テーブルウェアスタイリスト連合会公式インテリアブックよりご紹介!
プロップスタイリストは広告・雑誌・テレビCMなどで物をスタイリングする仕事です。数々の現場で活躍する実力派スタイリストの二本柳志津香さんが、撮影現場で培ったインテリアコーディネートのスキルや生活雑貨の選び方を紹介します。
プロのスタイリストが現場で活躍する飾り方のすすめ
実は私のキャリアは、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)という商品の販売戦略を考案・企画・ディスプレイする技能から始まりました。家庭でのディスプレイにも役立つ方法をお伝えします。
オープンシェルフの見せ方の定義
VMDの仕事では、売り上げを上げるために、商品をどのように並べたらよいか考案します。その際、まずお店の陳列棚であれば、イラストのように目線の高さをゴールデンゾーンといい、一番売りたい商品を並べます。家庭での考え方は、一番使用頻度の高いものがこの場所にくると生活しやすく、さらにそれがお気に入りの小物や食器であれば、気分よく暮らせることにもつながると思います。
ゴールデンゾーンより少し下の部分をシルバーゾーンといいますが、ここはお店ではPRしなくても売れていく商品を置くとよいとされている位置。家庭なら生活の定番品を置くのがおすすめです。わが家では炊飯器や電気ポットの定位置です。
雑多なものの隠し方
そして雑多なものは一番下、床から60cmの棚へ。お店では商品のストックなどを置くとよいとされる部分です。収納ボックスを引き出しのように入れて、目隠しするのも便利ですね。わが家では、収納ボックスにレザーの端ぎれをかけて、見えないようにしています。ふだんから視界に入りづらいゾーンですし、足もとまでまじまじと見る来客はなかなかいません。キッチンの棚なら食材や日用品のストックなどを。
さらに一番上の棚には、頻繫に出し入れしないものを入れましょう。こまごまとしたものを収納したいなら、こちらにも収納ボックスやバスケットなどを使って。高い場所にあるので、安全に取り出せるようにしておくのもポイントです。
雑貨を飾る「3の法則」
小物を飾るときにどんなバランスで飾っていくか、ああでもないこうでもないとやった経験はありませんか? そして、どうにも絵にならないとガッカリされたことがある方に、簡単にわかる「3の法則」を図式化してお伝えしたいと思います。
ディスプレイの世界では「迷ったら三角形を意識すると上手くまとまる」といわれています。三角形といっても多数ありますから、場所によって一番しっくりくるバランスを見つけてみてください。
次に少し難易度が高い並べ方が、シンメトリーの構成。つまりは同じ数、同じくらいの大きさの雑貨を左右対称に並べます。アシンメトリー構成は、枯山水のような左右非対称に並べる方法。リピート構成は、同じ構成を繰り返していく並べ方です。小さなオブジェをたくさんお持ちの方に向いたディスプレイだと思います。
いかがしょうか? イラストを参考に、ぜひご自宅の小物で実際に並べて模様替えしてみてください。お手持ちの雑貨が違った印象に見えるはずです。
スタイリストが実践! 好きなものと上手につき合うインテリア
二本柳志津香『スタイリストが実践! 好きなものと上手につき合うインテリア:テーブルウェアスタイリスト連合会公式インテリアブック』(主婦と生活社)
プロップスタイリスト 二本柳志津香
一般社団法人テーブルウェアスタイリスト連合会(TWSA)代表理事。株式会社空間スタイリング社代表取締役。CM・広告・カタログ・雑誌・書籍・空間からプロップまで手がけるスタイリストで、国家資格商品装飾展示技能士。日本で初めて食器のスタイリング資格・テーブルウェアスタイリストを創設。スタイリングやディスプレイ業のほか、食器の専門家としてイベント出演やテーブルウェアスタイリストの育成に取り組む。
Instagram:@nippon.shizuka