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LIFESTYLE

2026.06.20

焦らず、苦しまず、欲を出さず。怒涛の変化の真っ定中で… 【芸人・たくろうインタビュー】

2025年のM-1グランプリで、日本一の漫才師となったたくろう。ふたりのキャラを最大限生かしテンポのいい会話で笑いを巻き起こす。その素顔は、根性論とも成り上がりとも無縁の脱力系。30代ど真ん中のふたりの素顔とは。

芸人・たくろうインタビュー

たくろう

《Profile》たくろう/2016年に結成。M-1グランプリ2025チャンピオン。コンビ名は、きむらさんが好きな木村拓哉と、赤木さんの好きなイチローを組み合わせたもの。4月から活動拠点を東京に移した。

●赤木 裕(あかぎ・ゆう/左)1991年生まれ、滋賀県出身。
●きむらバンド(きむら・ばんど/右)1990年生まれ、愛媛県出身。

やめさえしなければ、いつか芽は出る

20代でコンビを組んだふたりが、停滞期を経てM-1グランプリで圧倒的優勝を飾ったのが、2025年末。そのとき、赤木 裕さん34歳、きむらバンドさん35歳。大きな転機をもたらした「30代」は、ふたりにとって、どんな意味をもつものになったのだろう。

きむら:僕は、以前から早く30代になりたかったんです。20代後半は、若いわけでもないし、かといって大人とも言い切れない。中途半端やなって思っていました。そのころミルクボーイさんのM-1優勝(2019年)で、人生一発逆転みたいな盛り上がりを見て、あんなふうになりたいと憧れて。でもその後、コロナで仕事がなくなって、全部リセットされました。

赤木:それもあって、僕はむっちゃ焦ってました。もう30になってもうた、って。これは必死で頑張らないと、40歳で楽はできないぞと。で、体力のある限り無理して頑張って働こうと思ったんですけど、その気持ちは半年も続かなかった。それでも、M-1さえうまくいけば、人生きっとなんとかなる。その気持ちだけでネタをつくり続けていました。

30代は思っていたよりもひよっこで、焦る必要なんてないんやなって

きむら

きむら:僕も、しんどいのは嫌い、悩むのも嫌い。適当に生きてるほうが好き。目の前にある問題は解決できなくても、好きなことを「やめること」さえしなければ、いつか芽は出ると思っていたんです。その結果が出たのが、たまたま2025年(M-1優勝の年)だった。だからもし、まだ何者にもなれていないと悲観している30代の人には、「あんまり気にせんとき」って言いたいです。自分がなってみてわかったのは、30代は思っていたよりもひよっこで、焦る必要なんてないんやなって。

赤木:「30なのに」恥ずかしいとか、ちゃんとしなきゃ、なんて感じなくていいと思います。僕なんてちょっと前まで家で一日中ゲームしてましたから。それが去年、大阪万博が始まって、めっちゃ通うようになって、朝起きるようになったし、太陽を浴びて汗もかくようになって。脳も冴えてきたし、性格も明るくなりました。優勝はその結果… ですかね。

きむら:大切やね、太陽の光は。

―昨年末のM-1優勝を機に忙しさが一気に加速したが、ほかにも変化はたくさんあったというふたり。

きむら:ずっと大阪の漫才劇場を拠点にしてきましたが、優勝以降は東京でのテレビ出演や取材が増えて。そして今日はの撮影で「L’Arc-en-Cielになりきって」と言われて(笑)。こんなことになるとは、ですよ。ふだんは移動が多くて、飛行機・新幹線・船を使ってリアル桃鉄状態です。忙しさを乗り越えるには、ただただ気合い。あとは、時の流れに身を任せる。

赤木:僕は甘いものを食べたり、合間合間でとにかく寝る。あと変わったことというと… 「かわいい」と言われることが増えたこと。まあ、子供のときもよく言われてたし、ほんまに僕かわいいんでね。

きむら:はっきり言おうか。じっくり鏡見てみ、そんなにかわいくないですよ。

目標は、M-1決勝の日を超えるくらいウケる日をつくること

たくろう

―そしていちばんの大きな変化は、今年4月から始まった東京生活。これを機に、やってみたいことは。

きむら:いわゆる「東京っぽい」ところをたくさん体験したいな。表参道、代官山…。

赤木:うん、代官山の美容院とか行ってみたい。これまでは髭剃ってもらえる床屋さんでしたから。あと、スポーツタイプの自転車で街を走るの、やってみたいな。

きむら:それ、東京って感じでおしゃれだよね。でも、青切符始まったから気をつけて。環境も生活も変わった今は、まだまだ新しいことを経験するので精一杯やけど、落ち着いたら次の目標を見つけたいですね。大きな目標でなくても、少しだけ背伸びすれば手が届きそうな。

赤木:僕はとにかく、今のうちにいっぱいお金を貯めて…。

きむら:で?

赤木:隠居する。理想は再来年。かわいいおうちを建てて、おじいちゃんになるまで静かに暮らします。

きむら:あと2年では隠居できるほど稼げないだろうから、絶対に無理ですね。

赤木裕

赤木:それでも、とにかく早く楽できるように、今はいっぱい働くよ。目標は、M-1決勝の日を超えるくらいウケる日をつくること。あれがピークだったということにならないように。

きむら:それ、めっちゃいい目標。そうやって、しっかりと漫才を続けていくのが、僕も理想かな。そもそも、目標を立てても達成できたことがないし、何事も長続きできないまま、ここまできました。ただただ、衝動と直感に任せて。だから、1日ごとに自分を評価できれば、それでいいやって。忙しくてもクエン酸ドリンク飲んで頑張るわ。でも… ほんまに隠居できるくらいのお金が貯まりそうになったら、その前に仕事を減らします。赤木にやめられたら、困りますから。

赤木:……。

〈集合カット衣装〉
【赤木 裕さん】ジャケット¥20,680・シャツ¥12,980(ALUDE)ネックレス[チェーン]¥72,600・[チャーム]¥72,600・リング¥31,900(unigem〈Gerochristo〉) その他/スタイリスト私物
【きむらバンドさん】ジャケット¥19,580・シャツ¥12,980(ALUDE) ネックレス¥71,940・リング[左手小指]¥105,600・リング[右手薬指]¥42,900(unigem〈PREEK〉) その他/スタイリスト私物

ALUDE 03-6910-5525
unigem info@unigem.jp

2026年Oggi7月号「この人に今、これが聞きたい!」より
撮影/倉本侑磨(Pygmy Company) スタイリスト/嶋岡 隆(Office Shimarl) ヘア&メイク/五十嵐将寿 構成/南 ゆかり
再構成/Oggi.jp編集部

Oggi編集部

「Oggi」は1992年(平成4年)8月、「グローバルキャリアのライフスタイル・ファッション誌」として小学館より創刊。現在は、ファッション・美容からビジネス&ライフスタイルテーマまで、ワーキングウーマンの役に立つあらゆるトピックを扱う。ファッションのテイストはシンプルなアイテムをベースにした、仕事の場にふさわしい知性と品格のあるスタイルが提案が得意。WEBメディアでも、アラサー世代のキャリアアップや仕事での自己実現、おしゃれ、美容、知識、健康、結婚と幅広いテーマを取材し、「今日(=Oggi)」をよりおしゃれに美しく輝くための、リアルで質の高いコンテンツを発信中。
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