イガリシノブさん、「働くメイク」に物申す!?
キャッチーな言葉やテクニックで、注目を集め続けるへア&メイクアップアーティスト・イガリシノブさん。「かわいい」「甘い」メイクがお得意なイメージがあるイガリさんに、Oggiのヘア&メイクのアップデートポイントを聞いてみました!
改めまして“イガリシノブさん”てこんな人
《PROFILE》
’15年に発売した著書で10万部を超える大ヒットを記録。既存のルールや価値観に縛られない独創的なメイクで、空前のイガリブームを巻き起こす。以来、理論やテクニックを更新し続け、活躍の場を広げている。
◆自由な発想で「新しいかわいい」を提示。〝イガリメイク〟ブームは社会現象に!
▲『イガリメイク、しちゃう?』(¥1,540/宝島社)
◆コスメはもちろん、メガネや服まで。あらゆるジャンルでプロデュース力を発揮!
◆社会貢献活動やYouTube配信など、メイクアップアーティストの枠にとらわれない多彩な活動!
▲YouTube「イガリメイク」
イガリさんの“Oggi流ファッションとメイク”の分析
◆パッと見、メイクの色が浅い=印象が薄い
編集部(以下:編):この度は『Oggi』に初登場いただき、ありがとうございます!
イガリ(以下:イ):お声がけいただいたときは、耳を疑ったよね。だって、私きれいめでもコンサバでもないから(笑)。
編:(苦笑)…それゆえ、なんです!『Oggi』を少し離れたところから客観的に見ているイガリさんに、“働く女性のメイク”に対するアドバイスをいただきたいなと。
イ:事前に読み込んで勉強してきたよ〜。みんな感度が高くて全身抜かりなくおしゃれ! ベーシックカラーを軸に洋服の合わせはこなれてるし、アクセサリーや小物使いまでうまい!
それは総じて洗練されているってことなんだけど、印象に残るかと言われるとまた別で。全体的に“色が浅い”“印象が薄い”っていうのが、個人的な感想かな。
編:き、厳しい! 色が浅い、印象が薄いとは、どういうことでしょうか?
イ:顔に関しては、きっとメイクが薄いわけではないんです。みんなわりときちんとメイクしていると思うし。でも使う色がなじみカラーばかりだと、たとえメイクしていても印象が薄くなる。
要は“メイク感”の問題なんです。具体的にいうとアクセサリー使いはすごく上手だけど、その顔周りの華やかなアクセに対して、肝心の顔が地味でアンバランスになっているとか。
編:きっと『Oggi』読者は、品よくありたいけれど、地味に見えるのは不本意かと…。その塩梅が難しいですね。
◆まだまだカマしていきましょう!
イ:メイク以前の話になっちゃうんだけど、たぶんマインドの問題。20代はぶっ飛んだおしゃれを楽しんでいた子も28歳あたりから急に落ち着かなきゃって、世の中の一般的な美の基準に寄せはじめるってあるあるだよね。
洋服もメイクも守りに入ってしまうあの感じ。「もう30歳だから」ってなんか見えない壁? 世間からのプレッシャーなのか自分の中の思い込みなのか。『Oggi』読者は意識が高くて真面目がゆえに、その傾向も強そうだなと。
精神的に大人になるのはもちろん悪くないんだけど、そのマインドに引っ張られてファッションやメイクまで、地味で控えめな方向に行っちゃうのは安易すぎるし、もったいなくない⁉️ って思うんだよね。
編:確かにそうかもしれないですね。職場ではどんどん後輩たちも増えてくるし。落ち着かなきゃって変な焦りが…。
イ:正直、30代はすべてにおいて落ち着いている場合じゃなくて、エンジン全開で突っ走る世代。仕事や遊びにおしゃれ、そして恋愛。結婚&出産する人はライフスタイルやホルモンバランスの変化まで…とにかく忙しい!
少なくとも私は、30歳、30.5歳、31歳って、40歳までに2倍の時間が欲しかった(笑)。忙しい30代を全力で楽しまないと、40代の楽しさは築けないから、みんなもっと攻めていいんだよ。メイクもファッションも。まだまだカマしていこうよ!って感じ。
◆世の中の平均の美、目指しちゃってる?
編:イガリ的マインド論、勉強になります。では、具体的に私たちはメイクをどうしたらいいのかもお伺いしたいです!
イ:使う色や入れ方を見直して各パーツを際立たせることで、全体的にメイク感を出す。そうするとシックな洋服や洒落たアクセサリーとのバランスもよりよくなるし、30代ならではの“かわいらしさ”が出てくるはず。
かわいらしさとは、20代のかわいいとは別で、個性があって初めて成り立つもの。その自分だけのかわいらしさを見つけて楽しみながら育てていくことが、大人になるにつれてすっごく大事になるんです。
世の中の平均的な美とか、もう流行らないから!
イガリ的「働くメイク」
カーディガン¥37,400・ニット¥26,400(ザ ショップ スローン 新静岡セノバ店〈スローン〉) パンツ¥18,700・靴¥18,700(アダム エ ロペ〈アダム エ ロペ〉) バッグ¥143,000(ピエール アルディ 東京) 〝IRIS47〟のイヤリング¥13,200・〝quip queint〟のイヤーカフ¥7,700・ネックレス¥24,200(フーブス)
こんなアイテムも
▲ピアス¥25,080(ZUTTOHOLIC〈エムシー・スタジオ〉)
▲バッグ¥143,000(ピエール アルディ 東京)
▲シャツ¥18,700(Stola./ストラ)
2024年Oggi5月号「イガリシノブさん、『働くメイク』に物申す!?」より
撮影/榊原裕一(人物)、金野圭介(静物) ヘア&メイク/イガリシノブ(BEAUTRIUM) スタイリスト/伊藤舞子 モデル/若月佑美(Oggi専属) 構成/杉浦由佳子
再構成/Oggi.jp編集部