忙しい現代女子は、赤みやブツブツなどの乾燥からくる肌荒れや、炎症をともなうニキビに頭を悩ませたことは一度や二度ではないはずです。そんな肌荒れやニキビは、食べ物が原因となる場合もあります。
そこで、肌荒れと食べ物との関係について、女性の医学を専門とするクリニックグループ「医療法人オーク会」の田口早桐先生にインタビュー。女性の肌荒れについてのお話を伺いました。
【目次】
・「脂っぽいもの」や「刺激物系」の食べ物は肌荒れやニキビの原因に
・肌荒れに効く食べ物や飲み物は?
・コンビニ食で買うならコレを選ぶ
・【肌荒れ改善1】クリームやパックでの乾燥ケアで肌荒れを治す
・【肌荒れ改善2】肌荒れを治すカギ「ビタミン」は、サプリメントで摂取
・【肌荒れ改善3】肌荒れは「ターンオーバー」の期間を整えることが大切
「脂っぽいもの」や「刺激物系」の食べ物は肌荒れやニキビの原因に
肌荒れやニキビの原因となりやすい食べ物として、脂っぽいものや香辛料などの刺激物系が挙げられます。脂肪分が多いものや刺激物は皮脂の分泌を増やし、肌のバランスを崩れやすくするためです。なかには、数の子やイクラなどの魚卵系を食べすぎると、ニキビができてしまうという人もいます。
普段から意識して摂取を控えることで予防につなげるのはもちろん、「絶賛肌荒れ中!」というのなら、食べるものには特に注意が必要。積極的に脂っぽいものや刺激物系を控えるようにしましょう。また、脂肪分の多い甘いものも、肌荒れには大敵。
肌荒れやニキビは腸の働きも関係してくるため、和食中心のバランスをとれた食事をするのが一番です。
なお、ピーナッツやチョコレートは肌荒れやニキビの原因となりやすいと言われてきましたが、じつはあまり関係がないとも言われています。
肌荒れに効く食べ物や飲み物は?
反対に、肌荒れに有効な食べ物や飲み物にはコレ! というものはなく、バランスよく栄養と摂取することが肌荒れ改善につながります。
強いていうのであれば、腸の動きを活発にする食物繊維や発酵食品は、肌によいといえます。そして、積極的に摂取したいのはビタミン。ビタミンは食べ物で摂取しようと思うと大変なので、サプリメントで摂取するのが多忙女子にはオススメ。
サプリメントのビタミンは水溶性なので、飲みすぎても体に蓄積されることなく尿として排出されます。
コンビニ食で買うならコレを選ぶ
多忙女子としては、コンビニにお世話になるシチュエーションも多くあります。がしかし、コンビニ食だから絶対に肌荒れやニキビにとってNG! ということではありません。
コンビニで積極的にチェックしたいのは、美肌系ドリンク。滋養強壮系のドリンクと同じコーナーにコンパクトに売られていることが多く、さっと見つけやすいのもコンビニならではの利点です。ビタミンを補えるドリンクは肌荒れやニキビに直接アプローチしてくれるので、積極的に選びましょう。
また、どうしてもコンビニ食になってしまう……という日は、食物繊維とヨーグルトなどの発酵食品に着目してセレクトしましょう。大好きな甘い物も、肌荒れやニキビが気になる日はガマン! です。
【肌荒れ改善 ポイント1】クリームやパックでの乾燥ケアで肌荒れを治す
肌荒れ全般の原因の大きなところに、肌の乾燥があります。肌が乾燥状態にさらされることによって、肌のバリア機能がうまく働かなくなってしまい、赤みやブツブツなどの肌荒れを起こします。
そういった意味でも、普段から肌を乾燥から守ることが、予期せぬ肌荒れから身を守る有効な手段に。デイリースキンケアとして、保湿効果のあるクリームをこまめに塗るのがおすすめです。スペシャルスキンケアとして、パックで肌のバランスを整えることも効果的です。
【肌荒れ改善 ポイント2】肌荒れを治すカギ「ビタミン」は、サプリメントで摂取
抗酸化作用のあるビタミンは、肌状態を良好に保ってくれる代表的な栄養素です。肌荒れやニキビが気になるなら、積極的に摂取をしましょう。とはいえ、食べ物で必要量を摂取しようと思うと、意外と大変。
例えば、ビタミンといって思い浮かぶレモンなどは、皮の部分にも多くビタミン含まれています。日常生活で、レモンの皮を摂取するのはなかなか難しかったりしますよね。そこで活用したいのが、サプリメント。サプリメントのビタミンは水溶性なので、飲みすぎても体に蓄積されることなく尿として排出されます。
【肌荒れ改善 ポイント3】肌荒れは「ターンオーバー」の期間を整えることが大切
「肌のターンオーバー」という言葉を聞いたことがある人も多いはずです。ターンオーバーとは、古い角質がはがれおち、新しい皮膚に生まれ変わるまでの期間を言い、20代の場合は正常なお肌のターンオーバーの周期は約28日と言われています。この周期は年齢とともに長くなっていきます。ターンオーバーの周期が乱れると肌荒れやニキビの原因となりやすいため、生活習慣の改善やバランスのよい食事、スキンケアを心がけましょう。
忙しい私たちは、あれやこれや肌のことばかりに気を使っていられない……ということで、最低限気をつけるポイントとしては「肌を乾燥させないこと」と「サプリメントで効率よくビタミンを摂取すること」。この2つを実践するだけで、肌のターンオーバーを整えることにつながり、肌荒れが改善されていくことでしょう。
取材・文/松崎愛香
トップ画像/(c)Shutterstock.com
教えてくれたのは...産婦人科専門医・生殖医療専門医 田口早桐先生
日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会専門医、臨床遺伝専門医、母体保護法指定医。1990年川崎医科大学卒業後、兵庫医科大学大学院にて抗精子抗体による不妊症について研究。兵庫医科大学病院、府中病院を経て、現在、オークなんばレディースクリニック院長。国際学術誌への投稿、国内外学会での研究発表を数多く行う。著書に、自らの顕微授精体験を綴った「やっぱり子どもが欲しい!」(集英社インターナショナル)、妊活をポジティブに乗り切るためのポイントをまとめた「ポジティブ妊活7つのルール」(主婦の友社)がある。