話題の韓国ミュージカルの日本版が上演!

韓国発のオリジナルミュージカル『ラパチーニの園』。アーツカウンシル・コリア「新作賞」を受賞した話題作が、日本版として新たな息吹を得て上演されます。18世紀のイタリアを舞台に、5人の登場人物それぞれの“愛のかたち”を描く物語です。
科学者ラパチーニは、愛する娘・ベアトリーチェを外界の悪から守るため、毒草が生い茂る庭園の中で育てます。誰とも触れ合うことなく、孤独とともに生きてきたベアトリーチェ。そんな彼女の前に、画家を志す青年・ジョヴァンニが現れます。惹かれ合う二人ですが、ベアトリーチェにはさらなる秘密があって──。
珠城さんは、乳母兼家政婦としてラパチーニ家に仕える女性・リザベタを演じます。作品への意気込み、そして珠城さん自身の“愛のかたち”とは? さらに、宝塚歌劇団からの「キャリアチェンジ」を経験している珠城さんの、お仕事観にまで迫ります。
「秘めた思い」を抱える女性の役は新鮮です

──話題の韓国ミュージカルが原作の本作ですが、出演が決まったときのお気持ちは。プレッシャーはありましたか?
私が韓国発のオリジナル作品に出演する日が来るなんて!と驚いたと同時に、とてもうれしい気持ちになりました。韓国ミュージカルは非常にレベルが高いので、きっと楽曲も重厚感があって難しいものになってくると思います。その点は「挑戦」になりそうです。
──韓国ミュージカルのクオリティの高さは、世界的にも注目を集めていますよね。
韓国でミュージカル『ファントム』を観劇したとき、みなさんあまりに歌がうまくて鳥肌がたったことをよく覚えています。もう同じ人間とは思えないレベルで(笑)。とても感動しましたね。
──ちなみに、もともと韓国カルチャーはお好きなのでしょうか。
暇さえあれば観ているくらい、韓国ドラマが大好きです! 最近観てよかったのは、『私と結婚してくれますか?』。主演のチェ・ウシクさんとチョン・ソミンさんが好きで、これを観るためにディズニープラスに加入しました(笑)。

──本作『ラパチーニの園』の台本を読んでみて、いかがでしたか?
神秘的でファンタジックな世界観ながら、人間の本質や愛について、かなり深く切り込んでいる作品だと感じました。登場人物それぞれの、愛ゆえの選択が描かれるのですが、はたしてそれが正しいことなのか──最後まで見守っていただければと思います。
──珠城さんが演じるリザベタは、どんな女性でしょうか。
リザベタはある出来事をきっかけにラパチーニ博士に心酔し、乳母兼家政婦として仕えている女性です。博士への想いを秘めたまま、ともに暮らしています。けれど物語のなかで、彼女の選択が結果的によくない展開を導いてしまうので…「愛って難しいな」と思いながら台本を読んでいました。
私はこれまで、感情をはっきり表現するような役どころが多かったので、秘めた想いを抱える女性の役は新鮮です。でもリザベタの、大事な人に何かをしてあげたい!という気持ちにはどこか共感できますね。私自身、博士やベアトリーチェのお世話も楽しく取り組めるかもしれません(笑)。

──…となると珠城さんは「愛を与えたい派」ですか?
そうですね。見返りを求めずに、純粋に愛を伝えていけるのが理想です。でも、やっぱり愛を与えてもらえるのもうれしいですよね(笑)。
──では、珠城さんの“愛のかたち”とは?
「信頼と自由」ですね。自分も相手も縛りたくないし、心はいつも自由でありたい。そのためには、お互いを信じること、思いやることが必要なのだと思います。それぞれが大事にしているものを、大事にできる人でいたいです。
環境を変えるのは勇気がいること。それでも、挑戦したいことがあるなら飛び込んで

──30代を振り返って、やってよかったことはありますか?
年齢を重ねるほど、失敗は怖くなるものですよね。けれど30代を振り返ると、「挑戦してよかった」と思うことのほうが多くて。俳優という仕事をしていると、ものすごい先輩方がまだまだたくさんいらっしゃいます。そんな方々から「30代はまだなんでもトライできるし、失敗しても挽回できるよね」と言っていただくこともよくありました。だからこそ、私も臆せず挑戦を続けることができたのでしょうね。
──逆に、「30代のうちにやっておきたいこと」は?
ずっと昔に仕事で訪れたオーストラリアのケアンズにもう一度行きたいです。韓国にも行きたい! 口ではずっと言っているのですが結局行けずじまいで…。あと数年あるので、30代のうちには行きたいな。「珠城さん、ちゃんと行きましたか?」ってファンの方のチェックが入りそうな予感です(笑)。
──仕事で壁にぶつかったときはどうしますか?
毎回トライアンドエラーの繰り返しなので、悩みや葛藤はつきものです。自分が一生懸命やったつもりでも、目に見える結果になかなかつながらないこともあって、不安を感じた時期もありました。私、このままで大丈夫かな?と。
でもやっぱり、目の前のことに一生懸命に取り組むことでしか結果は出ないもの。まずはやるべきことにきちんと集中する。そして、空いた時間に悶々とするくらいなら、インプットの時間にする。私は表現を仕事にしているので、映画や舞台を観たり、ピラティスに通ったり、演劇のワークショップに参加したり。あとはプライベートの時間もちょっと充実させるようにして、心をほぐして精神状態をととのえるのも心がけています。
──悩むよりも、動くタイプなのでしょうか。
動いていないと、くよくよ悩んじゃうんです。じつはけっこう「気にしい」で、何かあるたびにひとり反省会をしてしまうタイプで…。それこそ、「あの言い方で合っていたのかな」とか「私の行動おかしくなかったかな」とか。時間があると悶々としてしまうから、そういうときこそ動いてバランスをとるようにしています。

──2021年に宝塚歌劇団を卒業し、俳優として再始動した珠城さん。「新しいキャリア」に飛び込んだ経験を、振り返っていかがでしょうか。
芸能界ではガラッと環境が変わりましたし、大海原にバーンと放り出された感覚でしたね。ありがたいことに宝塚歌劇団で学んだことが活かせる仕事に進むことができたのですが、映像の現場などでは初めてのことも多くて、不安で悩むこともすごく多かったです。
でも結局は、目の前のことをコツコツ積み重ねて場慣れしていくしかない。そうすれば、だんだんと現場の空気や勝手が分かってくる。つまずいたり立ち止まったり、あれこれ考えることもたくさんありましたが、自分が「やりたい」と思ったのなら継続してがんばるしかない。卒業して数年経った今、続けることに大きな意味があるんだなと実感しています。
──Oggi読者も、転職や異動など職場環境の変化に悩むことが多い世代。珠城さんからエールをお願いします!
かつての日本では終身雇用が当たり前だったのかもしれませんが、今はいろんな選択肢が広がっている時代。自分の人生を豊かにするための選択だったら、トライする価値はあると私は思います。人生には限りがあるのだから、挑戦したいことがあるならしたほうがいい。なによりも自分がいちばん幸せであることを大事にして、「こうしたい」という意思を持ってチャレンジしていってほしいです。
転職もそうですが、環境を変えることはとても勇気のいること。それをやり遂げられるのは、かっこいい人だと思っています。人生一度きりしかないですからね!
ミュージカル『ラパチーニの園』

新国立劇場 小劇場
2月20日(金)〜3月1日(日) 全14公演
出演者
林翔太・北川拓実(Wキャスト) / 宮澤佐江 珠城りょう 石井一彰 / 別所哲也
原作:ナサニエル・ホーソーン作 小説「ラパチーニの娘」
翻訳:吉田衣里
上演台本・訳詞・演出:高羽彩(タカハ劇団)
音楽監督:深澤恵梨香
企画:NHKエンタープライズ
主催:NHKエンタープライズ/エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ
撮影/黒石あみ スタイリスト/久保コウヘイ ヘアメイク/河上智美【Rouxda.】 取材・文/徳永留依子
ジレ¥39,600・ワンピース¥59,400・パンツ¥33,000(ル・セルクル〈JUNKO KITO〉) 靴¥126,500(セルジオ ロッシ ジャパン カスタマーサービス〈セルジオ ロッシ〉) イヤリング¥27,500・リング¥28,600(セシル・エ・ジャンヌ 青山店〈セシル・エ・ジャンヌ〉) ネックレス¥30,800(ウノアエレ ジャパン〈ワンエーアールバイウノアエレ〉) バングル¥291,500(ウノアエレ ジャパン〈ウノアエレ〉)
ル・セルクル TEL:03-6451-2611
セルジオ ロッシ ジャパン カスタマーサービス TEL:0570-016600
セシル・エ・ジャンヌ TEL:080-9181-5183
ウノアエレ ジャパン TEL:0120-009-488
俳優/珠城りょう
1988年愛知県生まれ。2008年宝塚歌劇団入団、月組配属。2016年に月組トップ男役に就任、21年に退団。退団後は、舞台『マヌエラ』、『天翔ける風に』、『20世紀号に乗って』、『あなたに会えてよかった』と舞台で活躍するかたわら、TBS系連続ドラマ『マイファミリー』、『VIVANT』、NHK大河ドラマ『べらぼう』、映画『わたしの幸せな結婚』など、映像作品にも多数出演。3月には草月ホールにて上演される音楽劇「アカネイロのプレリュード~赤坂の奏~」への出演を控えている。 公式サイト



