積極的なつもりでも、実は受け身な女子急増中!
女性の恋愛相談を受けていて気が付くのは、受け身の女性が多いこと。
「気になる人がなかなかアプローチしてくれないんです」とか「彼ができないから、縁結びのパワスポに行っちゃいました」などなど。ここでよく考えてください。パワスポに行くのは恋に積極的な攻めの行為でしょうか? いいえ直接的に異性にアクションを起こしていないのですから、受け身。ここを勘違いしている女性も多いので注意してください。
男性にアクションを起こさず、ただアプローチを待っている受け身女性は、ここ数年でものすごく増えていると感じます。
(そして、受け身女子同士は彼ができないまま女子会を重ねて、気が付けば恋愛しないままアラフォーになっています)
その背景には、男性は自分で獲得した“(自分が)イイ(と思った)女”を大切にする、というモテのセオリーが浸透したことがあるのだと感じます。
それはモテのカリスマであるタレントの紗栄子さんや、美容家の神崎恵さんなどのエッセイなどの存在が影響しているのでしょう。それらを読むと「女性から男性に行かないほうがいいのかもしれない」と感じるはず。しかし彼女たちは、黙っていても男性がアプローチしてきます。なぜなら彼女たちは美貌、経済力、マネージメント力、プロデュース力、胆力を兼ね備えた、女の中のオンナだから。
ただここで冷静になるべきは彼女たちがメジャーリーグの一軍選手だとすると、一般人女性が草野球の小学生チームレベルであることを自覚せねばなりません。彼女たちはさまざまな苦労を笑顔で乗り越え、バッシングにも耐え、さらに子供を産み育てているというオンナとしてプロ中のプロです。そんなプロ選手の実践アドバイスを草野球の小学生レベルが鵜呑みにしても、私たちにフィットするモテや幸福がやってくるのか……。
確かに、受け身の姿勢はラクです。それはそれでいいと感じますが、ただじっと待っていても、状況は何も好転しないし、傷つくことだけを恐れて、自分の望む幸せを取り逃がしてしまう可能性もなくはありません。
一方、結婚して仕事して、忙しいながらも充実した毎日を過ごしている女性の恋愛スタイルを聞いていると、恋愛を攻めの姿勢で攻略している人が多いです。自分からプロポーズしたり、付き合ってほしいとか浮気しないでほしいなど、意思を男性にきちんと伝えています。余談ですが、DVやモラハラの被害に遭っている人も少ないようにも感じます。
恋愛に限らず、相手に自分の意思を伝えることは、自分に合った人生を選ぶことにもつながります。
また相手に恋愛感情や意思を伝えた攻めの姿勢をとったときに相思相愛になれればいいですが、すべて自分の都合通りには進みません。そこで男性に振られてしまうと、全人格を否定されたような気持ちや自己嫌悪になる人が多いもの。でもそれを乗り越えて、人は強くなるのです。その強さは、この先の人生=仕事、恋愛、人間関係…すべての上であなたの人生をより豊かにし、大きく花を咲かすための肥料なのだと感じます。攻め女子は、すでのそのことを知っている場合が多いので、受け身女子よりもオンナとして魅力的にも見えるように感じます。
初出:しごとなでしこ
沢木 文 Writer&Editor
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。
恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。
著書に『貧困女子のリアル』『不倫女子のリアル』(小学館新書)がある。