予想をはるかに上回る数と内容のエピソードが寄せられたOggi読者のセクハラ体験談。今どきのセクハラのリアルとともに社労士と弁護士による実践的なアドバイスも紹介します。
「同僚からの盗撮、黙っていたら次の被害者が出て…」
32歳・会社員の体験談
他部署で働く同期入社の男性から、夜の会議室に呼び出されました。プレゼン資料に入れる人物イラストのポージングの参考にするため、私の写真を撮りたいとのこと。少し変な感じもしましたが、机を隔て向かい合った状態で数枚、スマホでの撮影に応じました。でも、その後も座って雑談をしていたところ、「ポンッ」とスマホで録画を始める音が聞こえたような気がして。同期の手はテーブルの下。「スカートの中を盗撮されてる?」と気持ちがザワザワしましたが、問いただす勇気もなく、脚をキュッと閉じて会話を切り上げました。
「まさか同期がそんなことをするなんて」と信じたくない気持ちもあり、その後もだれかに相談することもなく1年ほどして私は転職。最近、元同僚から、その男性が別の女性社員にも同じことをしてクビになったと聞きました。ほかにも泣き寝入りしている女性がいたかもしれないし、私が会社に相談していればその女性も被害に遭うことはなかったんじゃないかと…悔しいです。
プロのセクハラ判定&アドバイス
フェリタス社会保険労務士法人
特定社会保険労務士
石川弘子さん
「写真を撮られること自体も、イヤならきっぱり『苦手なので』と断ること。怖いのは、撮影したデータが、たとえばヌード写真などと合成されて出回ってしまうこと。自衛策としては、その写真を何に使うのか確認し、使い終わったら削除するよう伝えることが大切です」
1973年生まれ。さまざまな企業の労務相談を受けるほか、セクハラ・パワハラ防止コンサルタントとして、企業向けの研修なども行う。著書に『あなたの隣のモンスター社員』(文春新書)。
アディーレ法律事務所 弁護士
岩沙好幸さん
「これは刑事上でも民事上でも責任を問えます。セクハラの域を超えています」
1981年生まれ。セクハラ・パワハラなど労働問題を主に扱う。コメンテーターとして各種メディアでも活躍。著書に『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマ・ドット・コム)。
Oggi9月号「セクハラって結局何?」より
画像/Shutterstock 取材・文/井上佐保子(田中さん分) 構成/酒井亜希子・佐々木 恵・赤木さと子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部