予想をはるかに上回る数と内容のエピソードが寄せられたOggi読者のセクハラ体験談。今どきのセクハラのリアルとともに社労士と弁護士による実践的なアドバイスも紹介します。
「『かわいい笑顔でお願いすればいいのに』なんてアドバイス、余計なお世話です!」
27歳・会社員の体験談
「女子力が低い」「女を捨てている」とよく男性上司から言われるんです。「クライアントや他部署の上司とうまくやっていくコツは、かわいい笑顔でお願いすること。そうすればおじさんは言うことを聞いてくれるよ」とも。
確かに私は愛想がいいほうじゃないし、ニコニコ笑顔で相手を立てるのは苦手。外見だってかわいい系ではありません。上司としては親切心で世渡りの術をアドバイスしているつもりかもしれませんが、女子力を強いられるのもイヤだし、それを仕事に使えなどと言われるのは本当に不愉快! 周囲の同僚も何も言わず笑っているだけなので、私もできるだけ笑って流すようにしていますが…。
プロのセクハラ判定&アドバイス
フェリタス社会保険労務士法人
特定社会保険労務士
石川弘子さん
「上司に悪気はなさそうですが、イヤだと思うならそう伝えましょう。『こう言うと相手は不快に思うのか』とわからせないと、『この人には何を言っても大丈夫』と誤解されたままになりかねません」
1973年生まれ。さまざまな企業の労務相談を受けるほか、セクハラ・パワハラ防止コンサルタントとして、企業向けの研修なども行う。著書に『あなたの隣のモンスター社員』(文春新書)。
アディーレ法律事務所 弁護士
岩沙好幸さん
「このケースは『女性はこうあるべきもの』といった価値観を押しつけているという意味で、セクハラというよりジェンダー・ハラスメントですね」
1981年生まれ。セクハラ・パワハラなど労働問題を主に扱う。コメンテーターとして各種メディアでも活躍。著書に『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマ・ドット・コム)。
Oggi9月号「セクハラって結局何?」より
画像/Shutterstock 取材・文/井上佐保子(田中さん分) 構成/酒井亜希子・佐々木 恵・赤木さと子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部