「出会いがない」と愚痴を言っていた周囲のアラサー女子。しかし最近彼女たちの中にも結婚する人が増えてきました。
同じように出会いや結婚を求めていた女性たちのなかで、35歳前後で結婚が決まった人と独身のまま人との差はどこにあるかが気になり早速10人の女性にヒアリング。
35歳あたりで滑り込み婚する人と、35歳を超えても独身のままの境界線がどこにあるかを探ったところ、“恋愛&婚活系の出会い系アプリをやっているかどうか”というポイントが浮上。
これは、アプリで出会った人と結婚したということではなく、登録するだけでも出会い系アプリをやったことがあるかどうか、ということ。
結婚が決まったAさんの場合(35歳・マスコミ関連会社)
「20代は結構男性関係も派手だったのですが、30を越えてからお声がかからなくなって…30~34歳までの4年間、まったくといっていいほど恋をしていませんでした。さらに周囲のまともな男性は既婚者だらけ。34歳のとき、結婚するためにはなりふり構っていてはダメだと思い、密かに出会い系アプリに登録。意外にいい人がいて、アプリで知り合った何人かとお付き合いしてみたのですが、結局それはうまくいきませんでした。でも婚活アプリを使えばいつでも出会えるんだなぁと気持ちに余裕ができたし、その時期に再会した大学の同級生と結婚することに。結局アプリに頼るなんて恥ずかしいとか、20代のときのモテていた自分への執着を捨てることが肝心だと感じました」
スピード婚したBさんの場合(34歳・看護師)
「私は10年以上恋愛らしい恋愛をしていなくて、容姿コンプレックスも激しいくせにプライドが高くて…。自分でもバナナマンの日村に似ているってわかっているんです。仕事は看護師なのですが職場も女性ばかりでこのままでは本当にヤバいと思い、出会い系アプリに登録。ハッキリ言って、こんなブサイクな私でも、アプリでは鬼のようにアプローチが来ます。驚いたと同時に女としての自信につながりました。アプリで出会った何人かとも恋愛して、結局は身近な同僚と付き合うことになり2ヶ月でスピード婚することに。ブスでも恋愛もできるし、結婚もできる。アプリ登録は誰に相談する必要もないし、焦っている女性はとりあえずやってみればいいと思う」
他にもいろんなエピソードがあったのですが全員に共通している点は「出会い系アプリで、ムダなプライドが捨てられた」ということ。
今の日本の恋愛観は「同僚や同級生、共通の趣味のサークルなどでリアルに出会って恋愛し、男性から女性が選ばれることが素晴しい」とされています。しかしそこには「似た者同士は恋愛しにくい」という矛盾もはらんでいます。
またそのサークルの中で、女性は自分の価値を高めるために、格下の男から言い寄られたらそれを拒絶するという行動をする。上位の男性から選ばれるためには、格下の男とは深い仲になってはいけないからです。
恋愛において、アクセルを踏みながらブレーキをかける、というような行動を脱出するには、出会い系アプリを体験して自分の殻を打ち破ってみるのもひとつの手段。
今まで見ていた世界とは違う恋愛世界が開けて、考え方が変わるかもしれません。
初出:しごとなでしこ
沢木 文 Writer&Editor
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』『不倫女子のリアル』(小学館新書)がある。