラ大きな洗濯機が回る音を聞きながら、コーヒーとクッキー片手にラップトップを広げる。
ちょうどよい2時間。
洗濯物が出来上がった頃には雨も上がり、ちょうどお腹すいたな。
ホテルのカフェでランチでもするか。
…そんな妄想生活が広がるのだった。
仕事をしていて、この頃特にしみじみと思うことがある。
仕事ってのは『事業としてうまくいく、行かない』ってことより、パッションに突き動かされ、『損得は抜きに、まずやってみたい!』と思うことの方がやってて楽しいってことだ。
そして、今の時代、楽しい事やってお金貰えるほうが100倍嬉しい。
そんな楽しい気持ちから出来た、コインランドリー。
これはもう楽しいそして新しいコミュニケーションの場。
洗濯するものなくても、ふらっと立ち寄る気持ちになる事、請け合います。
近くにお住まいの人、ぜひ!
そして、マツノブ君、早く私の家の近くにも作って〜!
最後に。
こんな素敵なメンバーがあなたを「feel-good」な気分にさせるために待ってます!
初出:しごとなでしこ
黒島美紀子 MKシンディケイツ代表
消費家・商業マーケティングコンサルタント
アパレル、セレクトショップ・百貨店を経て独立起業して早や10年余。数々のお買い物の実践と失敗を繰り返し、ファッション、ビューティ、グルメ、ライフスタイルの動向を消費者目線で考察。また、世界各地の商業スペースやブランドをチェック、消費活動を通じたマーケティングを行い、企業と消費者を結ぶ。