人を人とも思わない、パワハラ上司も、「部下に会社を辞められてしまった」「部下をどうマネージメントしたらいいかわからない」という悩みを持っています。彼らの話を聞くと、そもそもコミュニケーションに配慮がないことが多い。そこで、そんな上司からぶつけられた暴言について、働く女性側の意見と、発言者の上司のホンネを紹介します。
不快暴言その1「君の代わりは、誰でもできる」
営業職の女性を中心に、言われて一番傷ついた言葉だと言うのが、「君の変わりは他にもいるんだ」というニュアンスの暴言。これを上司に言われたために会社を辞めてしまった女性も多数。女性は失敗に対して過剰に自分を責める傾向があります。実はこの言葉、男性は言われてもそれほど傷つかないのです。
上司側の思いとしては、「もっとがんばれ」という激励する気持ちを込めている場合がほとんど。戦力外通知を受けたように感じないことが大切ですよ。
不快暴言その2「Aさんは仕事ができるのに、あなたはいまひとつだね」
パワハラ上司は、他人との比較が大好物。他人と比較する暴言をよく吐いて、女性のモチベーションを低下させます。周りをよく見て、自分の立ち位置を確認し、なんらかの形で劣等感を覚えがちな女性にとってこのタイプの発言をされると、プライドもモチベーションもズタズタに。
上司側の思いは「切磋琢磨して頑張れ」「Aさんの仕事のやり方をマネしてみろ(そうすると君はもっとできるはず)」という気持ちを込めているケースが多い。このような暴言を吐かれたら、「私の仕事の弱い部分を具体的に指摘された」程度に受け取り、流すことが大切。
不快暴言その3「私の言う通りに仕事をすればいいんだ」
企画営業や、デザインなど、クリエイティブ系職業の女性を中心に、ただでさえ持っていないモチベーションをダダ下げるのが、「言われた通りにやれ」という上司の暴言。「言われた通りにやって成功したら自分の手柄、失敗したら責任は私になすりつけるくせに」と、実力半分で仕事をこなす傾向があります。
男性の多くは、「仕事は言われたらやるもんだ」、「仕事はやりながら意味を理解するもの」と、目的や説明を省略する傾向があります。イラッとする前に、「指示通り動きます! でも、その背景と目的を教えてください」と聞いてから動くといいでしょう。
そのコミュニケーションさえも省略しようとする上司だったら、異動希望を出すのもアリかもしれません。
初出:しごとなでしこ
ライター 前川晶紀
1977年東京都生まれ。女性のマネープラン、投資などの企画を手掛ける。現在、銀行系の雑誌に連載を持つなど、多角的に活動。
企業経営者のインタビューなどを多く担当している。