予想をはるかに上回る数と内容のエピソードが寄せられたOggi読者のセクハラ体験談。今どきのセクハラのリアルとともに社労士と弁護士による実践的なアドバイスも紹介します。
「きれいだねとしつこく言われて不快。自意識過剰ですか?」
33歳・契約社員の体験談
直属の上司が、ことあるごとに「きれいだね」と言ってくることに悩んでいます。最初は社交辞令だと思って軽く受け止めていたんですが「ありがとうございます」と答えても「そんなことないです」と否定しても、やめる気配は一向になし。褒めてくれているのに「やめてください」と言い返すのも妙な気がして、拒否できないまま早半年。
歓送迎会などの飲み会では、気づくと上司が常に隣に座っていることもあって、「もしかして私、女として見られてる?」とだんだん気持ち悪くなってきました。でも、ほかに気がかりなことといっても、たまに下の名前を「ちゃん」付けで呼ばれるくらい。これをセクハラといえるのかどうか…。
上司としては信頼できる人だし、第一この程度でだれかに相談したり騒いだりしたら、「自分のことをかわいいと思っている」「モテると勘違いしている」などと、同僚の女性からも自意識過剰扱いされませんか? 余計なトラブルを招くのもイヤで、我慢しています。
プロのセクハラ判定&アドバイス
フェリタス社会保険労務士法人
特定社会保険労務士
石川弘子さん
「イヤだと感じたらセクハラだし、拒否は必要です。ただしこの場合は、会社に相談する前に、『きれいだね』と言われたタイミングで、すかさず本人に『仕事とは関係ないので言わないでいただけますか?』とサラッと拒否するだけでも改善する見込みがあるのでは」
1973年生まれ。さまざまな企業の労務相談を受けるほか、セクハラ・パワハラ防止コンサルタントとして、企業向けの研修なども行う。著書に『あなたの隣のモンスター社員』(文春新書)。
アディーレ法律事務所 弁護士
岩沙好幸さん
「月に何十回など頻度が高ければ、裁判でもセクハラと認められやすいです」
1981年生まれ。セクハラ・パワハラなど労働問題を主に扱う。コメンテーターとして各種メディアでも活躍。著書に『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマ・ドット・コム)。
Oggi9月号「セクハラって結局何?」より
画像/Shutterstock 取材・文/井上佐保子(田中さん分) 構成/酒井亜希子・佐々木 恵・赤木さと子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部