牛?犬?熊? 名字につく動物で一番多いのは…
名字には様々な漢字がつきます。植物に由来するものであれば、「松」や「杉」「桑」「竹」「栗」などたくさんありますね。では、動物は!? 実は植物系に比べて、動物に因む名字はあまり多くないんだそう。その理由を森岡さんは「動物は移動する。名字とは家と家を区別するためのものなので、一定の場所にとどまっていないと名字には使いにくいのだ。動物のつく名字は、古代の職制に因む職業由来のものが多い」と言います。
名字に動物がつくものは?
現代においてなじみの深い動物である「犬」がつく名字というのは多くなく、最も多いものでも「犬飼」。こちらは職業由来の名前だそうですが、それ以外「犬塚」「犬山」などはランキングでもせいぜい1万位以内。一方、「猫」のつく名字に関してはランキング1万位以内には入っていないんです。
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では、逆に名字に多い動物はというと、当時の生活になじみが深かった「牛」や「馬」。「牛」は5000位以内に「牛島」「牛田」「牛山」「牛尾」「牛丸」「牛嶋」「牛込」「牛木」と8つがランクインしています。
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「馬」は「相馬」「有馬」「対馬」のほか、「駒」という言葉や、放牧場を指す「牧」も馬に関連する名字だそうです。
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実は、「牛」や「馬」よりも多いのが「熊」!
164位に「熊谷」がランクインしているほか、767位に「大熊」、850位に「熊沢」、956位に「熊倉」などがあります。
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この理由について森岡さんは「今と違って熊は身近な動物だったに違いない。なお「くま」には奥まった場所、あるいは切り立った崖地という意味もあり、そうした場所に因む地形由来のものが多い」と分析。
「名字でわかる あなたのルーツ:佐藤、鈴木、高橋、田中、渡辺のヒミツ」には、名字のルーツに事細かく記されています。自分の先祖はどこでどんな暮らしをしていたのか? 今一度調べてみるのも面白いのではないでしょうか。
初出:しごとなでしこ
「名字でわかる あなたのルーツ:佐藤、鈴木、高橋、田中、渡辺のヒミツ」森岡 浩著
NHK総合テレビ「人名探求バラエティー 日本人のおなまえっ!」(毎週木曜19:30〜/再放送 毎週火曜0:10〜 ※月曜深夜)に出演する姓名研究家・森岡 浩氏が2500を超える名字を詳細に解説した一冊。本書では、「由来」「先祖」「分布」から2500超の名字のルーツを探る。
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