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2017.05.04

【医師監修】健康診断を受ける前に知っておくべき6つのポイント|杏奈先生のなでしこ健康相談室

こんにちは、産業医の加藤杏奈です。しごとなでしこの皆さんが、健やかに&しなやかに働けるよう健康相談室を開設しています。前回は頭痛について3回に渡ってお届けしましたが、参考になりましたか?

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さて、今回のテーマはずばり、「健康診断」です。健康診断受けてますか? 会社員の方は年に1度は受けていると思います。非正規雇用の方、フリーランスの方…所属している組織に健康診断の制度がなくても、受けてくださいね。そして、受けている方も、「あぁよかった。体重も変わってないし、二次検査もなし。」で終わらないように。今回は、健診を受けるときのポイントや、結果の見方・活用方法についてお届けします。

会社で受ける健康診断は事業者の義務。病気の予防と早期発見のためにも必ず受けてください。

毎年会社で行う定期健康診断は、社員が受けられる福利厚生の一つだと思っている方もいるかもしれません。健康診断を行うことは労働安全衛生法に定められた事業者の義務です。その目的は、社員の健康状況を把握した上で、今の仕事に従事させ続けていいかを判断することです。

一方で、社員の私たちが健康診断を受ける目的は2つ。

1)今の生活習慣を見直して、病気を予防する(一次予防)
自分の健康を守るために、病気につながる危険因子(偏食、やせすぎ、飲み過ぎ、運動不足、睡眠不足etc.)があれば改善しましょう。健診結果に「要経過観察」と記載されている項目は注意です。「経過観察」の意味は、「今すぐ治療の必要はないけれど、このままだと近い将来には治療が必要になるので、生活習慣を改善できるところがあれば取り組みましょう」ということ。

2)病気を早期発見して、早期治療につなげる(二次予防)
多くの病気は、早期には症状がなく、出たときにはすでに進行していることが少なくありません。無症状の時期に病気を発見するためには、定期的にチェックしておくことが重要。早期発見することで、早期治療ができ、体への負担や費用が少なくすみます。ここまで手厚い健診が会社負担で受けられるのは世界的に珍しいんです。日本が長寿国であるのは、働いている間の定期的な健診のおかげもあるかもしれません。

健康診断はスクリーニングの意味が強く、人間ドックは疾患の特定もできます

健康診断は労働安全衛生規則で最低限の検査項目が定められており、いわばスクリーニング(ふるいわけ)検査の意味合いが強く、病気を特定するものではありません。あくまで「疑い」なので、二次検査を受けて確定診断する必要があります。もちろん健診でも生活習慣病の予防と、日本の3(または5)大がん(大腸がん、胃がん、肺がん+乳がん、子宮がん)の早期発見に役立ちます。一方、人間ドックは目的に合わせてプランを選択でき、さらに多くの疾患を特定することができます。具体的には、腫瘍マーカーや胸腹部CT検査、脳ドックなど。がん家系であったり、脳・心臓疾患の発症リスクが高い人などにとっては有益なオプション検査でしょう。
健康診断は会社が加入する健保組合での受診なら無料であることも多いのに対し、人間ドックは健康保険の対象外になる場合が多く、数万円程度の自己負担があります。ご自身の年齢や健康状態を考慮して、健康診断か、より専門的な人間ドックを受けるか判断してください。

健康診断を受ける前に知っておくべきポイントは6つ

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私が勤務している会社で、社員さんからよく聞かれる質問をまとめました。

Q.色々なお医者さんにみてもらったほうがいいですか?
A.健康診断は、同じ機関で受診したほうがよいと思います。病気の早期発見のためには、日頃の健康状態や生活習慣を把握しておく必要があります。同じ健診機関で受けることのメリットは、過去の記録と比較できることです。特に画像検査で役立ちます。前回の記録があれば、その部分を詳しく見てもらえますし、大きさや形など変化がないか比較してくれます。新しい所で受ける場合は、前回の結果を持っていくといいでしょう。

Q.健康診断の前になると、慌ててダイエットしています。
A.日頃の健康状態を把握するものなので、健診直前に極端な食事制限やジム通いなどは好ましくありません。いつも通りの生活を心がけましょう。ただし、中性脂肪や血糖値など、直前の飲食物によって変動する項目もあるので、前日はアルコールを控え、脂っこいものや甘いものの食べすぎに気をつけましょう。

Q.受診前の8時間は食べちゃダメって言われたけど、少しなら平気ですよね?
A.基本的には絶食で受診します。水やお茶は飲んでも構いませんが、胃バリウム検査や腹部エコー検査がある方は控えましょう。検査により異なりますので、健診機関の指示に従ってくださいね。

Q.毎日飲んでいる薬があるんですけれど、飲んじゃダメですか?
A.当日の常用薬の内服については、主治医に相談をしてください。血圧や心臓の薬は夕方6時頃までに飲んだ方がいいですが、糖尿病の薬は検査後に飲むのがいいでしょう。主治医に事前に確認してください。

Q.健康診断の日、生理になりそうです。
A.健康診断は、月経終了後、4日目以降の受診がベストです。会社で健診日が決められている場合は、仕方がないですが、生理日は外して受診しましょう。婦人科検診が受けられなかったり、尿検査が正確に判定できないことがあります。

Q.ひょっとしたら妊娠しているかも…
A.妊娠中、または妊娠の疑いがあるときは必ず事前に申告をしてください。ご存知と思いますが、妊娠中やその可能性があるときは、胸部レントゲン検査や胃バリウム検査が受けられません。また、妊娠中は白血球やコレステロール値があがるなど、通常の健康状態とは違う体の変化が様々起こります。二次検査にひっかかってもまずは主治医か産業医に相談してください。

次回は、健康診断結果の見方について詳しく説明します。

初出:しごとなでしこ

加藤杏奈 産業医・労働衛生コンサルタント

産業医科大学医学部医学科卒業。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。専門は産業医学、予防医学、メンタルヘルス。産業衛生専門医。現在、某化粧品メーカーの産業医として勤務している。


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