予想をはるかに上回る数と内容のエピソードが寄せられたOggi読者のセクハラ体験談。今どきのセクハラのリアルとともに社労士と弁護士による実践的なアドバイスも紹介します。
「セクハラに耐えられない女性は女性からも非難される」
28歳・会社員の体験談
社員が100人に満たない中小企業で働いています。女性はあくまでもアシスタント、セクハラはあたりまえという古い体質の職場です。
あるとき、めったに会社を休まないふくよかな女性がインフルエンザで欠勤したら、部長が「あいつ妊娠でもしたんじゃねえか?」と大声で笑っていました。また、若手男性社員のミスをベテランの女性社員がフォローしたら、部の定例会議で男性の先輩社員が「女の仕事なんてだれがやったって同じ。お前、事務職なんかにミスを指摘されてはずかしくないのか!」と怒鳴ったことも。
さらには、社内初の女性総合職が自力で新規契約をとってきたら、部長のひとこと目は「枕営業でもしたのか?」でした。入社当初はギョッとしましたが、新入社員がモノ申せる雰囲気ではなかったし、だれかがセクハラに困っている現場で助け舟を出そうものなら、女性からも「あれくらいやりすごさないと」と陰口をたたかれることも学びました。職場の環境はコントロールできないし、辞めるしかないのでしょうか。
プロのセクハラ判定&アドバイス
フェリタス社会保険労務士法人
特定社会保険労務士
石川弘子さん
「ハラスメントに遭うと、その状況を『自分ではコントロールできない』と落ち込んでしまうことがあります。でも、自分が訴えて会社を変えるのか、自分が辞めるのか、選択の自由は自分にありますよ」
1973年生まれ。さまざまな企業の労務相談を受けるほか、セクハラ・パワハラ防止コンサルタントとして、企業向けの研修なども行う。著書に『あなたの隣のモンスター社員』(文春新書)。
アディーレ法律事務所 弁護士
岩沙好幸さん
「環境型のセクハラが蔓延していますね。ここまでの状態だと、声を上げたところですぐに改善するとも思えないので、転職したほうが賢明かも」
1981年生まれ。セクハラ・パワハラなど労働問題を主に扱う。コメンテーターとして各種メディアでも活躍。著書に『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマ・ドット・コム)。
Oggi9月号「セクハラって結局何?」より
画像/Shutterstock 取材・文/井上佐保子(田中さん分) 構成/酒井亜希子・佐々木 恵・赤木さと子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部