韓国カルチャーに魅せられて、30歳で韓国に移住してモデルや女優などの芸能活動を展開してきた高木りなさん。その仕事人生に“料理クリエイター”としてのリスタートをもたらしたのは、33歳からの韓国人のご主人とのロス暮らし。国境越えのキャリアシフトを遂げた、高木さんの妻時間とは…?
高木さんの「女の時間割。」
Vol.1「女時間」〜ひとりの女性として仕事に向き合う時間〜
Vol.2「妻時間」〜妻として夫に向き合う時間〜 ←この記事
Vol.3「母時間」〜母として子供に向き合う時間〜 3月17日公開予定
高木りなさん
料理クリエイター・46歳
高木さんの「妻」時間をClose up
17:30@Garden
夫が作るコリアンバーベキューを食べながら夫婦でまったり
「夫は音楽エンターテインメント企業の代表を務めているため曜日問わずに忙しく、出張も頻繁なので家ですごせる時間はとても貴重。『平日は子育てや家事に協力できていないから』と、家にいる週末は夫が夕飯を担当してくれます。得意のレパートリーはコリアンバーベキュー。サムギョプサルにサンチュを添えて、サムジャンに少しだけピーナツを加えるのが夫流。子供たちには先に食べてもらって、そのあとふたりで辛いチゲも追加してゆっくり食べることも多いです。屋外で香ばしい肉の匂いに包まれながら、夫と語らう時間は大好きなひとときです」

「妻」時間 高木さんのとある休日
6:00 起床、朝食
6:30 洗濯、掃除、身支度
8:00 子供たちの野球&バスケの試合へ
17:00 終了後、帰宅
17:15 子供たち入浴
17:30 夫が作るコリアンバーベキューを食べながら夫婦でまったり
20:00 子供たち就寝後、入浴40分
21:00 夫婦でおしゃべり&映画鑑賞
23:00 就寝
サバイバル番組で奮闘する姿が、夫の目にとまって
夫と過ごせる週末は、いつもよりも1時間遅く起きてゆったり過ごすという高木さん。
「平日私はキッチンに立ちっぱなしなので、夫が家にいる週末だけは、『夕食は手伝うから今日は休んでいて』という言葉に甘えさせてもらっています。彼の得意料理はサムギョプサル。子供たちが汁物が大好きなので、最近は野菜たっぷりのテンジャンチゲ(味噌味のチゲ)もつくってくれます。
夫は仕事ではマルチタスクなのに、料理ではシングルタスク。5口あるガスコンロも、ひと口しか使いません。チゲと並行しながらサムギョプサルの準備を進められずに、2時間かけて1品ずつ準備しているのです。私からすると、そこだけがすごくもどかしくて(笑)。でも、手元に集中している背中からは家族への愛情が伝わってくるんです」
高木さんが夫と出会ったのは、韓国移住を果たした30歳の頃。韓国で活動することの壁にぶつかり、悩みや葛藤の末に“ここまできたら仕事も韓国ライフも、やりたいことを思いっきりやり尽くそう”と、果敢にチャレンジをし始めた時期だった。
「夫が、料理のサバイバル番組でファイトしている私の姿をテレビで見て、“彼女のキャラクター、なんだかいいな”と好感をもってくれたことが始まりでした。共通の知人が縁をつないでくださり、私も彼と会ってすぐに“この人とは相性がいい”と思ったのを覚えています。幸いなことに、お互い日本と韓国という国の違いにとらわれることなく、文化的な違和感を感じることもほとんどありませんでした。
当時夫は、韓国のケーブルテレビ局で人気音楽専門チャンネルのプロデューサーを務めていたのですが、交際中にアメリカへの駐在辞令が出ました。遠距離恋愛を続けるうちに私の韓国での仕事に区切りがついて、“今がタイミングかもしれない”と、33歳で入籍を決断。結婚を機に韓国の部屋を引き払って渡米しました。アメリカでは配偶者ビザを取得して、現地でオーディションに参加してはCMやスチール撮影などの仕事を続けていました。
彼に惹かれた理由は、極めてシンプルでした。私のことをすごく大切にしてくれるのです。たとえばいまだに、23時すぎに帰宅した夫のために夕飯を作ると、疲れているだろうに『ありがとう。まずは君からひと口どうぞ』と気遣ってくれるのです。レディーファーストなマインドを日常的にもち続けるのって、なかなかできないことですよね。今年で結婚13年なのでもう結婚当初とは違いますが、それでも基本的にいつもとても優しい人です」
実は内向的で無計画? 性格タイプ診断に見る夫婦の傾向
母国ではないアメリカに住み、仕事を通じてともにチャレンジを続けている高木さん夫妻。
「夫は8年前に独立して、世界のファンとK-POPアーティストをつなげるグローバルなエンタメ事業を立ち上げました。アーティストのアメリカ進出や、K-POPの国際的な普及を促進する独立系音楽レーベルとしての規模拡大を図るために、日々頑張っているところです。
私も、子育てを優先するためモデルの仕事を縮小。家族最優先の働き方ができる在宅クリエイターとして、2年前にTikTokやInstagram、YouTubeチャンネルを開設し、たくさんの方に楽しんでもらえるような料理動画制作にコツコツとはげんでいます。
夫は私のアカウントをのぞいては、動画に対して『これ、面白いね』とか『美味しそう。家に帰ったらまだある?』などとリアクションしてくれたり、“いいね”で応援してくれています。近年私が事業を始めたので税理士さんを教えてもらったり、“AIとの壁打ちミーティング”に同席して、アドバイスしてくれるのもありがたいです。
そんな私たち夫婦の共通点は“40代で海外での挑戦を続けている”こと。異国での事業は困難や課題も多く、そのぶん夫婦の絆も深まります。私には夫の事業は到底まねできませんし、夫はひとりで創り続ける私のコンテンツを評価してくれています。国際結婚の壁を感じることなく、お互いを共に立ち向かう“同志”のように尊敬しあえることも、夫婦関係が長く続く理由かもしれません。
子育てのある日常はやることも山積みですが、“いつか転居してここに家を建てたい”とか“セカンドキャリアはふたりで、のり巻やトッポッキを出す屋台みたいなチェーン店をつくってみたい”などと、現実的な未来から理想の未来まで、夢が尽きないのも幸せです」
ちなみにご夫婦で“性格タイプ診断”を試してみたこともあるのだそう。
「私は共感性や創造性が高いINFPタイプで、夫は論理や分析を優先するINTPタイプでした。共通点はどちらも“内向型(I)”であること。実際、ふたりとも派手なパーティーや大勢での集まりが苦手です。物事に対する対応の傾向も同じ“知覚型(P)”なので、実は仕事を離れたプライベートではあまり計画性がありません(苦笑)。
たとえば旅行に行くときはノープランですし、韓国や日本に帰省するときも航空券は直前に取るため高くついてしまうんですね。旅先で人気のレストランで食べたいと思っても、当日現地で探すので予約が取れなかったりして、毎回が珍道中。いつ夫が“ほかの国で事業をしたい”と言い出すかもしれませんし(笑)、本当に私たち家族の運営は気ままなフリープラン。行き先を定めない航海のような、余白のあるアドベンチャーな日々を楽しんでいます」

きっと“7年後には世界は変わってしまうから”固定観念をもたない教育観
「子供の習い事については夫から一任されているのですが、方向性は夫婦で一致しています。それは“子供たちが今やりたいと思うことを、今私たちにできる範囲で、全力でサポートする”こと。
近年の世の中がめまぐるしく変化していくスピードを見ていると、長男が高校生活を送っている7年後には、AIの進化や技術改革などで教育事情が一変しているかもしれません。社会を生きるために必要なスキルや知識も、今とは変わっているんじゃないかと思います。
予測困難な時代において、今40代である私たち親世代の考えで“○歳になったら勉強系の塾に通わせなければ”とか“みんなが行っているから行かせなくちゃ”など、他者軸や固定観念で導くのは、ミスリードになるのではないかと考えているのです。
うちの子供たちはスポーツが大好きなので、今長男は習い事として週末や学校の休みを利用して大会や遠征に参加する野球やバスケのトラベルチームに参加しています。夫からは、くれぐれも私の車での送迎が無理にならない範囲で…と気遣われていますが、もしかしたらこの先子供たちのやりたいスポーツの数が増えていくかもしれません(笑)。それでも、スポーツに打ち込むことでチームワークや精神力などの人間らしい能力が培われたり、健やかな体を育んでもらえたら、まずはうれしいなと思っています」
それほど遠くない未来である2030年前後に、人と同等レベルの人工知能が開発されるのではないかというAI研究者の予測があります。時代を俯瞰しながら今を大切に生きる、高木さんの視点が刺さる談話でした。Vol.3では、ロサンゼルスで子育てを展開する高木さんの母時間をお届けします。
profile
高木りな
たかぎ・りな/1979年、静岡県生まれ。10代からモデルとして活動し、20歳でドラマ『パーフェクトラブ!』(99年/CX)で女優デビュー。その後映画『GO』(01年・東映)などの話題作に多数出演。K-POPに魅了されて97年から韓国に興味をもち、2004年に梨花女子大学校附属の語学堂へ3か月の短期留学。2007年にKIA自動車のCMモデルに抜擢され、翌年ドラマ『テロワール(原題떼루아)』(SBS韓国)・11話〜15話に出演して話題となる。2011年に韓国に移住。料理を競い合うサバイバル番組『Yes! Chef Season2』で本選に進出した唯一の外国人参加者となる。2013年に韓国音楽専門チャンネルのプロデューサーと結婚、以降はロサンゼルスを拠点に活動。9歳と6歳の2児の母。現在は登録者数82.6万人の人気YouTubeチャンネルと、フォロワー数87.9万人のインスタグラムを運営し、LAでのライフスタイルや料理動画を配信。韓国在住中に、日本料理調理師免許、ふぐ調理師免許、日本デコ寿司マイスターと日本語教師資格、長男妊娠中にJADP認定幼児食インストラクター®を取得。会社を立ち上げ、現在キッチンアイテムを扱うオンラインセレクトショップを準備中。
インスタグラム:@rinasvoyage(https://www.instagram.com/rinasvoyage/)
YouTube:@RinaTakagi(https://www.youtube.com/@rinatakagi)
TikTok:@RinaTakagi(https://www.tiktok.com/@rinatakagi)
撮影・スタイリング・ヘア&メーク/高木りな 構成/谷畑まゆみ
衣装すべて私物
※SNSに関する数字はすべて2026年2月現在のものです。



