舞台の芝居は観客の視線が良い刺激になる
インタビューvol.1
▶︎森田剛&間宮祥太朗対談「二人の共通点は、観葉植物好き」vol.1
──舞台作品のお芝居の魅力を教えてください。
森田さん(以下敬称略):なんだろう…一番の魅力は鮮度ですかね。普段生活している中で、いろんなことに慣れてなぁなぁになる瞬間ってあると思うんですけど、舞台作品のお芝居だと同じやり方があまり通用しないんです。だから緊張するし、恐怖を感じる。舞台にしかない怖さや緊張感を楽しんでいる自分がいますね。
──怖さや緊張感を感じられることが、森田さんにとっての舞台のおもしろさということでしょうか。
森田:普段は適当というか、物事をあまり深く考えずに穏やかに過ごしているので、舞台の時くらいは緊張したり、刺激を受けたりしたいんだと思います。「慣れ」と一言で言っても、「肉体的な慣れ」と「精神的な慣れ」では種類が違っていて、舞台で緊張するのはそういうことなんじゃないかなと。そこが舞台の魅力ですね。
間宮さん(以下敬称略):僕にとって舞台でのお芝居の魅力の一つは「反復」です。映像作品に比べて、舞台は稽古も含めて長期間同じシーンを何度も繰り返し演じますが、その反復の中で何かしらの新しい発見があるんです。それに、同じことをやっているようで、絶対に同じにはならない面白さも感じます。
──間宮さんも森田さんと同様に舞台でのお芝居から刺激をもらっているのですね。
間宮:そうかもしれません。それに、舞台と映像作品で圧倒的に違うのは、お客さんからいただく対価と時間です。テレビは電源を入れれば観られますが、舞台の場合はチケット代を払って劇場まで足を運んでくださるので、お客さんからいい意味での「視線の圧」を感じるんです。だからこそ、舞台という限られた空間の中で、どうお芝居を作るかということが、僕にとってすごく刺激的ですね。
──森田さんもお客さんの視線の圧を感じることはありますか?
森田:そうですね。時には押しつぶされそうになるぐらいすごい圧を感じることも。でも、お客さんと一緒に舞台を作るのはそういうことなのかなとも思うし、芝居中の空気をコントロールする楽しさもありますね。お客さんが僕らに注いでくれている熱を掴んで離さないようにしなければそっぽを向かれてしまうので、そういう緊張感があるのが舞台のおもしろさだと思います。
間宮:それすごくわかります。掴もうとしても指と指の間からこぼれ落ちてくような時もあるし、間(ま)やセリフの一つでお客様の集中度合いが2段階ぐらいコンコンって上がるのを感じる瞬間もあって、毎公演違うのがおもしろいです。
──森田さんは本作について「作品の中にただ『居る・在る』という状態は、俳優である自分にとっての理想形。赤堀さんとの創作ではきっと、そんな状態をあらゆる場面で求められる気がしています」とコメントしていますが、なぜそう思われたのでしょうか。
森田:赤堀さんの作品の登場人物は、他人からはいい人に見えても、当の本人は腹の中で悪いことを考えていたりするんです。そんな人物を演じながらシンプルに舞台に立つことができたら、赤堀さんの舞台を観た時に感じたような、作品の中にただ「居る・在る」状態になれるような気がしたので、そうコメントしました。
──その状態が森田さんにとっての俳優としての理想形なのでしょうか。
森田:余計なことをしなくても、ただそこにいるだけで劇中の人物に見えるのが理想ですね。
──間宮さんにとっての俳優としての理想像も教えていただけますか。
間宮:ごくまれに、芝居中“どういうトーンでセリフを言うか”“どんなふうにセリフを吐きたいか”といった雑念が全くない状態で作品の世界にポンっと入った感覚になる時があって、それが理想かというと違うのかもしれませんが、僕にとってはすごく幸せな瞬間なんです。他人から見たらあまりよくない状態なのかもしれませんが…(笑)。
──台風にかけての質問になりますが、台風が去ったあとにスカッと空が晴れるように、お二人が困難を乗り越えたあとにスカッと気分が晴れたエピソードなどがあれば教えてください。
間宮:クランクアップは毎度スカッとします。最近だとドラマ「ACMA:GAME アクマゲーム」と『劇場版 ACMA:GAME 最後の鍵』を半年ほど撮っていたので、クランクアップした瞬間に晴れやかな気持ちになりました。
──ちなみにクランクアップ後に必ずやることはありますか?
間宮:ルーティン的なことは特にないですが、作品と作品の合間に少し休みがある時は、森へ行って自然を感じながらリフレッシュしています。
──森田さんはいかがですか?
森田:あまり乗り越えるという意識がなくて、困難なことがあっても“なるようにしかならないだろう”と思いながら悩み抜くみたいな、そういうタイプです。そのうち時間が解決すると思っていますし、あまり人に相談することもないです。
間宮:確かに、僕も“困難を乗り越える”というよりかは、逃げかもしれないけど迂回すれば乗り越えなくても済むなと思うタイプです。極端な話、乗り越えても、ちょっと周り道をしても、その道中が楽しければいいと思っています。
──では最後に、今回の共演でワクワクしていることを教えてください。
森田:僕は間宮くんが演じる人物に影響を受けたいです。たくさん影響を受けることで自分の芝居がどうなっていくのか、そして兄弟の距離感をどんな風に一緒に作り上げていくのか。すごく楽しみですね。
間宮:こうやって一緒にインタビューを受けるのと、舞台上で対峙するのとでは緊張感が違うと思うので、そこにワクワクしています。剛さんとのお芝居でいろんな刺激をいただきながら、舞台を作っていけたらと思います。
インタビューでは、舞台でのお芝居に対する熱い想いを語ってくださいました。森田さんの深みある演技と、間宮さんの瑞々しい表現力が交差することで、『台風23号』は観る者の心を強く引きつけること間違いなし。本作は、10月5日に初日を迎えます。
Profile
森田剛
1979年2月20日生まれ、埼玉県出身。2021年にMOSSを立ち上げ、短編映画『DEATH DAYS』(21・22)の企画制作・主演を手掛けるなど、俳優として活動の幅を広げている。近年の主な出演作に【舞台】『空ばかり見ていた』(19)、『FORTUNE』(20)、『みんな我が子』(22)、『ロスメルスホルム』(23)、【ドラマ】『インフォーマ』(23・KTV)、『アナウンサーたちの戦争』(23・NHK)、『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』(23・Disney+)、【映画】『ヒメアノ~ル』(16)、『前科者』(22)、『白鍵と黒鍵の間に』(23)などがある。映画『雨の中の慾情』が2024年11月29日に公開予定。
間宮祥太朗
1993年6月11日生まれ、神奈川県出身。2008年ドラマ『スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜』で俳優デビュー。以降、映画・舞台・ドラマなどで広く活躍。近年の主な出演作に【舞台】『ナイスガイinニューヨーク』(16)、『ツダマンの世界』(22)、【ドラマ】『ACMA:GAME アクマゲーム』(24・NTV)、『真夏のシンデレラ』(23・CX)、『ナンバMG5』(22・CX)、【映画】「殺さない彼と死なない彼女」(19)、『破戒』(22)、『東京リベンジャーズ』シリーズ(21、23)、『変な家』『ある閉ざされた雪の山荘で』(24)など。『劇場版 ACMA:GAME 最後の鍵』が2024年10月25日に公開予定。
【作品情報】
Bunkamura Production 2024 『台風23号』
森田剛×間宮祥太朗が初共演にしてW主演! 木村多江、藤井隆、伊原六花、駒木根隆介、秋山菜津子、佐藤B作と豪華キャストが集結!台風が迫るとある町を舞台に、そこに生きる市井の人々の姿が描かれる。
作・演出:赤堀雅秋
出演:森田剛、間宮祥太朗
木村多江、藤井隆、伊原六花、駒木根隆介、赤堀雅秋
秋山菜津子、佐藤B作
2024年10月5日(土)〜27日(日)
東京都 THEATER MILANO-Za
11月1日(金)~4日(月・振休)
大阪府 森ノ宮ピロティホール
11月8日(金)・9日(土)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
撮影/天日恵美子 スタイリスト/【森田さん】松川 総、【間宮さん】津野真吾(impiger) ヘアメイク/【森田さん】TAKAI、【間宮さん】三宅 茜 取材・文/奥村百恵
衣装クレジット
【森田さん】スタイリスト私物 【間宮さん】ジャケット¥262,900、パンツ¥141,900、シューズ 参考商品(全てエトロ/エトロ ジャパン ☎︎03-3406-2655 )、その他スタイリスト私物